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zoom RSS 校種間連携でできること(その1)

<<   作成日時 : 2014/05/14 06:46   >>

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小学校から高校まで異なる校種の先生方が集まって研究授業を行うケースが少しずつ増えてきているようです。昨年秋に都内で行われた小中高連携事業での研究授業には地元の小中学校の先生も大勢がお集まりになって貴重な意見交換がなされていました。


❏ 今教えていることが、どのように次の学習につながるのか

小学校から参加された先生は、数年前に自分が教えていた生徒の成長した姿に喜びを感じておられると同時に、小学校と中学校での授業の違いに驚きも感じておられる様子でした。

担当している生徒が上級学校に進学してから経験する学びを改めて知って、日頃の教室でどんな指導をすべきか考え直す必要があるとの趣旨のご発言が印象に残りました。

「今、生徒が学んでいること」が、次のステップでどのように生きるのか、どのように使うことが求められるのかを十分に把握しておかないことには、項目の扱い方にも達成水準の設定にも、その場限りの恣意的な判断に頼ることになりかねません。


❏ 生徒がどんな課題に取り組み、どんな活動を経験してきたか

また、各地を講演でお訪ねするたびに、中学と高校の先生にそれぞれ、小学校や中学校の教科書に目を通す機会がどのくらいあるかもお尋ねしてみました。

地域差や学校での違いはありますが、たいていの場合、半数以上の先生方が「最近はないね」 とのお答えです。小中学校での学習発表や成果品展示についても同様です。

教科の学習であれば、教科書を研究することで、どんな勉強をしてどんな課題に取り組んできたかはある程度の把握ができますが、各学校で取り組んでいる「特徴ある教育活動」 についてはその成果を実際に見ないとわかりません。

設置法人が異なる学校間では、互いの教育活動を知る機会が少ないのは無理からぬ話でありますが、同一法人が設置する学校間でも、定常的にそのような機会が用意されているとは限らないようです。

同じ学校のなかでも学年間で似たような状態が生じていることもあります。生徒はひとつずつ段階を追って連続的に成長します。

それまでの学習の成果を踏まえ、同時に先を見て指導が設計されないことには、ギャップが大きくなるだけでなく、それまでの学びも生かせません。

高大連携などでは、上級学校の求めを下級学校が引き受けるという構図が一般的ですが、生徒が経験してきた学びの足跡をしっかりと踏まえる必要については、やや意識から遠ざかっているのではないか感じます。


❏ 次のステージを見越した学習指導

小中高、あるいは小中、中高の先生方が一緒に行う研究授業が目的とするところのひとつは、「次の段階での学習を見越した指導の実現」にあります。

教材を順に辿り、目の前の学習内容を扱っていくときに、先行きの必要を十分に踏まえての教材解釈が行われている場合と、そうでない場合とでは大きな違いが生じます。

高校3年間の中でも、出口学力で求められるものを大学入試などの出題研究を十分に行って把握したうえでの授業と、教科書だけを見て「教科書を教える」ことに偏っている授業とで、その成果が大きく変わるのと同じです。

出題研究が不十分な授業では、「今教えていることがどのように問われるのか、どのように使うことが求められるのか」という視点が足りずに、教えたことを記憶して再現することを求めるのに偏りがちです。

その結果、生徒に対する学習目標の提示も、獲得した知識の活用機会としての課題付与も十分に行われません。

これと同じようなことが、上級学校での学びに十分な関心を向けていない授業で起こりやすくなります。

公立の小学校・中学校では、地域がそれほど広くないことや管轄教委が同じであることが幸いしてか、異校種間の連携は比較的よく行われているようですが、高校では事情が違います。

高校の先生が中学校に出向いて行う「出前授業」 が積極的に行われている地域もありますが、それでも中高連携は高大連携に比べるとあまり活発でないのが現実のようです。


その2に続く

教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一






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