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zoom RSS 学修時間を延ばすには(その1)

<<   作成日時 : 2014/08/19 07:53   >>

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トップ目標提示とアウトプット学修時間を延ばすには>その1

授業準備や復習を含めた事後学習に投じる時間(いわゆる家庭学習時間)の延伸は、中学・高校までだけでなく、大学においても優先順位の高い課題になっているようです。

平成24年8月に中央教育審議会が取りまとめた答申「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて〜生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ〜」 の影響もあってのことと思われます。

各大学で様々な取り組みが見られますが、学生による授業評価アンケートでも授業1回あたりの平均学習時間を尋ねる項目を追加する大学が少なからず見受けられます。

平均学習時間を選択肢の中から選んで答えさせる方式では、あなたの平日の平均学習時間は?(活用機会としての課題付与と学習生活の把握)で指摘した通り、仕組みそのものが抱える不備があって、必ずしも正確な結果は得られません。

しかしながら、目標時間に達している学生の割合を授業ごとに把握することはできます。また、学習目標提示や授業外課題付与などの工夫を凝らした場合に、工夫導入前後の差分から、その効果を探ることもできます。

ちなみに、授業ごとにリフレクションシートを提出させているケースは少なくありません。そこに「準備を含めた総所要時間」 を書き込ませる欄を設ければ、少なくとも自分が担当するクラスでの学習時間についてその分布をより正確に把握できるはずです。

システマティックにデータを収集して解析に利用したいなら、課題のダウンロードなどに使っているオンラインシステムに少し手を入れたり、WEBアンケートの仕組みを構築したりすることで、比較的簡単に対応できました。

もっと手軽に、正確なデータを・・・ 学習生活調査@代ゼミ教育総研

なお、実際のデータを見ると、「授業の到達目標がはっきりと示されている」 という条件下では、授業1回あたりの平均学習時間が2時間以上という学生の約3分の2が、「授業の目標を達成できた」 と答えているのに対し、2時間未満の学生はその割合が4分の1に過ぎません。

「課題+予習+復習の合計時間の目標は、授業1回あたり2時間以上」 とする設定には、統計的に見てもある程度の妥当性はありそうです。

さて、前ふりが長くなってしまいました。今回のシリーズでは、大学生の学習時間を延ばすための方策について考えてみたいと思います。

これまでに、様々な大学での授業評価アンケートのデータを拝見する機会に恵まれましたが。集計結果を合理的に説明するために立てた仮説から、“教室で採るべき改善の方策”もある程度まで見えてきました。


❏ 具体的な課題を与えることには一定の効果あり

大学生への授業評価アンケートの集計データでは、「教員から与えられる具体的な課題」 や「授業準備や復習の指示」 には、平均学習時間との間に一定の相関が見られますが、期待したほど強固な相関ではありません。

大学や学部によって幅がありますが、相関係数は高くても0.6前後に止まります。

課題や準備・復習の指示が具体的に与えられていると答えているケースでも、授業1回あたりの学習時間が「30分未満」 や「ゼロ」 と回答する学生が5割に達するケースも珍しくありません。

準備と復習を足しても30分未満で完了できるほど軽い負荷しか与えてないケースはレアと思われますし、それで到達目標が達成されるとも思えません。

同じ授業を履修している学生のデータを精査してみても、2時間以上、あるいは60分以上を授業外学習に投じてはじめて、「この授業の目標が達成できそうだ」という回答がようやく増えてきます。

やはり、30分未満という学習時間に止まった学生は、課題や指示をきちんと履行していないものと判断するのが妥当なようです。

指示を出してもやらない学生がいるのは、日常でも良く見かける風景であり、なんら不思議はありません。


目次に戻る.....>>その2に続く


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一


 

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学修時間を延ばすには
大学生の学習時間を延ばすための方策について考えてみたいと思います。これまでに、様々な大学での授業評価アンケートのデータを拝見する機会に恵まれましたが。集計結果を合理的に説明するために立てた仮説から、具体的に採るべき“教室での方策”も見えてきました。 ...続きを見る
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2014/11/05 07:18
学修時間を延ばすには(その2)
結果を大きく分けた第一の条件は、“課題に達成可能性が担保されていたか”どうかであると思われます。課題を解決するのに必要な知識や理解、発想、あるいは参照手段への習熟などを整えるだけの授業がなされていなければ、課題に手を出そうとしても、あるいは指示に応えようとしても、躓くばかりです。そのうちに心が折れて課題を放り出すのも無理からぬことではないでしょうか。「課題ありきでの授業設計」が求められるゆえんです。 ...続きを見る
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2015/03/15 17:25
学ぶ理由/自立した学習者
1 学び続けられる生徒を育てる1.1 教室は、興味が生まれる瞬間を体験して学ばせる場 1.2 5教科7科目に挑ませることの意味 1.3 学び続けられる生徒を育てる 1.4 次に進んだときの学習をイメージ 2 生徒に考えさせる学習行動・授業規律2.1 指示を的確にこなす生徒〜それだけで良いのか? 2.2 生徒に考えさせる授業規律 3 興味関心・学ぶことへの自分の理由3.1 学ぶことへの自分の理由 3.2 興味関心と自ら学ぶ姿勢とのギャップ 4 学習成果を実感させるために4.0... ...続きを見る
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