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zoom RSS 学修時間を延ばすには(その3)

<<   作成日時 : 2014/08/21 06:18   >>

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平均学習時間との間で、ある程度の相関が見られたもう一つの項目は、「わからないことがあったとき、自らのその解消に努めているか」というものです。確かに、わからないことがあって解消しなければならないとすれば、方々を調べてみたり、誰かに聞いてみたりしているうちに、自ずと一定の時間を学習活動に投じることになります。高い相関があるのも当然のことでしょう。


❏ 不明解消の必要性を迫るには

但し、わからないことがあっても、それを解消する必要を感じなければ、そのままです。

テストもないし、発表も控えていない、討論に参加したりする必要もないとなれば、ほかのやりたいことを我慢したり、後回ししてまで勉強に充てる時間を捻出しようとするとは思えません。よほど自律した学習者であれば話は違うでしょうが・・・。

・テストやレポートは決め手にならず

必要を迫る方法としては、学期末考査やレポート、小テストなどが考えられますが、残念ながら、不明解消への意欲と行動を引き出す決め手にはならないことが多いようです。

学期末考査は、その直前になるまで外的動機づけとして働きにくく、小テストも、平常点に組み入れられるとしても、テストが終わってしまえばそれまです。その場での不明を放置し、何らのアクションも取らないとしても決定的なデメリットは生じません。

レポートも、適正な評価が伴わないとコピー&ペーストでその場をしのぐだけの学生も現れます。「不明の解消」という本来の目的が「義務の消化」にすり替わっています。作業はしても勉強はしていない、ということにならないでしょうか。

・発表やディスカッションの機会を

期待できる方策は、教室内での発表機会やグループでの討論などの活用でしょう。

クラスの前で発表をしなければならない場面では、不明を放置することはできません。学びを自己完結させるのではなく、発表という目的のための手段と捉えさせることで、マンネリ化も避けられます。試合が予定されていないときの練習に身が入らないのと同じです。

グループで何かをしなければならないとき、自分だけ何もしないで傍観者でいるわけにはいきません。予め指定された課題図書に目を通して、議論に参加してグループとしての解を導くことが求められたら、貢献とまでは言わないまでも、メンバーの一人として何らかの関わりは持たざるを得ません。

学生同士が、サボりへの抑止力として互いを巻き込む機能が期待できます。また、課題解決に多くの人間が関わるほど、得られる達成感も大きくなる傾向があります。学習の場にも集団達成という概念を持ちこむことは有効かつ重要なことです。

こうした環境に加えて、その場での活動そのものが評価の対象になるとなれば、さらにサボりにくくなります。少なくとも、考査の前になってクラスメートのノートをコピーさせてもらうのと同じような態度は取れなくなるはずです。

特に大教室では、多くのグループを同時に見て評価を与えるのは大変ですが、授業前のグループディスカッションをオンラインで行うなど、問題の多くを一気に片付ける方法もあります。

アクセスログや発言を辿ってみれば、一人ひとりの学生がどれだけ議論に貢献したか、あるいは貢献しようとしたかは、一目瞭然です。将来的には、自然言語解析の技術など活用して、議論への貢献度、リーダーシップ/フォロワーシップの発揮頻度なども定量化できるかもしれませんね。


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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一


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学修時間を延ばすには(その2)
結果を大きく分けた第一の条件は、“課題に達成可能性が担保されていたか”どうかであると思われます。課題を解決するのに必要な知識や理解、発想、あるいは参照手段への習熟などを整えるだけの授業がなされていなければ、課題に手を出そうとしても、あるいは指示に応えようとしても、躓くばかりです。そのうちに心が折れて課題を放り出すのも無理からぬことではないでしょうか。「課題ありきでの授業設計」が求められるゆえんです。 ...続きを見る
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2014/08/21 06:19
学修時間を延ばすには
大学生の学習時間を延ばすための方策について考えてみたいと思います。これまでに、様々な大学での授業評価アンケートのデータを拝見する機会に恵まれましたが。集計結果を合理的に説明するために立てた仮説から、具体的に採るべき“教室での方策”も見えてきました。 ...続きを見る
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2014/11/05 07:18
学修時間を延ばすには(その4)
発表やディスカッションの機会を用意し、参加姿勢を評価することが”不明解消”への動機づけになりますが、活動に対する評価の基準を明確に示しておかなければ、どう関わればよいか学生が戸惑うことも予想されます。場合によっては、いたずらに発言数を増やすだけの学生や、相手の発言を受け取らずにあさっての方向に議論を乱してしまう学生も出てきそうです。 ...続きを見る
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2015/03/15 17:29
学ぶ理由/自立した学習者
1 学び続けられる生徒を育てる1.1 教室は、興味が生まれる瞬間を体験して学ばせる場 1.2 5教科7科目に挑ませることの意味 1.3 学び続けられる生徒を育てる 1.4 次に進んだときの学習をイメージ 2 生徒に考えさせる学習行動・授業規律2.1 指示を的確にこなす生徒〜それだけで良いのか? 2.2 生徒に考えさせる授業規律 3 興味関心・学ぶことへの自分の理由3.1 学ぶことへの自分の理由 3.2 興味関心と自ら学ぶ姿勢とのギャップ 4 学習成果を実感させるために4.0... ...続きを見る
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2017/01/17 07:48

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