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zoom RSS 学級経営を定量的にとらえて知見の共有を

<<   作成日時 : 2014/09/08 07:11   >>

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生徒による授業評価アンケートを行う際に、「学級経営評価」をオプションに加える学校が増えています。「ホームルームで学校からの連絡が漏れなく伝えられているか」、「担任の先生は進路の話など参考になる話をしてくれるか」、「叱ったり注意したりする時も生徒の言い分によく耳を傾けてくれるか」などを尋ねます。

「私のクラスは、規律ある雰囲気の中で、生徒が相互に刺激しあい成長に向かっている」 という学級経営の成果を端的に示す指標設問も含まれますが、単に肯定的な回答が占める割合を算出するだけでは、校内に埋もれる優れた実践や知見を探り当てるには至りません。

むしろ、数字化した結果でクラスを並べるだけの不毛なことになりかねません。授業評価もそうですが、アンケートを目的は“序列化”にはありません。優れた事例を掘り起して共有すること、そして、試行錯誤を経ながら効果のある取り組みを特定していくことこそが、その目的とするところです。

せっかく生徒に答えてもらって集めたデータです。きちんと解析して、正しい方向で、建設的な改善行動につなげましょう。

*   *   *   *   *    *    *

下のグラフは、ある学校で行った解析の一部です。横方向(X軸)と縦方向(Y軸)に、以下の項目での評価平均を置いて散布図を作成しました。

横軸:クラス担任からの発信
・LHRは毎回テーマが決められ、目的意識をもって参加できる
・HRでの進路の話は、自分の将来を考える上で刺激になる
・担任の先生が生徒にどのような行動を期待しているかはっきりわかる

縦軸:生徒との相互理解
・担任の先生は、どの生徒にも公平な対応をしている
・担任の先生には学習や進路のことなど、相談がしやすい
・生徒をしかるときでも、生徒の言い分に耳を傾けてくれる


画像


グラフ中の○は「私のクラスは、規律ある雰囲気の中で、生徒が相互に刺激しあい成長に向かっている」で80ポイント以上の評価を得たクラス、▲は70ポイント未満となったクラスを表しています。グラフを見やすくするために70ポイント以上80ポイント未満のクラスは非表示にしました。

斜めに通した破線は、○と▲の境界です。互いの分布域に例外がそれぞれ同数(4つずつ)が存在するように描かれています。分布域はかなりはっきりと分かれている一方、互いに重なり合う領域も小さくありません。

それぞれのクラスの座標面上の位置をみると、予想される分布域を逸脱しているケースなどが見つかります。そのクラスで行われていることをヒアリングしたり、他の項目との相関などを精査してみると、様々なことが推測でき、改善への仮説も立てられます。

作用していると考えられる他の因子が「学校行事」の場合もあれば、「教科学習指導」(担当間で違いが生じます)が大きく作用しているケースもありました。

破線の左側にありながら○となり得たクラスには、何かしらの倣うべきものがあると考えられます。事例報告会などを通じて知見の共有を図ることで、クラスごとの差を解消しながら、学校全体がより良い方向に進んでいくはずです。

また、近似線を描き、線から上下左右のどちらにずれているかを見ることでも、改善行動の方向付けをすることが容易に行えます。どちらか一方に偏っている状態を解消することにも通じますし、如上の「境界線」に最も短い移動で到達するための“方向”を探ることもできます。

感覚や印象だけに拠らず、データをしっかり活用することで、実に様々な事柄が見えてきますし、周囲に働きかけをする時の説得力も違ってくるはずです。

教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一


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