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zoom RSS アンケートで探る“学ぶ側の認識”(その1)

<<   作成日時 : 2019/02/04 08:35   >>

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学習指導が所期の成果を上げているかどうか正しく評価するには、学習の成果として形成された知識・技能、思考力・判断力・表現力を測定する「テスト」や、活動そのものをルーブリックなどの基準に当てはめて行う「パフォーマンス評価」に加えて、学習者の認識そのものを把握するための「アンケート調査」や「面談調査」なども欠かせません。

2014/10/27 公開の記事をアップデートしました。


❏ テストが測るのは解内在型の課題に対する解決力

出題者が想定した正解をきちんと導き出せるかを問う、所謂ペーパーテストは、いうまでもありませんが、知識・技能、およびそれらを組み合わせて発揮する課題解決力を測定するために行われるものです。

知識の獲得や、手順への習熟などを測り、教科学習指導が所期の課題解決力を与えることに成功したかどうかを測るのに、精度においても経済性においても、テストを上回るものは簡単には見つかりません。

テスト問題の妥当性をことあるごとに検証し、その機能向上を常に図っていくことの必要性は今さら申し上げるまでもありません。

テストの精度と妥当性を高めれば、指導効果のより正確な測定が可能になり、考査の結果から自分の授業を振り返る中で、指導法や指導計画の最適化にもつながります。

 ■ 考査問題の妥当性を評価し、最適化を図る
 ■ 考査問題の改善が授業も変える


❏ パフォーマンス評価、ポートフォリオ評価

これに対して、生徒が取り組む「活動」そのものを評価するのがパフォーマンス評価やポートフォリオ評価です。

主体的、対話的で深い学びの実現を図り、課題解決型学習に協働で取り組ませても、他人の成果にただ乗りするだけのフリーライダーも出現します。

他人が導いた答えを見聞きし、再現できたとしても、その生徒が学習方策や課題解決の方法を身につけたことにはなりません。

学習活動そのものを基準と規準に照らして、観察・評価しないことには、個々の学習者の成長を促すことができないということです。

教科学習指導の場に限らず、進路指導や生活指導においても、学習者としての成長を促す"活動評価"と"振り返り"が必要です。

ルーブリックやポートフォリオについては、新しい学力観に基づく評価方法(記事まとめ)に関連記事を集めました。お時間の許すときにご高覧いただければ幸いです。


❏ 生徒の認識は面談法や調査紙法で確かめる

しかしながら、個々の生徒、あるいは学習者の集団について、結果学力が向上し、学習行動が改善していたとしても、当事者である生徒の中の認識がどうなっているかは当人に訊いてみないことにはわかりません。

ある科目の成績が良くても、不要な苦手意識を抱えていたり、伸びている実感を欠いていたりすることもあります。

これに気づかず、放置していたら、学び続ける意欲はやがてどこかで失われるリスクがあります。

また、指示された通りの学習行動が取れていたとしても、学びを通じて目指していること(学習目標)が理解できていなければ、主体的に取り組んでいるとはいえないはずです。

こうした、学習者の頭の中にあることは、尋ねて答えてもらわなければ外から観測できませんので、自ら学び続けられる生徒を育てるためには面談やアンケートを通した把握が必要、ということになります。

また、進路意識の形成においてどのプロセスまで進んでいるかや、行事などを経験して期待される成長の度合いなども、訊いてみない限り外から観察できるものではなく、アンケートなどを通した把握が必要です。


❏ きちんとしたアンケートの実施と活用の重要性

冒頭でも書きましたが、多様な調査・把握方法を使い分けて、学習者の状態を多面的に評価することが、個々の生徒の成長を促し、指導目標の達成に近づけていく上で欠かせません。

また、個々の指導目標がどこまで達成できたのかを、対象者の中での割合(達成率)で把握しておかないと、指導計画や指導方法の妥当性を確かめることもなく、経験則や勘で指導を続けているということになってしまします。

新テストの導入に向けて、定期考査問題の改善も進んでいると思いますし、新しい学力観に沿った評価方法の研究や導入もまさに現在進行形かと拝察しますが、面談やアンケートといった「内面を質す機能」の整備にもこれまで以上の注力が必要です。

また、アンケートなどの集計方法も、単なる回答分布や肯定的な回答の割合といった「記述統計量」の把握に止まっては、せっかく得られたデータが活かせません。

生徒には探究活動などを通して統計を学ぶ機会が与えられていますが、現場で頑張る先生方にも統計の知識が求められています。集計結果に基づく分析なしには、質問項目の設計の最適化も図れません。


❏ インタビューとアンケートは場面や用途で使い分け

深く掘り下げながら訊くには、面談を通しての対話が最適です。対話の中で、発言に曖昧な箇所があれば、さらに質問を重ねて解き明かすというやり方は、質問文を固定しているアンケートでは無理です。

表情に現れながら、言語化されていなものを読み取るのも、人と人が相対している場でこそできるものですよね。

しかしながら、面談/インタビューは、一度に一人ずつしか対象にできないので、クラスや学年全体を対象とするときには、時間というコストが大きくなってしまいます。

これに対してアンケートは一斉実施が可能であり、集計と分析を経て、集団としての現況や特性を把握するとともに、個々の生徒の現在位置を相対的に捉えることもできます。

集計を意図しないのであれば、リフレクションシートやポートフォリオに記入されたことを精査することでアンケートの代替が可能ですが、自由な記述を優先するほどに、こちらが確かかめたいところに回答者がフォーカスしてくれないというジレンマを抱えます。

場面ごとに得られた情報やデータをどう利用するかを考えながら、最適な調査方法を選択することが重要であるのは言うまでもありません。

その2に続く

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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一


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