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zoom RSS 面談指導を成功させる#4〜面談スキル向上への協働

<<   作成日時 : 2018/09/25 07:17   >>

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面談指導計画は進路指導部や学年進路といった機関が作成しますが、実施するのはクラスを担当されるひとりの先生であり、指導の成否はクラス担任の面談スキルや指導への取り組み方に左右されます。そうしたスキルや姿勢は個々の先生の経験の中で養われることが多いかと思いますが、生徒は先生の経験値が上がるのを待てません。

指導機会を経るたびに組織的な効果測定をきちんと行って「優良実践を共有できる仕組み」を校内に整えていくこともまた、実施計画を立案する機関の責務ではないでしょうか。

2014/11/18 に公開した記事をアップデートしました。


❏ 効果測定をきっちり行い、好適実践の把握を

好適実践の抽出には、効果測定と比較検証が欠かせません。

授業評価アンケートの場合と同様に「比べられる」という意識ではなく「良いものを探す」という発想で様々なデータを活用したいものです。

例えば、大学訪問や学部・学科研究を経験させたあとは、生徒にレポートを提出させるのは普通に行われているはずです。

このレポートを材料に、それまでの指導の成果を測ることが可能です。奉仕やインターンシップでも同じでしょう。

事前の指導が十分な効果を上げたクラスとそうでないクラスとでは、レポートの内容(気づきの深さなど)に差が現れます。

単純な方法としては、レポートを読んで進路関連行事を経て生徒に気づいて欲しい事柄に言及している部分をカウントして、その頻度を指標に使うのはどうでしょうか。

内省の深さに段階的な規準を設ければ、もっと詳しく個人/集団の状況が探れます。

こうした作業を通じて好適な記述が多く表れたクラスを見つけ、事前にどんな指導を行ったか担任の先生から実践を報告してもらうことも、優れたノウハウを共有していく良いきっかけになります。

発表した先生も自らの指導を言語化する中で、さらに進化させていくヒントを見つけることも少なくないはずです。


❏ 指導の前後での変化量から効果を推定する

指導の成果は、指導の前と後との違い(差分)にも現れます。

進路意識の形成がもともと進んでいたけど、当該期間の指導であまり進歩がなかったクラスと、指導前に遅れがありながらキャッチアップが大きく進んだクラスがあったとしましょう。

絶対的な評価でたとえ前者の優位が変わらなかったとしても、好適な指導法を探すときには、差分の大きい後者にこそ着目すべきです。

様々なチャンスに進路意識の形成状況を定量的に把握しておき、一定期間を挟んだ座標の変化を集団ごとに捉えられるようにしたいものです。

前稿でご提案した「面談指導に先駆けて実施するアンケート」での回答分布の変化なども指標に活用できるはずです。

グラフにしてみて「傾き」が最大になっている箇所(時期やクラス)には、倣うべき優良実践が存在している可能性が高そうです。

大きな効果をあげた要因が、当該時期の指導にあるとは限りません。

それまでの指導で得ていた効果がレディネスとなってその時期の指導を支えた可能性もありますので、遡って考察してみることが重要です。


❏ 進路指導計画を見直したときは特に重点的に

進路指導計画を変更した年度では、前年度のデータと比較して、変更の効果を測定するのは必須の仕事だと思います。

試行として導入してみたことは、きちんとその成果を確かめて精選していかなければ、仕事を増やすだけのことになりかねません。

また、成果が得られているにも拘わらず、それに気づかずに実践が広まらない/徹底されないのではもったいないことになりそうです。

追加した指導機会が進路意識の形成にどの程度寄与したか、カットした指導がどの程度の影響を及ぼしたかきちんと把握できるように、効果測定の機会をしっかり整えておきましょう。

指導機会ごとに目指すべき到達状態を明確にしておけば、
  • 生徒アンケートの質問文に整えたり、
  • 先生方の観察に用いる評価規準表(ルーブリック)に整えたり
すれば、指導成果を定量的に把握する仕組みに展開できるはずです。

 ■指導方法の効果測定


❏ 面談票や進路アンケート自体にも不断の改良を

面談前に記入させておく調査票や進路意識アンケートで得た個々の生徒に関する様々な情報も、そのままの状態では指導方針の立案や指導の改善に役立てることはできません。

集計して定量的なデータに加工しておくことが、年度を跨いでの比較検証やクラス間の比較からの優良実践の抽出に利用するための前提です。

調査票やアンケートを設計するときは、定量化の方法も考慮しておかなければならないということです。

また、それらの記入項目や質問文が合理性を欠くものであれば、出てきたデータが誤った方針を示してしまったり、錯誤を生じさせてしまったりすることもあります。

蓄積されたデータを用いて、調査項目や質問文そのものの妥当性を検証するようにしましょう。


❏ 解析結果に基づき不要な項目を除外することから

生活・学習・進路の各領域における当該時期の重点目標を端的に表す質問項目への回答を「目的変数」、その他の項目での回答を「説明変数」として重回帰分析で算出された偏回帰係数の大きさや有意性を判断材料に、質問項目の取捨選択/入れ替えを進めていきましょう。

経年的にデータが蓄積できてきたら、「好ましい進路意識形成のプロセスを辿った生徒」と「それ以外の生徒」を分けるフラグを設ければ、各項目でどの選択肢を選んだかで統計的な有意差が生じているかの確認もできます。

有意差が確認できないような項目は、調査から除外し、別の仮説に基づく新たな項目に入れ替えていくことを通して、調査票やアンケートの改善を継続的に進めていくことが重要です。

続編に続く。

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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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