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zoom RSS TIPS! 空所を残した板書

<<   作成日時 : 2014/11/21 08:08   >>

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空所を残したまま板書を行うことで、生徒の問題意識を刺激するという手法があります。授業の導入時や、新たな内容に進むときに用いれば、学習を通じて目標とするところを示す優れた機能を発揮してくれます。

本時の学びを通じて答えられるようになって欲しい問いの"正解"となる文章をベースに、ポイントとなる部分を空けておくだけです。

例えば、こんな感じです。

画像


❏ 空所を見ると、そこに何が入るか考え始める

空所は、埋めることを前提として認識されますので、このような板書をされると、「どういったことが下線部に補われるのか?」という興味が見た者(=生徒)の頭に浮かびます。

内容によっては、箇条書きにして、それぞれのポイントに適切なサイズの枠を書いておくというバリエーションもあります。

板書をすると生徒は反射的/本能的にノートを写そうとしだしますので、目で見て手を動かしながら、これから学ぶことが何かを思い浮かべるという寸法です。

実際の教室を見ていると、始業チャイムの前にこの板書を行っただけで休み時間のざわざわが落ち着いてくることもありました。


❏ 問題意識を刺激しておけば情報を受け取る力が高まる

頭の中で巡らせることがたくさんあれば、その後の情報の受け取りもスムーズです。教師が投げるボール(知識や理解など)を受け取るために生徒にミットを構えさせるのに、スマートな方法だと思います。

空所が残されるということが、生徒にとって問いを投げかけられたことと同義であることを踏まえると、様々な応用が利きます。

別稿「強調の正しい方法(その5)」で書いた通り、大事なポイント、焦点化したい箇所は問い掛けによって着目させておくことが大切です。
弊害が少なく、且つ効果的な方法は、直前の問い掛けで生徒に考えさせて(頭を働かせて)、情報を受け止めやすい形にしておくことです。「これってなんだっけ?」→(教室を見渡して)→「そう、○○だったね」という流れを想像してみて下さい。何の前ふりもない「○○です」とは大違いですよね。問われることで頭を使って、という生徒側である程度のエネルギーを使わせることが、印象と記憶を強化することにも役立っています。


❏ フレームの軸を最後まで空所のまま残しておくと…

例えば、以下のような内容を扱う場面では、軸に当たる部分を先に示し、あとで項目を埋めていくのが普通かもしれませんが、順番を逆にしてみるのもお奨めです。
画像

軸に添えた部分(「意識的に動かせるか」と「組織学的分類」)で枠線だけ最初に描いておき、中身は最後まで空所のままにしておけば、「横軸・縦軸はどういう区分か」という問いで学びを仕上げられます。


❏ 空所を残すことは問いを発するのと同じ

繰り返しになりますが、空所のまま残っている部分には、何が入るんだろうという疑問が向けられます。

学びの焦点にどれだけ意識を向けさせていたかが、印象を強め、記憶の定着にも役立つと考えれば、発問と同様の効果を持ちます。

まして、耳で聞いただけでの場合より、目で見て手を使って書き写すという工程が加わりますので、生徒が使うエネルギーもわずかながら増え、それが記銘を深くします。

さらにチョークの色を変えて、生徒に筆記具を持ち代えさせれば、動きを一つ増やせますので、印象に残る可能性を一段と高めることもできそうです。

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