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zoom RSS 学習機会としての模試受験(その1)〜仕上げさせる

<<   作成日時 : 2018/09/04 05:05   >>

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模擬試験を受験させるのには、出願校選択のための合否判定データを揃えるという目的もありますが、この部分に過大な意味を持たせるのではなく、「学習の機会」という位置づけで模試を捉えるのが好適です。

模擬試験に向けて数週間程度の準備期間を設け、生徒が自分の課題を設定してひとつずつ仕上げてクリアしていく場合と、漫然と場数だけ重ねて行く場合とでは、得られるものが大きく違います。

2014/11/25 に公開した記事を全面的にリライトしました。


❏ 自分の課題を特定させ、持ち時間の中に配列させる

受験期における生徒一人ひとりの課題は、「目標大学が求める学力と、現状での自分の学力の差分を埋めること」ですが、受験期を迎える前の生徒にも、それぞれ自分の課題があるはずです。

定期考査や模擬試験で解けなかった問題を放置していたり、進めておかなければならない単語集や例文集の暗記が滞っていたりするなら、それらを仕上げていくことも課題のひとつです。

そうした課題に気づいていても、「いつかそのうち」と悠長に構えさせては、「いつか」はどんどん先のことになってしまします。

履行期限を決めさせて、それまでの実施計画を作らせるには、模擬試験の受験予定日を区切りにさせるのが好適です。

やらなければならないこと(=こなすべき教材)を選び出させたら、残り日数に当てはめて進行予定を計画させましょう。持ち時間にタスクを配列してみることで、優先順位をつける練習にもなります。

当然ながら、日々のノルマをきちんとこなしているかを生徒自身に点検させたり、滞りがないか声をかけたりしないと、計画を作っただけという事態に陥ります。

やるべきことをすべて教える側が用意して生徒はそれに従うだけでは、生徒が自分の学習を計画する力を身につけられません。


❏ やりきらずに放置していたことの仕上げを優先

模擬試験を目指して学習計画を立てさせると言っても、まだ学んでいないことを授業の流れを無視して先に進めるのは効率的ではありません。

土台のないところで頑張っても時間を浪費するばかりです。

生徒一人ひとりが行うべきことは、やりきらずに放置してきたことを仕上げることにあるはずです。

既に一度は手を付けて仕上げ切らずにいるだけのものなら、教科書やノート、参考書を頼りに、自力で十分に進められます。

仮にひとりで解決できない疑問でも、先生に質問するまでもなく、周りに訊くだけでも片が付くことが多いのではないでしょうか。

過去にトライしたときは、ほかのことに優先順位を譲って後回しにしてしまったことも、自分の進路希望の実現が左右される局面を迎えてやり直そうとすれば、取り組み方も自ずと違ってきます。


❏ 学び直しに好適な材料(例)

ある学校で「学び直し計画」を立てさせたところ、こんなタスクを自分に課した生徒がいましたが、いずれも悪くない選択ですよね。
  • 英語 朝テストで行ってきた例文集の暗唱をやり直す
  • 数学 2年生までの教科書の章末問題をすべて解き直す
  • 古文 前回の模試の本文に文法的注釈をつけ直す
以前に勉強したものを復習して「重ね塗り」することは、単に記憶を呼び戻すだけの効果に止まりません。

最初に学んだとき以降、生徒は様々な事柄を勉強したり経験したりしています。それらを踏まえて行う学び直しは、初見のときとは違った「新たな気づき」や「理解の統合」を得る絶好の機会です。

他の教科で言えば、
  • 物理で学んだ力学を、数学で微積を学んだあとに学び直せば、角度を変えた理解が深まる。

  • 世界史を学んだあとに、1年ぶりに地理の教科書を読み直せば、違った世界観に触れることができる。

  • ディスコースマーカーの使い方を学んだあとなら、夏休みの宿題だったサイドリーダーも違った読み方ができるはず。
といった学びの広がりと理解の深化が期待できるはずです。


❏ 他にも“ベタ”ながら効果的な方法がたくさん

過去の定期考査を引っ張り出してきてやり直すというのもお奨めです。

きちんとファイルさせているのに、そのあと開いてみる機会すらないというのでは、あまりに勿体ないのではないでしょうか。

答案返却直後に行うやり直しとは違い、十分な時間が経過していますから、答えの丸暗記では通じません。

知識や理解を辿り、組み合わせながら答えを作っていく工程を改めて経験できますので、大きな学習効果が期待できそうです。

学んでから数か月が経過した単元での「音読、リスニング、シャドウイング」なども効果的です。英語に限らず古文・漢文でもお奨めです。


❏ 安易に新しいものに手を出させない

新たに問題集などを買い込んでゼロから始める生徒を見かけますが、あまりうまく行っているようには見えません。

さぼりがちに過ごしてきた生徒ほど、リセットして最初からやり直したがる傾向があります。古本屋に新品同様の問題集が並んでいるのを見ると何とも言えない気分になります。

新しいものに手を出しても、仕上げ切らずに放置するものを増やすばかりです。生徒の手元に残っているものを積極的に利用させましょう。

それまでの取り組みが不十分であっただけに、新しいものをこなすだけの力が十分についているとは思えません。返り討ちにあうばかりです。

所用時間のめども立たず、実現可能な(=破たんしない)計画を立てるのも困難なはずです。

少しかじってきたものを選んだ方が、完遂に至る可能性ははるかに高くなります。疑問点が生じても、友達に聞くことだってできますし、ノートを開けばそこにヒントが見つかるはずです。

その2「計画させる」に進む。

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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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