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zoom RSS 振り返りのためのアウトプット(その2)

<<   作成日時 : 2019/04/16 07:08   >>

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生徒が自らのインプットに不備・不足があったことに気づくための機会として、アウトプットの場を用意することが必要です。もちろん、アウトプットがうまくいき成果を形にできたら、それはそれで生徒に達成感を与え、次の学びへのモチベーションを高めますが、うまく行かなかったときに取る次の行動こそが、学習者としての自立・成長の鍵です。

2015/01/06 公開の記事をアップデートしました。


❏ 上手くいかなかった時こそ、知恵を獲得するチャンス

理解の形成や課題の解決といった学習指導の場での目標達成を優先するあまりに、過剰な手引きをしていないでしょうか。

生徒に失敗させないようにと、教える側が先回りばかりしていると、生徒は自分でやり方を考えたり、失敗の原因を見つけて修正したりする姿勢と方策を獲得する機会を失ってしまいます。

言われた通りにやっていれば良いという姿勢を作っては本末転倒です。

 ■ 指示を的確にこなす生徒〜それだけで良いのか?

自分で考えてやってみて、失敗に終わったときこそ、「どうして間違ったのか」「どこで何を誤ったのか」「どうしてそれに気づかなかったのか」を一つひとつ振り返り、正解に近づく方法を身につける好機です。

それまでの取り組みややり方に足りないものや間違っていた部分に気づけば、次に向けた修正ができます。

本番での失敗は取り返しのつかないこともありますが、教室は安全が確保された場です。どんどん転ばせて立ち上がり方を覚えさせましょう。

立ち上がり方さえ覚えれば、転ぶことは怖くなくなりますので、学びに対する積極的な姿勢やチャレンジする意欲も生まれてくるはずです。

 ■失敗を積極的に経験させる(前編)(後編)


❏ 失敗の後処理、未習熟の解消だけを目的にしない

定期考査や模擬試験で成績が振るわなかった生徒に対して、間違えた問題の解き直し(間違い直し)をさせるのはよく見かける指導です。

また、予習で解いてきた問題で間違っていたとき、生徒は赤ペンで正しい答えを書き込んだりしています。

これらはいずれも、その問題に対する正解を確認しているだけであり、言ってみれば、傷に絆創膏を貼っただけの対応です。

成績が振るわなかったのはなぜか、正解に到達できなかったのはどうしてかを考え、根っこにある原因を特定して解消を図らないことには、また別の機会に同じ失敗を繰り返します。

生徒に振り返りをさせるときは、当座のリカバリーに止まらせず、次の機会にはどう取り組めば上手くいくのかをしっかり考えさせ、作戦を立てさせるようにしたいものです。

知識や理解の欠落をそのままにしては先に進めませんから、それはそれで大事ですが…。


❏ 作戦ミスと実行ミス2つの観点で再度の振り返り

次の機会に向けた行動計画や作戦を立案させているのに、リフレクションシートに書き込んだことにどこかで立ち返る機会を作らなければ、やりっぱなし、書きっぱなしですよね。

次のチャレンジ機会では、自分で立てた作戦が「妥当だったのか」「実行できたのか」を点検させる必要があります。

立てた作戦が間違っていたら、いくら粘ったところで、次の機会での成功には近づけません。

一方で、作戦が正しくても、きちんと実行しなかったとしたら「絵にかいた餅」ですよね。ひとつも腹の足しになりません。

作戦ミスと実行ミスとの切り分けは、生徒の学習のみならず、あらゆる場面で必要です。

当然ながら、実行ミスにも原因があります。単に怠惰だったからと片づけるのではなく、「自らを実行に仕向ける方策」を欠いていたからこそ生じた問題と捉えるようにしないと、その解消は進みません。

指導においては、やりきらせる責任〜仕上げ切らないことを習慣化させないことを常に念頭に置きたいものです。


❏ 正しく振り返りができるようにすることも重要な指導目標

振り返りを行うべき場面は、生徒が自力で○×判定ができるような場合に限りませんよね。

正解がひとつに決まらない問題や記述・論述問題では、自分の答案を正しく評価する力が求められますし、様々な発表についても自己評価・相互評価がきちんとできなければなりません。

実際、大学入学共通テストの試行では、実際の採点結果と自己採点が一致しない問題もかなりの数に上ったとのことです。

採点基準に照らして、自分の答案を正しく評価できていないということであり、そのままでは思考力・判断力・表現力を自ら高めていくこともかないません。

詳しくは以下の記事に譲りますが、そうした答案や発表を評価する練習の機会を、指導計画の中にきちんと設けているかどうかが問われる状況になっているということです。

 ■ 新共通テストの採点基準〜正しく適用できる力
 ■ 自己評価、相互評価を行わせるときの工夫


❏ リフレクションシートもただ使っているだけでは

広く使われるようになっているリフレクションシートも、きちんと活用され、学習者の成長に繋がっているケースばかりではありません。

生徒が提出したリフレクションシートを見ると、ただの「感想メモ」に止まるものも結構な割合で見受けられます。

自らが取った行動の否定的な側面ばかりを強調した「反省文」だけで、次に向けた行動計画に触れていないものも頻繁に見かけます。

シートの様式にきちんと「次はどうする」という欄や項目を設ける形式面での工夫に加えて、生徒が書いたことに指導者がどこまでツッコミを入れられるかも問われているのではないでしょうか。

クラスや学年を跨いで、好適な振り返りが出来ている事例を集め、生徒間でシェアする機会も持つべきかもしれません。

生徒が自ら作戦を立てる支援ツールとして導入されたのが、リフレクションシートでしょう。この趣旨を忘れると、せっかくのツールも単に提出を求められる「義務」に過ぎないものになってしまいます。


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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一


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振り返りのためのアウトプット
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