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zoom RSS 教科間で行う、課題量の把握と調整(その2)

<<   作成日時 : 2015/01/08 05:32   >>

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課題を与えたからといって、その分がそのまま家庭学習時間の延伸に繋がるわけではありません。履行率を高めることが何よりも大切です。やってこなかった生徒に対する指導も大切ですが、その前に整えておくべきものがあります。それが「課題の達成可能性」です。


❏ 履行率が上がらないのはなぜ?

授業が終わった段階で、課題を解決するのに十分な材料(知識と理解に加え、不足する情報を入手する手段もこれに含まれます)を携えていなかったとしたら、課題に手をつけたところで返り討ちです。

「解けない自分に向き合うだけ」では、達成感を得るどころか、自己肯定感の喪失という事態にすら陥りかねません。

授業終了時に付与する課題を先に決めておき、その解決に必要な知識や理解を授業内で作り上げる、すなわち「課題ありきの授業設計」という発想を教える側がしっかりと持っておくことが大切です。

また、授業終了直前の5分間で行う“アウトプット”での予行練習にも、達成可能性と履行可能性を高める大きな効果が期待できます。
授業終了前5分になった段階で、前もって配布しておいた課題について解法やまとめ方の方針を生徒自身に考えさせます。方針が立った生徒はそのまま答え作りに移行します。課題の難易度が高めである場合など、必要によっては、生徒のペア/グループで討論をさせることもあるそうです。互いの発想と理解を交換し合う中で、生徒たちは解決への糸口を探そうと真剣になります。その機を逃せば、家に帰ってから一人でなんとかしなければならないだけに当然でしょう。
この5分間は、具体的な課題を軸に、その時間に学んだことを統合する場面であり、習ったことが「どのように問われるか」「どのように使うことが求められるか」を改めて知る場面でもあります。また、目の前にある課題に対し、どのように解決に向かえば良いかの展望が立つことで、「なんとかなりそうだ」「やってみるか」という姿勢も得るようです。
その課題は、宿題となり、次回の授業までに提出することが求められますが、この取り組みを始めてから、質問で職員室を訪れたり、休み時間や自習室で宿題に取り組んだりする生徒の姿が増えたとのことです。
授業終了時の5分間アウトプット


また、宿題や予習をやってこなかった生徒に対して、ペナルティを与えるだけでは、次の機会での改善はあまり期待できません。どのように後始末をつけるのかを、本人に考えさせ、宣言させる方向も試してみましょう。

(ご参考記事)宿題をやってこない生徒への対応


❏ 学習時間の把握は教科ごとに

的確な調整を行うためには、状況を正確に把握しておくことが前提条件となるのは言うまでもありません。

家庭学習時間調査では、教科ごとに、学校の授業に関する勉強とそれ以外(塾などで学ぶ時間やその宿題)に分けた把握ができるような仕組みも必要でしょう。
家庭学習時間調査は、多くの学校で「定点観測」として行われていますが、成果として学習時間の延長に繋げるのは容易ではありません。原因の一つは、調査が“総時間の自己申告型”で行われていることにありそうです。データが不正確であるため、学習に向けさせる仕掛けの効果が正しく測定できず、生徒の側でも“振り返り”の機会になりません。http://www.yozemi-eri.com/survey/learninglife/


与えた課題に対して、想定通りの家庭学習時間(正確には、休み時間や通学時を含めた「授業外学習時間」)が投じられているかどうかの比較点検も必要です。

課題を出した側の想定と、実際の学習時間との間に大きな隔たりがある場合、まずは何らかの見落としがあると疑ってみる必要があります。


その3に続く

教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一


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教科間で行う、課題量の把握と調整
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教科間で行う、課題量の把握と調整 #INDEX
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