評価方法の再整備~高大接続答申から

昨年12月に公表された、いわゆる高大接続答申。ご覧になられたと思いますが、「選抜性の高低にかかわらず、学力については、アドミッション・ポリシーに基づき、学力の三要素を踏まえた総合的な評価を行うことが重要」と打ち出しています。
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「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」別添資料2より抜粋
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/__icsFiles/afieldfile/2015/01/14/1354191.pdf



❏ 学力の三要素

上記の答申では、入学選抜で評価すべき「学力の三要素」を、
 「知識・技能」
 「思考力・判断力・表現力」
 「主体性・多様性・協働性」

と定義したうえで、「調査書、活動報告書、面接等を活用し、大学教育に求められる水準の学力を確保」 を、特に改革が必要な点の一つに挙げています。

大学入試がどのような形を採るか、正確な予想は現段階では難しく、暫くは動向を見守らなければなりませんが、確実に言えることは、高校卒業までに、ここで求められている学力を獲得させなければならない、ということではないでしょうか。


❏ 育てるためには評価が欠かせない

育てるためには評価が欠かせません。卒業時に目指すゴールに対し、現段階で到達していなければならない状態と、生徒一人ひとりの現在位置とを相対的に捉えることが次になすべきことを考える前提を作ります。
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学力の三要素のうち、結果学力としての「知識・技能」およびそれを使った解内在型の課題に対する解決力は、いわゆるペーパーテストで測ることができます。精度の高い考査問題を作り、測定すべき学力要素ごとに到達状態を調べることで正しい評価を実現しましょう。

「思考力・判断力・表現力」 については、定期考査などのテストの出題内容が、これらの要素をきちんと含んでいるかを確認していく必要がありそうです。

万が一、授業で教わったことを記憶して答案上に再現するだけで点数が取れるようなテストであれば、大きく見直しをしなければなりません。

しかしながら、「主体性・多様性・協働性」 などは、これまで「平常点」 などであいまいにされて来たケースもあるのではないでしょうか。

学習の機会ごとに、生徒の活動をしっかりと評価を行える態勢を整えなければなりません。また、評価の機会を作るためには、PBL(Project-Based Learning 課題解決型学習)の要素を積極的に取り入れつつ、授業のスタイルを更新していく必要もあります。


❏ 探求型学習プログラムにおける評価

「思考力・判断力・表現力」 あるいは「主体性・多様性・協働性」 を養う機会として、フィールドワークや研究論文などのいわゆる探求型学習があります。

高大接続答申で打ち出されているものは、その多くが、高校現場では既に先行して実現されています。整備が進んでいる探求型学習プログラムは、きちんと運用されれば、来る大学入試改革への対応の切り札の一つになるはずです。

しかしながら、探求型学習プログラムの場で「評価のシステム」 が十分に機能しているかどうかでは学校ごとに様相がだいぶ違って見えます。

正しい評価と生徒へのフィードバックが、生徒の成長を大きく左右する以上、探求型学習プログラムの中で、評価の仕組みが整っているかどうかは、どこかのタイミングで確かめておく必要があるのではないでしょうか。

  
❏ 各教科の学びを関連付けるための活動として

また、各教科の学習と、探求型学習プログラムとの連携が明確にされていないと、双方での指導効果を共有したり高め合ったりすることもできません。

  • 探求型学習プログラムの各ステージが求めるレディネスを、
    それまでの教科学習指導の中で整えることができているか

  • 各ステージの成果を、その後の教科学習指導において
    十分に活用し、その強化と定着が図られているか

こうした観点で、両者の接合をしっかりと考えていく必要があります。

また、大学入試改革では、「合教科・科目型の学力」も試される機会が増えそうです。各教科の学習をつなぎ、評価の観点と規準を共有するためには、軸となる「活動」 が必要です。

探求活動などを軸に、各教科・各学年での学び(目標・成果)を統合
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このような視点でのカリキュラム整備は、すべての学校で今後の大きな課題になるはずです。

一部の学校では、教科のシラバス起草に当たり、3ヵ年/6ヶ年を通じて行われる探求型学習の各ステップとその時期の教科学習指導の目標との連携を明記する試行が始まっています。

その成否こそが、2020年以降の「進路希望の実現」 をも左右するように思えてなりません。



まだまだ、整理しきれていないことがたくさんあります。改めて考えるところをまとめてみる機会を持ちたいと思います。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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