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zoom RSS 探究型学習を使った進路指導(その4)

<<   作成日時 : 2015/03/17 05:09   >>

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探究型学習は、進路意識の形成に大きな役割を果たすものです。探究型学習を進めていく最初のステップである"テーマ選び"での指導の前半をご提案したのが前稿です。

テーマ選択を念頭におき、アンテナを意識的に高く張った状態で様々な情報に当たらせ、日々気になったことを書き溜めたメモの整理・分類を経て、潜在的な興味と関心の所在を探らせるという手順です。

しかしながら、カードを分類をし終えた段階では、まだ生徒の意識は表層的であり、自分が触れた情報に範囲を限られる狭いものです。

ここから深めて、広げるための工程を踏ませる必要があります。


❏ インターネット上で論文を検索

この工程で使える道具の一つは、インターネット上の論文検索エンジンです。良く使われているサイトは、この辺りでしょうか。生徒は、安易にウィキペディア(Wikipedia)を使いたがりますが、それでわかった気になっては探究活動に繋がりません。

仮にレポートを仕上げるところまで辿り着いても、調べ学習の域を出ないはずです。

ウィキペディアでは他人が行った探究の結果に触れることはできても、探究の過程を知ることはできません。

客観的データに基づく論証やそこに至るまでの過程、研究動機などにも触れられるという点で、論文検索は探究テーマ選びに欠かせません。


❏ テーマ選びの過程で経験したことが後にも活きる

論文という形に調えられたものに一度でも触れておけば、探究活動を始めるときのオリエンテーションも、その内容をより良く理解できるのではないでしょうか。

漠然とではあっても、論文のスタイルを知ることもできるでしょうし、実験の方法やデータの整理、検証などの方法にも少しは触れていることになるはずです。

あらかじめ具体例に触れておいてこそ、"ガイダンス"という抽象的になりがちな説明もわかりやすくなります。

実際の探究活動は、文献検索を通じた先行研究の調査から入りますが、同じような活動をテーマ選びの段階でも経験しておけば、いざ本格的にというとき、取り組み方にだいぶ違ったものが期待できそうです。


❏ 社会が取り組む課題、研究者が抱く興味に触れてみて

次は、如上のサイトを「眺めて」みることで受けた刺激を源に、自分との関わりをイメージできるテーマを作って行かせましょう。

何も、専門家と同等の研究をさせることは目指していません。

論文に現れるキーワードや表示されるタグから、発想を拡充していくときのカギになる「言葉」を知ることに大きな意味があります。

新しい言葉に触れることは、発想が及ぶ範囲を広げることです。

知らなかった世界の広がりに、興味や関りを持ちたいという気持ちが持てれば、探究学習やその先にある進路意識形成にぐっと近づいたことになるのではないでしょうか。

 ■ 探求活動の目的から考えるテーマ選び


❏ 論文を通じて、学部・学科の中身を覗く

論文に触れることは、とりもなおさず大学・大学院で行われてる研究の一端を垣間見ることです。

興味を持ったら、オープンキャンパスや研究室訪問で、実際にその場を訪ねてみたくなるのではないでしょうか。

受験情報誌で学生募集用に編まれた情報にしか触れたことがないまま、あるいは「夏休み中に〇校以上、訪問すること」と言われてやむなく大学に足を運んだときとでは、気づきや学びに雲泥の差が生まれます。

論文そのものを読むのは難しくても、アブストラクトや検索タグにあるキーワードを辿っていくと、人々が取り組んでいる課題やその背景にある問題に触れることはできるはずです。

そこに登場する研究者は、もしかしたら恩師や上司になるかもしれない人たちですよね。

「この研究に私も参加してみたい」と思える対象が見つかったら、志望理由としてこれ以上に強く確かなものはなさそうです。

 ■ 学部・学科調べに、学問探究という入り口も


❏ 企業の活動や地域社会が取り組む課題にも

論文を通して垣間見える活動は大学・大学院での研究室に閉じた狭いものではありません。

論文検索をしていると、様々な地域で社会が取り組んでいる課題や企業の活動を元にした論文だって、沢山見つかります。

修学旅行や研修旅行の下調べにだって使えるはずであり、少なくとも、観光案内だけを材料にするよりよほど勉強になります。

 ■ 社会が取り組む課題を軸にした学部・学科研究

いくらググってみても、論文が表示の上位に並ぶことはありません。論文検索エンジンの存在を知ること自体にも、学習者としての成長が期待できるのではないでしょうか。


その5に続く

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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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