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zoom RSS 授業評価アンケート〜正しい活用と質問設計

<<   作成日時 : 2015/05/07 07:19   >>

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2018-05-07 更新

授業には、講義や座学を進める科目と、実技や実習の要素が多くなる科目がありますが、それぞれが形成を図ろうとする学力・資質・姿勢を踏まえて、「目標学力の形成に資する要素」 を焦点化した質問文を用意しなければなりません。

  1. 講義・座学系の授業評価項目

    国語、数学、社会(地歴公民)、理科、英語、保健などの講義・座学を中心に進める教科における質問項目

  2. 実技・実習系の授業評価項目

    体育、芸術、家庭(技術家庭)、情報など、実技・実習を核に授業が構成される教科における質問項目

  3. 授業以外について尋ねておくべき生徒の意識

    学級の経営や好ましい資質・姿勢の獲得、学びの場での互恵/相互啓発の働き方などを確かめるための質問群


上記の各インデックスページに設けたリンク先には、評価項目別に記事を設けてあります。
  • それぞれの項目を授業評価アンケートに設定する理由と意図、
  • 評価が目標水準に達しない場合に採るべき行動、
  • 必達目標をクリアした後、さらなる優良実践を目指すときのヒント
個別ページには関連する事柄についての詳細記事へのリンクも設けました。参考になれば幸いです。

ご参考記事: 以下の記事もお時間の許すときにご高覧ください。



授業に限らず、評価は改善のために行うものです。目標までの差分を明らかにすることで、次に何をすべきかが特定できます。

改善に向けてどんな一歩を踏み出すべきかを特定すること(=課題形成)は、授業評価アンケートが担う第一の機能です。課題形成なくして、改善計画は成り立ちません。

また、改善を重なる中での努力と工夫がどこまで改善をもたらしたかを確かめること(=改善行動の成果検証)がもう一つの機能です。

大きな改善をもたらしたことが確認できれば、その手法を継承・共有することで、学校全体での授業改善も進み、目の前にいる生徒の成長を促し、進路希望の実現を図り得る可能性を引き上げます。


❏ 目指すべき到達状態を示すのが質問文

授業評価アンケートに用いる質問文は、先生方にとって到達すべき状態(=授業実践における必達目標)を示したものです。

学習者に示す評価規準と同じ機能を持つものとお考え下さい。

より良い授業の実現を目指す中、目標状態との差分から改善課題の特定を図り、改善のための行動を考案し、改善のために積み上げてきた行動が正しかったかどうかを確認する ── そのためのモノサシの一つが、各評価項目の質問文ということになります。


❏ 学習指導を評価するためのツール群

もちろん、教室で先生方が取った行動が、生徒を正しい学びに導いているかどうかを測るには、授業評価アンケートだけでは不十分です。

アンケートは、面接法と同様に、学習者側での意識や認識を尋ねる部分を引き受けますが、これに加えて、などの指標に、さらにはリフレクションシートなどを含めてようやく学習指導(指導者行動)の成否や妥当性を確認できます。

できるようになった気にさせても、実際の成績が伸びてこなければ意味はありませんし、逆もまた然り。伸びている実感があってこそ、学び続ける意欲が持てます。

また、正しい学び方を身につけないまま、習ったことを覚えただけで成績を保っていても、どこかで限界が来るのは目に見えています。


❏ 生徒に聞くまでもない/聞くべきではない事柄

アンケートは回答する側にも一定以上の負担が掛かります。

生徒が感じ取る「自分が受ける授業がより良いものになる」 というメリットが、回答の負担(手間や時間)を超えていなければなりません。

回答の負担を過剰にしては、どれほど授業を大きく改善しても、生徒の側での費用対効果は高くなりません。質問項目は最小限に絞る必要があります。

宿題の履行状況や授業への取り組み姿勢など、教える側での行動観察でカバーできる/すべきものに質問紙上のスペースを与えるべきではありません。

また、「あなたはこの授業を真面目に受けている」 という質問を第一問に据えて、生徒側での反省を促すべきとの主張もありますが、これをやってしまうと回答の中央化傾向が強まるばかりです。

質問設計に当たっては、
  • 生徒に尋ねてみなければわからないこと(生徒の意識)や、
  • 教える側から見えている光景と生徒が見えている光景とが食い違う可能性がある部分
に焦点を当てることを、常に意識しておく必要があります。


❏ 生徒の意識に現れた変化を手掛かりに、先手を打つ

授業評価のデータを追跡してみると、「難しい」と感じ始めてしばらく経つと、「苦手意識」が強く出始め、一定の期間を経て「成績の低下」が見られるようになります。3つの現象の間にはタイムラグがあります。

難しいと思い始めても、しばらくはそれまでの学習の中で培ってきた得意意識が学ぶ意欲を支えてくれます。

しかしながら、目標を達成できない/課題を解決できない場面が増える中でやがて苦手意識が生まれ、さらに暫く経つと以前の「貯金」 を失って成績自体も下がる ── こんなメカニズムが働いているようです。

定期的に行う授業評価アンケートによって、難しい/易しいの感じ取り方/生徒の意識が変化する様子を捉えておけば、成績が下がり始める前に手を打つこともできます。



 ■ ご参考記事: 併せてお読みいただければ幸甚に存じます。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一



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