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zoom RSS 授業評価項目D ゴールを明示することの意味

<<   作成日時 : 2015/05/14 06:13   >>

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学習を通じて到達すべき状態を生徒に理解させておくことは、授業のわかりやすさを大きく高めます。目指していることに照らして、一つひとつの説明や指示の意味をより良く理解できるようになるからです。

また、目標に到達できたときの達成感がより明確になるため、次の学びに向けたモチベーションを向上させる働きも強まります。

これらに加え、生徒の苦手意識を抑制する効果も確認されています。

「先生は、達成すべき目標やポイントをはっきりと示してくれる」 (ご参考記事:導入フェイズの目的と方法


❏ 学習目標を示すときの鉄則

学習目標を示すときの鉄則は、以下の2つです。
  1. 内容に入る前の導入フェイズで
  2. 生徒が自ら解を導くべき課題の形で
事前に示しておくのは、不足する情報を補ったり、躓いたときに修正を行ったりするのに、目標と照らすことが欠かせないからです。ゴールを先に見せてこそ、こうした補完や修正が可能になります。

また、具体的な課題の形でなければ、達成したかどうかを生徒自身が判定できず、達成感も希薄になります。生徒が自らの達成を検証できるのは、○×判定が可能な設問にほぼ限られると考えましょう。

本時のポイントをもとに、「○○とはどういうことか」「〜は何故か」というシンプルな問いを起こして板書するだけでも、単元名を示すだけの時よりはるかに大きな効果が見込めます。

 ■ご参考記事: 学習目標は解くべき課題で示す


❏ アウトプットの機会を通して目標達成を確かめさせる

シラバスや学習の手引きによく見られる「○○について理解する」という目標記述では、生徒の目標理解は進みません。

まだ勉強したことのない項目名を挙げられても、どんなことを学ぶのかすらイメージできません。加えて、「何ができれば理解したことになるのか」も生徒にとって判然としないはずです。

学習目標の書き出しには、生徒側で認識できる表現様式を心掛ける一方で、「目標の提示」と「成果のたな卸し」をセットにして考えるようにする必要がありそうです。

"目標理解と活用機会を整える授業デザイン"でご紹介した一連の流れであれば、様々な場面で応用が効きます。


❏ 問題意識を刺激するウォーミングアップ

教科学習指導の目標は、基本的には教える側が設定するもの。

当然ながら、初期状態において生徒は、「学ぶことへの自分の理由」を持っていないことがあります。

必要な知識を与え、理解を形成しようとあれこれ工夫しても、生徒の側での問題意識が希薄であったり、課題を他人事と捉えていては、「打てども響かず」「吹けども踊らず」になりがちです。

こうした場合、導入時に行うプレディスカッションや、生徒自身に問いを立てさせることで、学びのウォーミングアップを行うと見違えるような反応が引き出せます。

 ■ご参考記事: 問題意識を刺激する(学びのウォーミングアップ)


❏ 伝えたつもりなのに、学習目標が伝わっていない

生徒や学生にアンケート調査をしてみると、目標提示の項目で思いもよらぬ低評価を受けることもあります。

授業に臨むに当たり毎時間の目標を言葉で伝えたり、シラバスに明記したりするだけでは、生徒の目標理解は確かにならないということです。

生徒との学習目標の共有が進まなかったのは何故なのか。例えば、
  • 導入フェイズで問いを示したが、解明すべき疑問を生徒が見つけるには「考えさせる時間」が足りなかった

  • 内容に馴染みのない単元だったので、少し進めてから学習内容を振り返る中で学習目標を再確認すべきだった
といった様々な理由を想定してみないと、効果的な対策は打てません。

 ■ご参考記事: 学習目標が伝わらない?(その1)(その2)


❏ 結果目標に加えて、行動目標も

ある日の授業/ある単元の学びを経て、何ができる(=どんな課題を解決できる)ようになるかだけが目標ではありません。

学びのための対話にどう参加するか、協働の場面で役割を担おうとしているかなど、授業内での行動そのものについても目標を示して適切に評価を行うことも大切です。

予習や復習の方法や、不明点が生じたときに採るべき行動などもまた、学習者としてのステージが進むごとに目指すべき状態が変わってきます。これも段階的な行動目標の一つでしょう。

明確な評価規準を示して、生徒自身にもそれに照らした振り返りをさせることで、学びに向けたメタ認知を高めることができます。

 ■ご参考記事: ルーブリック評価の作成と運用


◆ 改善のための必須タスク:

今日の授業で何をするのか示すには、生徒が解を導くべき課題を以って行うのが最も簡単で確実な方法です。その上で、課題を解決するのに必要な知識や理解をどう身につけさせて行くか、説明や授業内活動の配列を考えるという手順を徹底しましょう。課題ありきの授業設計が活用機会を備え強い達成感を与える授業を実現します。


◆ さらなる改善を目指して:

しっかりと目標を示したとしても、生徒がそれを正しく認識しているとは限りません。授業終了時に「今日の目標は何であったか」を尋ねることで学習目標を意識する習慣を身につけさせるのも好適です。また、学び始める前に行う導入時ディスカッションも、課題の所在を生徒に意識させ、学ぶ理由を見つけさせるのに効果的です。




追記: 次期学習指導要領では、ルーブリックなどの新しい評価方法が採り入れられます。

評価規準として書き出すものは学習者が目指すべき目標状態そのものであり、「目標を正しく提示する」ためにも、活動評価の方法確立は待ったなしの課題のひとつです。

これまでにあまりなじみのないものですが、「評価規準は使いながらブラッシュアップ」という姿勢で作成と運用に臨むのが好適です。


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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一



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