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zoom RSS 授業評価項目F 学力向上感が、挑む意欲を引き出す

<<   作成日時 : 2015/05/18 07:54   >>

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日々の授業を通じて得る達成感や学力向上や進歩の実感は、次の学習に向けたモチベーションにほかなりません。自分で工夫して達成した中には自信も生まれ、積極性も引き出します。

「授業を受けて、学力の向上や自分の進歩を実感できる」

この質問にYESと答えた生徒は、非常に高い確率で「その科目への興味・関心が深まった」と答えています。

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わかった/できたという実感に、"学ぶことへの自分の理由を作らせる仕掛け" が加われば、興味・関心の発現はさらに確実なものとなります。その先には、進路希望やそれを実現したいという意欲も生まれます。


❏ 学び続けることが、認識できる範囲を広げる

興味や関心に加えて、そこから生まれる「もう少し頑張ってみよう」という気持ちは、努力して達成した中にはじめて生まれます。

教室は、"興味が生まれる瞬間を体験して学ばせる場" です。達成や進歩を感じられなければ、学びも「酸っぱい葡萄」になってしまいます。

学び続けることに意義を見失い、あきらめてしまった領域では、「認知の網」がそれ以上に広がらないことも大きな問題です。
人の脳は、知っていることしか認識しません。新たな情報に触れても、既に知っていること/理解をもとに想像できることしか認識に上らず、その情報は意識を素通りしてしまいます。
高校は、好き嫌いや進路希望に関わらず、すべての科目を偏らずに学べる最後のステージ。"5教科7科目を学ばせることの意味" は、まさにここにあるのではないでしょうか。

自分の将来を左右するような偶然と出会った時に、それに気づき、しっかりと掴みとるためには、その科目が受験に必要であろうとなかろうと、学びを続けさせる必要があります。


❏ わからない限り、できるようにはならない

話し方板書説明の各項目で、わかりやすいとの評価を得られなかった授業では、生徒は「出来るようになった」と感じていません。学習内容を正しく理解させる伝達スキルがあってこその授業デザインです。

もし、如上の項目で評価が振るわない状態であれば、それらのボトルネックを外す必要があります。

意図的に生徒の頭に「クエスチョンマーク」 を残すのと、理解させようとしてもできなかったり、わかっていないのに気づいてあげられないのとでは、まったく意味が違います。

 ■ ボトルネックを探すときは順序を間違えない


❏ 学力向上感∽目標理解×活用機会×授業内活動

しかしながら、「わかりやすい」と高く評価された授業の中でも、生徒が「できるようになった」と実感しているとは限りません。

下図に示す通り、目標理解活用機会授業内活動の3項目は、学習効果と密な関連があり、どれか一つでも欠けると「できるようになった」から遠ざかってしまいます。

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画像をクリックすると拡大してご覧いただけます。

これらを実現してもなお、生徒が得る「学力向上感」が足りないようなら、別稿「終了時の工夫で成果を高める(記事まとめ)」でご紹介する方法もお試しください。


❏ 知識の獲得は、課題解決に向けた思考の中で

基礎・基本の定着は大切ですが、活用の場面と切り離して行うのでは、知識は断片化し、達成感も希薄になるなど、うまく機能しません。

以下の3点を鑑みるだけでも、学びの成果を高めるための鍵は、解くべき課題の設定であることはおわかりいただけるのではないかと思います。
  • 解くべき問いを前に手持ちの知識で考える中、足りない知識の所在に気づけば、「足りなかったパーツを獲得する」ことへの意欲も生まれます。

  • 課題を解決する中で、理解の軸が作られ、各々の知識を結びつける先ができることで、記憶の定着も進みます。

  • 思考は、解くべき課題があってはじめて発動し、対話の中で広がり、深まりを持つようになります。
なお、学びの場における"対話"は、周囲の生徒と交わすものだけではありません。先生との問答に加えて、書籍や資料を通じた作者の思考に触れることも大切な対話のひとつです。

資料集や文法書といった参照型教材を徹底して使い倒すことにも意識を向けさせましょう。

 ■ 思考させる授業(記事まとめ)
 ■ 学力の三要素とは〜もう一度考えてみました


◆ 改善のための必須タスク:

学習を通じて達成感を与えるには、本時の学習で到達すべき状態を生徒との間で共有しておくことが前提です。また、疑問を残さずに理解できても、出来るようになったとの認識に必ずしも繋がりません。習ったことを使った課題解決を経験させましょう。個人での達成が困難な課題は集団知を活用すべくグループで挑ませましょう。


◆ さらなる改善を目指して:

学習の成果を実感させるには、生徒の側で十分な手応えを感じられるだけの負荷と思考を経たアウトプットの場が必要です。やや難しいという水準をキープしつつ、振り返りの機会を通じて出来るようになったことのたな卸しと次に向けた課題形成を促しましょう。必達課題と挑戦課題を複線的に設ければ学力差にも対応できます。





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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一



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