現場で頑張る先生方を応援します!

アクセスカウンタ

zoom RSS 生徒意識アンケートE 刺激し合い共に成長するクラス

<<   作成日時 : 2015/06/12 04:58   >>

トラックバック 5 / コメント 0

相互啓発が働き、互恵意識で結ばれたクラス ― 学級を預かったからには目指したいものですが、それだけではありません。主体性・多様性・協働性を育むにも、教室が学びの場として備えるべき要件のひとつです。

「私のクラスは、生徒が互いに刺激し合い、ともに成長している」

良くまとまり、活発に活動するクラスを見た方からは、「好ましい人間関係が築かれている」 という趣旨のコメントが出てきます。

たしかにそうですが、好ましい関係性は自然発生するものではなく、関係を築くには共通した目的のもとで活動をともにすることが必要です。

関係性を直接的に作り出す方法はありませんから、教える側にできることは、生徒が協働で取り組む場を作ることです。

係の仕事授業内活動を通じて、互いをよく知り、自分の役割を見つけてその果たし方を学んでいくことが、如上の質問へのYESを増やすとお考え下さい。


❏ 目指すべき到達状態がクラス全体でイメージできていること

如上の質問への答えと、「担任の先生が生徒にどんな行動を期待しているか、はっきり理解できる」 への答えの間には、非常に強い相関が見られます。

学習・生活・進路のそれぞれの領域で、目指すべき到達状態がイメージとして共有されていれば、協働場面での行動・ふるまいにも方向性が得られます。

逆に、目的が共有されていなければ、生徒たちはそれぞれの思惑で行動もバラバラ、成長と団結の機会を失うのも無理はありません。

また、その場で期待されていることが分かっていれば、「自分たちが成長しているかどうか」 と問われ答えを選ぶときも、はっきり判断できるようになります。


❏ 質問に答えること自体にも成長のきっかけがある

生徒意識アンケートに限りませんが、意見を聞かれて答えを口に出すと、改めて認識を強くすることがあります。

如上の質問にYESと答えたことで、自分や周辺に対する肯定的な認識が作られ、それに立った次の行動に繋がるという良い循環も生まれるのではないでしょうか。

質問に答えを求められたら、当然ながら自分を振り返り、周囲を見回します。その中で、着実に歩を進めている同級生の姿に、倣うべきモデルを見つけることもあるはずです。

NOと答えた場合は、「どうすればよくなる?」「自分の立場から何ができる?」 という問いに繋ぐことが肝要です。YES/NOの部分ではなく、あとに答えた「どうするべきか」 に意識の焦点を移していきましょう。


❏ 活動そのものが、人間関係を作りだすきっかけになる

共通した目的をもって協力し合う場面があるからこそ、生徒は多様性に気づき、自分の果たすべき役割を探し始めます。

繰り返しになりますが、生徒が協働で解決に取り組む課題を用意してこそ、主体性・多様性・協働性を学ぶ機会が得られ、その先に「互恵意識と相互啓発で結ばれた学びのコミュニティ」 の出現が期待できるはずです。

ホームルームでの活動と言えば、係の仕事や生徒会活動などがすぐに思い浮かびますが、それだけではありませんよね。

生徒が最も長くすごく時間は、言うまでもなく各教科の授業。協働で課題解決に向かう中、協力し合って練習する中で、生徒は互いに関係を結んでいきます。

課題を与えられて、ともに解決に向けた工夫と努力を重ねる中、表現する力、傾聴する力も求められますし、役割に応じた行動様式(リーダーシップ、フォロワーシップなど)も学びます。


❏ 関係性の改善に、教える側からできること

良好な関係がなければ、ペア、チームでの活動は成立しませんが、活動がなければ、関係を構築することも、協働の資質や姿勢も学べません。

・・・なにやらニワトリと卵の関係のようですが、生徒同士の関係性に直接働きかけるのは容易ではありません。「仲良くしなさい」 と言われて、簡単にできるなら生徒も苦労はしませんよね。

教える側が介入できるのは、どんな活動の場を作るかという部分に限られそうです。

学級担任であれば、学校行事や係や生徒会活動を通じて、教科担当なら、授業の中で協働の要素を積極的に取り入れることが中心になりそうです。

しかしながら、人間同士なので苦手な相手もいます。また、長い間、同じ相手ばかりでは刺激も薄れます。

ペアや班は固定せず、頻繁にフォーメーションを変更していくのが好適です。様々な相手と組むことで、場に応じたふるまい方を学び、状況に合った行動を選択する力を身につけられるのではないでしょうか。

私物が通路にあふれかえっていては、フォーメーションの変更にも一苦労です。整理整頓、教室の環境整備の重要性はここにあります。


❏ クラスや学年間に見られる違いからも多くの知見が

毎年同じ時期にアンケート調査を行っていると、当然ながら、学年ごとに回答分布の違いがあります。高い肯定回答率を示した学年には、そう導いてきたノウハウや取り組みがあったと考えられます。

調査結果を指導の効果測定に活用することで、より良い実践を着実に継承し、成果につながらなかった取り組みを仕分け、整理していきたいものです。

また、同じ学年でも、クラスの間で同様に違った回答分布になります。最も優れたクラスでは9割を超える回答率であるのに対し、最も低いクラスは4割がやっとということも少なくありません。

優れた結果を得たクラスには、それだけの理由があるはずです。理由を特定し、実践から学ばなければ、それこそもったいないことになりませんか。

アンケート結果を用いて、過年度を含めた中から校内の優良実践を抽出し、そこでの実践を共有していくことの大切さは改めて申し上げるまでもありません。

優良実践の共有〜授業評価の結果を活かして


                          >>> このシリーズのインデックスへ


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一



授業評価&生徒意識アンケート

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(5件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
授業のこと以外にも尋ねておくべき“生徒の意識”
授業評価アンケートについて、座学・講義系 と 実習・実技系 とに分けてそれぞれの評価項目と質問文を考えてきました。繰り返しになりますが、質問文は学習指導を実践するうえで実現を目指すべき状態をイメージして文章にしたもの(=評価規準)です。その集計結果は、目標までの距離を以って授業改善の課題形成に、また前回までとの比較から改善行動の効果測定に活用することができます。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2015/06/12 04:59
アンケートで尋ねるべき生徒の意識(更新開始)
2016-07-19 更新開始 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2016/07/19 08:21
学級経営、生徒意識の把握
1 授業評価アンケートと同時に行う調査1.1 学級経営を定量的にとらえて知見の共有を 1.2 授業のこと以外にも尋ねておくべき“生徒の意識” 2 アンケートで探る“学ぶ側の認識” 2.0 アンケートで探る“学ぶ側の認識” (序) 2.1 アンケートで探る“学ぶ側の認識”(その1) 2.2 アンケートで探る“学ぶ側の認識”(その2) 2.3 アンケートで探る“学ぶ側の認識”(その3) 2.4 アンケートで探る“学ぶ側の認識”(その4) 3 学級経営に関する評価項目3.1 生徒意... ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2017/01/20 07:39
教科学習指導の土台はホームルーム経営
授業評価アンケートにおける「この授業を受けて学力の向上や自分の進歩を実感するか」という質問にYESと答えてもらえるかどうかは授業担当のスキルとデザインによる部分が大きいのは当たり前ですが、学級経営を通して「生徒が互いに刺激し合い、ともに成長するクラス」を作れるかどうかにも大きく影響されます。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2018/08/02 08:25
生徒が互いの頑張りを支え合う集団作り
年度替わりは、生徒が互いの頑張りを支え合う集団作りの大切な時期です。新入生はもとより、進級する生徒もそれぞれ何かしらの希望や決意を抱いて新学期を迎えます。特に最上級生となる生徒は自らの進路希望の実現に向けて気持ちを高めていますので、「志望を同じくする生徒が互いの頑張りを支え合うコミュニティ」の創出に何か仕掛けるのには、今が絶好機ではないでしょうか。じっくり作戦を練って臨みましょう。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2019/01/16 07:03

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文
生徒意識アンケートE 刺激し合い共に成長するクラス 現場で頑張る先生方を応援します!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる