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zoom RSS 生徒意識アンケートH 将来を見据えた行動選択

<<   作成日時 : 2015/06/17 06:31   >>

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目先の欲求を満たすことより、少し先を見越して今やっておかなければならないことを優先して考えられるようになった生徒の姿を見ると、「成長したなぁ」と感じるものです。

「私は、進路のことや今何をするべきかを考えて行動できるようになった」

過年度のデータと照らすことができれば、進み具合/遅れの度合いから、何か手を打つべきかを判断する材料にもなります。定期的、継続的に集計を取り、記録に残しておきましょう。


❏ 判断力は、多様性に触れて相対化する中で得られる

今、何をするべきかを考えるといっても、自分の想像できる範囲に止まっていては、選択肢は増えませんし、どれがベストか判断する力も高まりません。

同級生や先輩たちなどが考えたこと、活動を通じて学んだこと、辿ってきた道などに直接・間接に触れることで、「自分の考えや行動を相対化する」 機会が必要です。

お手本として示しそれに倣え、というのでは、選択の必要はないわけで、判断力を高める機会になりません。彼我の違いに気づき、振り返り、考えるきっかけを持たせることが求められます。

他の生徒が何を感じ、どう考えたかを知ることで、より好適な判断軸を持てるようになるのだと思います。

 ■学力の三要素とは〜もう一度考えてみました

考えるだけでなく、考えた結果に向き合い、当事者としてきちんと行動を起こせるかも大切なこと。

ディスカッションやディベートの場を経験するうちに、考えて表現することは得意になっても、そこで議論したことを引き受ける覚悟が生まれてこないようでは、困りますよね。

 ■考えさせ表現させた先に〜当事者としての覚悟と行動


❏ 肯定的な回答の上昇には好適期がある

如上の質問には、入学してきたばかりのころは肯定率が低く出るのが普通です。もし、入学当初の段階でYESが少なくても、そこからのスタートと受け止めてどっしり構えていきましょう。

大人の目からは、「もっと先のことを考えて行動してほしい」 と思うかもしれませんが、この質問への回答が極端に早い時期から高くでるのも、手放しでは喜べません。

目的を決め込んではほかの可能性を見なくなります。視野の狭さに気づかないまま、やるべきことを取捨選択するのは、自らの可能性を狭めることに繋がります。

先のことばかり考えて、将来像の実現と関係が薄そうに見えるものをないがしろにしては、様々な偶然との出会いがなくなります。

キャリアの80%は思いもよらぬ偶然で出来上がっている(計画的偶発性理論:クランボルト)とすると、まずはあれこれ手を出して、そこでの体験に自分がどう感じるかを知っていくことが大切なはずです。

 ■キャリアは選ぶものではなく重ねるもの


❏ 進路指導は、行動選択の力を養う機会

正しい行動選択のためには、必要な情報を集め、その情報を比較検討ができる状態に整理・加工する必要があります。

こうした「情報収集」「情報整理」といった汎用スキルを学んでいく機会は、教科学習指導の中でも用意できますが、わが身の将来を左右する進路選択の中でこそ、真剣な取り組みが期待できるのではないでしょうか。

 ■進路指導で育む“選択の力”
 ■進路希望を作る指導[進路意識形成]


❏ 思考の及んでいない部分に気づかせる

考えて行動を選択しているかどうかについて、生徒の側での自己認識と、先生方の目からみた状態とでは食い違いが生じることがあります。

大人が必要だと思っている事柄のうち、生徒の側で気付けていないことがあるのが、その原因です。

経験の量もそれに基づく知恵にも差があるのだから当然のことでしょう。

生徒が気づけるようになるのを待たず、取るべき行動を先生側が選んで示しそれに従わせるだけでは、「考えて行動できるようになった」 という状態には中々到達できません。

 ■指示を的確にこなす生徒〜それだけで良いのか?

気付いていないことに少しずつ気づかせる。そんな方策で、問い掛けを重ねていくのが好適です。

生徒の側でも、反発を覚えず、そこで暗に示された知恵を少しずつ自分のものにさせていけるのではないでしょうか。


❏ 目標達成の方法を学ばせる

正しい行動が何かを理解しそれを実行しようと思っても、うまく行かないことも少なくありません。そのときに、「自分は努力が苦手だ」と不要なイメージを持たせてしまっては、元も子もありません。

出来ない理由を取り除くのに必要なことを一緒に考えてあげましょう。うまい方法を見つけて、少しでも目標に近づくことができたと感じたら、そこから新たな意欲が生まれます。

大きな目標を掲げるのは結構なことですが、準備が整っていなければ返り討ちに合うだけです。

小さな目標に分解していくこと、到達状態そのものではなくそれに向かうプロセスの履行そのものに視点を置くよう、対話の中で導いていくのが重要です。

ちいさな成功体験を重ね、自己効力感と新たに生まれるモチベーションの中で、どんな行動を取るべきか、どうやったらその行動を継続できるかを学べる機会を作ってあげたいものです


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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一



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