活動を配列するときに考えるべきこと #INDEX

主体的・対話的で深い学びの視点での授業改善が図られる中、各地で授業を拝見していても実に様々な活動が授業の中に組み込まれるようになりました。途切れることなく配列されたアクティビティにノンストップで生徒が取り組んでいる光景もすでに珍しいものではありません。

しかし、単に対話の場面が増え、活動性が高まっても、それが主体的で深い学びになっているかどうかはまた別の話ではないでしょうか。

学習内容をしっかり理解させることに止まらず、内容(コンテンツ)を学ぶことを手段に、現代社会が求める能力・資質(コンピテンシー)や自立的な学習者であるために必要な学びの姿勢と方法を獲得できてこそ教科学習指導は目的とするところを達したことになるはずです。

こうした目標をしっかり見据えて、その達成に必要な学習活動を選択・配列するようにしましょう。活動を終えたときに「生徒が知っていること、できること」が増え、学習者としての自立に向かうことをイメージした授業デザイン(=学習活動の配列)が必要ということです

生徒が抱えた不明一つにしても、学習者側の活動でその解消を図らせる必要があるのではないでしょうか。

先生が丁寧に対応することの重要性を否定するものではありません。安易に答えを教える/不明に答えることが、生徒が自力でできることを増やすチャンスを奪ってしまう「副作用」があります。こうしたリスクをきちんと認識したうえで、生徒に最適な行動を取らせる(=その場での学習活動を選択する)ことが本来の「丁寧な対応」だと考えます。

また、学習者による活動には、他者との対話で形成されるものばかりではありませんし、50分間の授業の外に置くものもあります。こうした視点で「学習活動」を広くとらえて、その一つひとつを正しく、効果的に配列していきたいものです。

2015/07/09 公開の記事をアップデートしました。

#01 活動の一つひとつに目的を持たせる
ペアワークにも、目的を持たせ、準備をさせる
活動の目的をしっかり設け、自己目的化させない
何ができるようになったか、アウトプットで検証

#02 チェックポイントを意識した練習や作業
練習を始める前にモデルをしっかり観察
実際の練習に移行する前/練習の途中で
気づきをシェアするためには、まず言語化
仕上げの前にチェックリストに照らした課題形成

#03 活動を通じて目指すはコンピテンシーの増大
パフォーマンスモデルからコンピテンシーモデルへ
課題解決工程の実地体験でコンピテンシーの増大
仕上げ/確認の場でも、学びの深まりと広がりを狙う

#04 個人で取り組ませる活動、教室外に設ける活動
個人で練習や演習に取り組ませるとき
ほかの生徒の発表を聞かせるとき
予習・復習、宿題に正しく取り組ませる


■ご参考記事:
  1. 授業を通して21世紀型能力は育めているか
  2. 確かな学力を獲得させるための「学習活動の適切な配列」
  3. 新課程に備え、改めて考えるカリキュラム・マネジメント
  4. 学習内容が同じでもアプローチによって学びの質は異なる



授業内に「生徒が主体的に関わる学習活動」を戦略的・効果的に配列することの重要性と、そのための視点について考えるところをまとめてきましたが、もう一つ大切なことがあります。

それは、「教えるべきことはしっかりと且つ、余計な時間をかけずに教えきること」です。効果的な伝達スキルは、学習者主体の学びに転換が進む中でもその重要性が失われることはないと思います。

もたもた教えていては、生徒の活動に割くべき時間は失われるばかり。不完全な知識と理解しか形成できなければ、生徒に活動に取り組ませたところで、金づちとノコギリも使えない状態で「家を建てろ」と言われているようなもの。何も進まないかとんでもない結果になるかです。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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