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zoom RSS 学ぶことへの自分の理由

<<   作成日時 : 2015/09/14 07:32   >>

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教員側での「教える理由」と、生徒の側での「学ぶ理由」は必ずしも一致しません。授業評価アンケートで以下の2つの質問への回答は、ある程度の関連があるものの、数値化して算出した相関係数は0.48にとどまりました。

【目標提示】この授業の目的や取り組み方について、先生から事前に具体的な説明があった。
【目的意識】 あなたは、自分なりの課題や目的意識をもってこの授業に取り組んでいる。

生徒には、生徒なりの興味や関心があり、各教科担当の先生が思い描く学びの意義を、生徒にそのまま伝えきるのは容易ではなさそうです。


❏ 学習効果との相関は、目標提示より目的意識の方が高い

学習効果(この授業を受けて学力や技能の向上を実感した。)についての回答と、目標提示(教える理由)と目的意識(学ぶ理由)それぞれへの回答との間に見られる相関は、前者より後者の方が高く出ています。

相関係数(目標提示×目的意識)=0.482
相関係数(目標提示×学習効果)=0.526
相関係数(目的意識×学習効果)=0.614

生徒が自分なりの“学ぶ理由”作るには、先生の側から、その大切さや面白さを一生懸命に伝えるだけでは十分とは言えそうもありません。

努力をして達成した中に見いだす興味や、探求や課題を通じて、学んだことと自分との関わりを知ることが必要です。以下の記事も併せてお読みいただければ幸いです。

 キャリアは選ぶものではなく重ねるもの
 探求型学習を使った進路指導

しかしながら、自分なりの課題や目的意識を明確に持つ前の段階では、主体的な授業参加はあまり期待できず、「鶏と卵」みたいなことになってしまいます。

課題ありきの授業設計で達成可能性を高めた課題を用意し、しっかりと取り組ませるのが最も確実な方法ではないでしょうか。

また、活動性を高めて苦手意識を抑えることでも、関わりへの消極性を抑え、結果的に到達目標の達成に近づけていくことができるはずです。


❏ チームへの貢献

活動には、自分のために行うものと、チームやパートナーのために行うものとがあります。前者の場合、やる気がなければサボるという選択肢がいつでも用意されています。学ぶことに自分の理由が見つからないのに、一生懸命に取り組むのはよほど自制が効かないと難しいはずです。

一方、後者の場合、自分がサボれば相手の足を引っ張ります。赤の他人ならいざ知らず、友達には迷惑を掛けたくないという心理が働きます。例えば英語で、文章をパラグラフごとに切り分けたプリントが配られ、そのパートはチーム内で自分しか持っていないとしたら話は違ってきます。

内容を理解してチームに伝えて、全体のあらすじをまとめるというアクティビティが用意されたら、手を抜くわけにはいきません。

ペアで音読する場合も、相手がそれを聞き取ってディクテーションをしなければならないという追加作業が指定されていたら、モゴモゴと適当に読むわけにはいきません。


❏ 集団知の活用

また、課題を与えられても自力ではどうにもならない(わからない、解けない)と思ったら、先生が正解を示してくれるのを待つという消極的な選択肢を選ぶしかありません。

これでは表面的には理解できたとしても、できるようになったとの実感には程遠いはずです。

自分が持っている知識や発想だけでは手が出ない課題でも、集団知を活用すれば解ける可能性が高まります。

何とかなりそうだという展望は、取り組みへの意欲を底で支えます。ペアやグループでの教え合い・学び合いは、その方策の一つとして積極的に利用したいものです。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一


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