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<<   作成日時 : 2015/09/17 06:00   >>

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文化祭も終わり、3年生は本格的な受験態勢に入った頃かと存じます。

夏休みにしっかりと力をつけて第一志望の実現に走り出してくれていれば良いのですが、中には、受験モードへの切り替えがうまくいかなかったり、成績の伸びが感じらなかったりした生徒もいるはず。なんとなく弱気になってしまい推薦入試に狙いを変えようしているかもしれません。


❏ 推薦入試は、明確な志望理由があってこその選択肢

もちろん、推薦入試も立派な受験機会。上手に利用したいところですが、一般入試を突破するだけの自信がないという理由で、推薦入試に飛びつかせるのは考えもの。

その学部・学科での学びに「自分の理由」 を持っているかどうか、しっかりと見極めてから選択肢に加えさせたいところです。

一般入試が要求する学力は、(選抜性を残している大学に限ってですが) 入学してからの学びを円滑に進めていけるかどうかの前提条件。

早い時期に進路を決定することと、入学後の学修に向けた準備期間を早めに切り上げることは、理屈の上ではイコールではありませんが、現実的には同じことになりがちです。

大学側でもリメディアルプログラムは用意してくれていますが、手厚ければ手厚いなりに、相応の負担が強いられます。

補習的な授業とその準備で時間を食われて、本来の勉強が後手に回って、結局ついていけなくなっては本末転倒――大学に入る前に、必要な学力をしっかりと蓄えておくのが大切であるのは言うまでもありません。

譬えが悪いですが、借金を返しながら、新しい財産を築くのは容易なことではありません。

また、受験を通じて身につけるのは、入試科目の知識だけではありません。時間をやりくりしながら、やるべきことを選択・配列しながらこなしていくタイム&タスクマネジメントのスキルも獲得していきます。

さらに、受験は自分が選択した結果に向き合っていく期間でもあります。本人が大変そうだからと言って、こうした貴重な期間をスキップさせないよう、周囲がしっかりと支えていきたいものです。


❏ ビハインドを跳ね返すだけのモチベーションを持っているか

一般入試の方が難しいとは限りませんが、2月まで受験生として走り続けた学生たちは、その中で一段上のものを身に着けているはず。

入学後に彼らと伍していくためには、ビハインドを跳ね返すだけの強いモチベーションを大学での学びに対して持っていなければなりません。

面談で「本気でこの大学に進みたいんだね?」 と聞いてみたところで、モチベーションの強さは測れません。

その場では生徒は現状からの出口を求める気持ちに偏っていますから、「どうしても入りたいんです」 以外の答えはほとんど返ってきません。

  • 大学で何を学びたいのか、
  • 学んだものを通して、社会にどう関わりたいのか
  • どんなきっかけでそれに興味を持ったのか、
  • ほかではなく、その大学・学部・学科を選んだ理由は何か、

少なくとも、これらの質問に対して、十分な答えを本人が持っていることが前提条件です。

それぞれの質問に対する生徒からの答えには、さらに次の質問を重ねてみましょう。

質問をつないでいき、2つめ3つめぐらいで論理が破たんするようなら、その志望理由は「後付け」 である可能性があります。少なくとも、それまでの答えを「本人が自分のものにできていないはず。つらい局面を乗り越えるときには、「自分を説得できる答え」 を持っていることが何よりも大きな強みになります。

一説によると、重ね続けて6つ目の質問にまで答えられたら、その考え方は本物だとか・・・。

途中で答えが破たんしても、その場で「だめ」 という結論を出しては、生徒も面白くないはず。ブーメラン効果によって、かえって頑な態度を取らせてしまい、その後相談にこなくなったら目も当てられません。

感情的なやり取りになりそうなら、次の面談の予定をその場で決めて、いったん切りげるのも正しい判断です。


❏ 志望理由をしっかりと固めることが、耐性と適応力を高める

如上の質問セットは、一般入試を受験する生徒に対してもこの時期に尋ねてみたいものです。

そろそろ出願校選びも本格化しますが、志望理由をしっかりと固め直させておくこと、すなわち自ら選択したものに向き合い直すことが、つらいことに直面したときの頑張りの土台を作ります。

18歳の選択に、その後の人生が縛られる必要はありませんし、夢はどんどん変わっていってかまいません。

それでも、その場その場で目指すべきところがなければ、歩みは進みません。夢が膨らめば、つらさを乗り越える意欲も維持・向上できますが、夢があいまいだと、「酸っぱい葡萄」です。

歩みを進めることで、新しい世界を見ることになるわけで、立ち止まったままでは、新しい偶然との出会いも期待できません。

以前の記事(キャリアは選ぶものではなく重ねるもの)でお伝えした通り、目指すべき場所に向けた努力を通じた達成の中には、新たな興味も生まれます。そうした経験を重ねる中で、「頑張っていれば、その先にまた面白いものが見つかる」 ということを学習できれば、何事に対しても積極的な姿勢を持てるようになっていきます。


❏ 正しい手順を踏んで志望動機を作ってきたか

如上の指導を試みても、うまくいく可能性がないケースも想定されます。本人が進路希望形成の過程をしっかりと踏んでこなかったときがそれです。

もし、受験科目と偏差値以外にモノサシを持っていなかったとしたら、“入れる大学が志望校” になってしまうのも無理からぬ話のような気がします。

そんな事態に陥らないよう、3年生になるまで(あるいは夏を迎える前まで)の、進路意識形成をしっかりとしたプログラムの中で作っておきたいもの。

現2年生に対する、3年時の履修科目選択に臨ませる指導、来年4月を迎えて「第一志望宣言」 をしっかりと書けるように導く指導についても、このタイミングでしっかりと議論しておく必要があるのではないでしょうか。

このあたりについては、以下の記事でも考察しております。時間の許すときに併せてお読みいただければ幸甚です。

■ご参考記事:
 探求型学習を使った進路指導
 進路を意識させるタイミング
 選択した結果に向き合う
 面談指導を成功させる


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一


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