学校評価アンケートをどう活用するか #INDEX

学校評価アンケートは、一義的には、自校が展開してきた教育活動に、ステークホルダの理解と共感・支持が得られているかどうか確かめて、改善に向けた課題形成を図り、その効果を検証するために行うものですが、担う役割はこれに止まりません。
  1. 学校の教育意図がきちんと伝わっているかを確かめること
  2. 答えてもらうことで学校の取り組みをより良く知ってもらうこと
  3. 個々の指導の効果を確かめ、教育リソースの最適配分を図ること
  4. 自校の取り組みを客観的に捉えて、進むべき方向を見極めること
といった機能まで十分に生かしてこそ、より良い学校、選ばれ続ける学校への接近が図れるのではないでしょうか。

表向きには、文科省によるガイドラインが求めるものを満たしていく必要もあるでしょうが、そこに止まることなく、学校評価アンケートが備える機能を十分に且つ、戦略的に活用していきましょう。


2015/10/01 公開の記事を再アップデートしました。
(前回更新2018-05-29 )

#1 意図は伝わっているか、成果はあがっているか
  1. 教育活動に込めた意図は、理解と共感を得ているか
  2. ギャップを見つけたら解消を図り、その効果を検証
  3. 成長の実感や行動の変化についての認識を質す
  4. 生活の自律性、行動選択の力、進路意識の芽生えなど
  5. データを使って改善の様子を伝える
  6. 教育の成果を正しく伝え、理解者と協力者を増やす

#2 より良く知ってもらい理解と共感を得るために
  1. “尋ねることで認識してもらう”という戦略
  2. 発信したメッセージに到達してもらうちょっとした工夫
  3. 定点観測に終始せずに、理解を得るための質問設計を
  4. 地域社会との “斜めの関係”を作るきっかけにも
  5. アンケートの回収率そのものが、点検すべき重要な指標
  6. 学校の取り組みをきちんと説明してから回答を依頼

#3 効果を確かめ、教育リソースの最適配分を実現する
  1. 役立っているか、という訊き方に内在する限界
  2. 取り組み自体の評価より、目指した成果を尋ねてみる
  3. 肯定的な回答の増える様子から指導の効果を探る
  4. カルテやポートフォリオのデータと組み合わせて
  5. 生徒の体験・取り組み×期待される効果の出方
  6. 目指すべき学校像の実現にリソースを集中配分

#4 学校改革・教育改善を進めるときの羅針盤として
  1. 立場の違いによる評価の違いをきちんと把握
  2. 独りよがりにならず、自校の教育を客観化
  3. 認識のかい離を知り、対話を重ねて解消を図る
  4. 見えている風景が違っては、指導の目線も揃わない
  5. 好適実践の所在を特定し、ノウハウを共有する
  6. 担当者間での差異を解消し、目標達成への展望を描く

#5 教育目標や指導方針をちゃんと伝える Updated!
  1. 目標・方針の周知は、個々の指導の評価を左右する
  2. 相関の背後にあると考えられるメカニズム
  3. しっかり伝えようとすれば、より深く確かな理解に
  4. 評価項目に「目標・方針の周知」を加えることの効果
  5. 正しいデータで、教育改善と学校広報

#6 結果の十分な活用のためのスケジュール New!
  1. 寄せられた声にしっかり答えるために
  2. 年度末までの工程を考え、逆算でスケジュール作り
  3. 組織間で方向性を共有した学校全体での教育改善
  4. 次年度の学校評価の実施スケジュールを考える

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リライトに際しての追記(2018-05-29)

広報(Public Relations; PR)とは、認知→理解→共感というステップを経て、ステークホルダーと良好な関係を結ぶための活動です。

学校の場合で言えば、生徒、保護者との信頼関係を作ることに加えて、教育活動への理解者と共感者を増やしていくことにほかなりません。

生徒募集における学校広報では、如上の「共感」というフェイズを超えた先に「選ばれる学校としての地位の確立」があります。

アピールに努めれば「認知」までは到達できるでしょうが、「理解」の先に進むには、実現を目指している学校像とともに、これまでの成果と今後の更なる展望をエビデンスを持って示していく必要があり、学校評価アンケートの結果はその有力な材料のひとつになるはずです。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一


学校評価アンケート

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