現場で頑張る先生方を応援します!

アクセスカウンタ

zoom RSS 考査問題の改善が授業も変える#INDEX

<<   作成日時 : 2015/11/19 07:15   >>

トラックバック 18 / コメント 0

教える側の頭の中には、学力観というものがあります。普段は意識することがなかったとしても、授業の進め方、テスト問題の作り方には、それがはっきりと現れます。

見方を変えれば、学力観が背景要因となって「何を教えるか」 イコール「何を測るか」 という関係が作られるということです。

頭の中にあるものや、瞬間ごとに次の相を示していく授業は、目に見えるところに固定して点検するのは難しい。

それに対してテスト問題は紙の上に固定していますから、じっくりと眺めて検討したり、複数の先生が協議したりするのに向いています。

評価項目を正しく配列することは、とりもなおさず指導目標の最適化に繋がります。テスト問題を資料として、何を測定しようとしている設問か、すなわち何を目標に授業を行おうをしているか/行ってきたかを検討してみましょう。

段階的に配列された到達目標を正しく測定できるテストを作ることで、学力観そのものが修正され、授業自体も本来の指導目標に沿った好適なものに変わっていきます。

本編でもご紹介しましたが、評価方法の改善を図ろうと定期考査の出題方針を大きく変えたある学校で、テストの難易度は跳ね上がったのに、得点分布は明らかに上方にシフトしたケースは、まさにこの一例です。

事前に到達目標を明確にしたことで、授業の主眼の置き方が「教科書を教える」 から「教科書で教える」 への転換が図られました。

また、テスト問題については、もう一つ注意を向けたいことがあります。正答率は正しく予想できているでしょうか。正答率が正確に予想できるということは、生徒の状況を十分に観察・把握できているということにほかなりません。

テスト問題を作るたびに、設問正答率/大問得点率を予測しておきましょう。採点結果と予想のずれを繰り返し点検してみると、日々の授業での生徒観察、状況把握の精度を高めることができます。

「こういう反応をしているときは大丈夫、こういう場合はあてにならない」という経験則を積み上げていくことを意味します。外部模試や日々の小テストなどもトレーニングの機会になり得ます。

どれだけ正確に生徒の得点分布が予想ができるか――教師としての腕を測る指標のひとつと考えましょう。

観察精度が上がり、誤答の発生を正しく予想できるようになれば、後手を踏まない指導が、より効果的に行えるということ。

採点してみたら予想と全然違ったという場合は、まだこの状態に到達できていないということですね。テストに至る指導の中で、練習時間の配分や強調のポイントを間違えた可能性が残っています。

#01
 「教えたことを測るのがテスト」 との発想を離れる
 ゴールから逆算してイメージする「時期ごとの到達目標」
 到達目標の次に考えるのは「指導方法」ではなく「評価方法」
 到達目標に照らして行う授業設計がもたらす効果
#02
 到達目標・指導主眼の最適化が、授業改善&成績向上に
 採点結果の集計方法を変えることで、授業改善の課題形成も
 総合問題形式でも、測定項目ごとの把握は可能




ご参考記事: 以下の記事も併せてお読みいただければ光栄です。

 考査問題の妥当性評価
  知識・技能を測る機能に欠けそうな「悪問」候補
  テストの妥当性とは、ゴールとの距離を測る機能
  テスト問題の改善が授業も変える

 考査問題の妥当性評価(その2)
  出口学力と考査成績との相関で
  知識・理解⇔点数の変換を邪魔するもの
  正しいモノサシが優良実践を見つける

画像


 習熟度別クラスと考査共通問題
  進度差は設けるべきか
  進め方ではなく、深め方で差をつける
  習熟度の不足を補うのは「集団知」
  共通問題にする理由
  相互の目で、考査の妥当性を高める
  共通したモノサシで「優良実践」を見つける
  内部の優良差分にこそ学ぶべきものがある
  考査問題を2部構成に
  パートを分けることで、指導上の改善課題を発見しやすく
  目標管理に「平均点」はNG


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一



テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(18件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
授業改善に向けた教員協働
【テーマ別記事インデックス】 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2015/12/20 08:23
教育課程・カリキュラム
【テーマ別記事インデックス】 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2015/12/20 09:16
授業改善に向けた教員協働〜更新のお知らせ
昨日の、キーワード{予習、復習、宿題/課題}の記事に引き続き、テーマ別のインデックスもひとつ更新しました。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2015/12/22 07:28
授業評価アンケート〜質問設計再考
リンク先の記事を更新中です。 更新作業の進捗状況はこちらから ご欄ください ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2016/04/22 06:22
学力の三要素とは〜もう一度考えてみました
文部科学大臣のメッセージ「教育の強靭化に向けて」 では、従来と変わらない時間枠の中に、思考・判断・表現の各要素を織り込み、主体性・多様性・協働性を身につける場を設けながら、学習内容は減らさないという方針が再確認されました。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2016/05/18 07:22
キーワード=“評価・考査・成果検証”の記事一覧
キーワード別 記事インデックス 評価、考査、成果検証(学力の三要素) ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2016/05/19 04:53
教科学習指導における数値目標のあり方(その2)
生徒の希望進路を把握することは、その実現に向けたサポート体制を整える上で欠かせません。成績の下降が見られたり、伸びが弱かったりしたときは、タイミングを逃すことなく適切な対策を講じる必要がありますよね。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2016/06/22 05:41
指示を的確にこなす生徒〜それだけで良いのか?
どの生徒のノートを見てもきれいに板書を書き取っており、寸分の違いもない。あるいは、予習も完璧に行われており○をつけていくだけ、生徒を示しして期待した通りの答えがきっちり戻ってくる ── 表面的な現象だけを見れば「指導の成果」のように見えなくもありませんが、どこかに違和感を覚えませんか。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2016/07/04 06:17
ルーブリック評価の作成と運用
次期学習指導要領で導入が検討されている評価手法の一つがルーブリックです。基本形は、観点ごとに段階性を設けて、成否を判断できる規準を設けた「行動評価」 ですよね。あまり馴染みがないせいか現場の先生方にも混乱と当惑があるようです。かいつまんでポイントを整理しておきたいと思います。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2016/07/05 09:56
教科学習指導の効果を高める土台
授業を通して各教科固有の知識・技能を学んでいく土台となるのが「学習方策」 であり、学びを後押しするエネルギーが「学ぶことへの自分の理由」 です。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2016/07/06 08:07
授業のこと以外にも尋ねておくべき“生徒の意識”
2016-08-03 全面リニューアル ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2016/08/02 07:20
考査問題における得点集計(集計の取り方と活用法)
模擬試験もそうですが、定期考査の役割はその時点までの学習の成果を測り、ゴールに近づくための課題形成を図ることにあります。何が足りていないのか、正しく検知できる問題が必要ですが、せっかく検知した課題も「総合点」 で丸めてしまっては、表に出てきてくれません。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2016/11/15 05:33
考査問題の妥当性を評価し、最適化を図る
「授業で何を教えるか」 と「考査で何を測るか」 はともに、担当する先生がたの頭の中にある学力観を反映したものだけに、両者はほぼ同じものです。片方の最適化を図れば、もう一方もおのずと改善されます。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2016/11/18 07:05
考査問題で何をどう測るか
1 考査問題の改善が授業も変える1.0 考査問題の改善が授業も変える(序) 1.1 考査問題の改善が授業も変える(前編) 1.2 考査問題の改善が授業も変える(後編) 2 考査問題の妥当性評価2.0 考査問題の妥当性を評価し、最適化を図る 2.1 考査問題の妥当性評価(その1) 2.2 考査問題の妥当性評価(その2) 3 考査問題に関するその他の記事3.1 考査問題について考えるべきところ、あれこれ 3.2 考査問題に使う初見材料をどこから調達するか 3.3 考査問題におけ... ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2017/01/05 06:08
組織的な授業改善の土台: データに基づく効果測定
効果測定を重ねながら、優良実践の抽出と共有を継続的に行っていけばそれぞれの先生方が持っておられた強みの集合体として、共通項を一定以上に含む「本校の授業のありかた」が具体的な姿が徐々に表れてくるのではないでしょうか。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2017/09/21 04:44
学ばせ方が変わる以上、考査問題も変わるべき
高大接続元年生(来年高校に入学する生徒のことです)を迎えるに当たり、新しい学力観に沿った教え方・学ばせ方への転換が図られます。当然ながら、年間授業計画も変わってきますし、教材の扱いもこれまでとは違ったものになるはずです。 カリキュラム・年間指導計画 └ 次のステージを見据えた指導、校種・学年の接続授業改善での協働のあり方└ 2020年入試初年度生を迎えるまでに 併せて考えておくべきは、評価方法のアップデートです。授業が大きく変わって思考力・判断力・表現力の獲得が進んでも、定期考査が以前... ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2017/12/13 07:44
論述問題対策の前段階〜要約の練習(後編)
答えが一つに決まらない問題や、多量の文章や資料を読ませてそこで理解したことを元に思考させ、その結果を論述させる問題が増えてくるとなると、その前段階である要約の力はしっかり養っておきたいところ。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2018/02/16 07:54
授業で使った教材・課題や考査問題の引き継ぎ
新年度の引き継ぎに際し、これまでの指導で使用した教材や課題、考査問題などを必要に応じて次年度以降でも利用・参照ができるように調えて残すしておくことはとても重要です。日々の指導の中で積み上げてきた工夫には成果と反省の両方があり、それらを踏まえた上で「その先」を考えることが、継続的な指導の改善に繋がるからです。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2019/03/18 07:56

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文
考査問題の改善が授業も変える#INDEX 現場で頑張る先生方を応援します!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる