高大連携や進路関連のイベントに外部人材を活用 #INDEX

進路指導やキャリア教育、探究活動など、校外から講師や助言者などを招いて行う行事/イベントは多岐にわたります。研究や実業の場で日々活躍している人との接点は、生徒にとって大きな刺激と啓発を与えてくれますが、そうした人をただ招くだけでは、生徒の成長(考えや行動の変容)に狙った通りの大きな効果が得られるとは限りません。

行事やイベントを設定できる日程、開催のチャンスには限りがありますので、貴重な機会の一つひとつで最大限の教育効果が得られるように、事前学習から事後の振り返りまで、指導の全体像をしっかりと見据えた、合理的で精緻な設計と運用を心掛ける必要があります。

講演会、成果発表会、ワークショップの3つの形態に分けて、外部から専門家を招くことのメリットを大きく確かなものにするのに最小限必要な手立てや、さらなる工夫の可能性について考えるところをまとめてみました。運営形態ごとに押さえるべき勘所がありそうです。

2016年02月22 公開の記事をアップデートしました。

#1 進路講演や高大連携事業など
講演などを、単発の行事として完結させない
深く理解し、刺激を得るためには聴く側も準備
事前課題でしっかりウォーミングアップ
自力で資料を集めた輪読とロールプレイ
生徒の事前学習の「成果」は講演者とも共有

#2 探究活動や課題研究の成果発表会
成果発表への指導講評で、刺激を正しく消化させる
講評者をどうやって確保するか
  • 他校と協力して相互に教員を派遣
  • 卒業生、保護者、地域の方に協力を依頼
ポスターセッションでの助言者・質問者
  • 自校で探究を経験し、大学で専門を学び始めた卒業生を活用

#3 行事の中で行うワークショップ
他形式と比べたときの、ワークショップ形式の優位性
ワークショップの導入フェイズにおける講演で
ワークショップをデザインする準備フェイズでも
ワークショップを終えたときの講評・助言者として

■関連記事:
  1. 進路関連行事に向けた企画・準備・事前指導
  2. 進路意識の高揚を目的とした講演会の企画
  3. プレゼンテーション/成果発表を機につくる成長の場
  4. 探究活動や課題研究と成果発表会(まとめと追記)
  5. 体験のたびに感じたことをしっかり考え、言語化&記録
  6. 体験学習をただの体験で終わらせない
  7. 行事にじっくり向き合える、忙しすぎない学校生活



行事やイベントをより良いものにしていく継続的な指導改善行動では、費用対効果をきちんと測ることも大切です。(指導方法の効果測定

費用は、準備、実施、事後のケアなどに投じた時間などで直感的に捉えられているでしょうが、効果の方はというと、何にモノサシを当てるかさえ、十分には考えられていないことも少なくないように感じます。

行事/イベントの前と後で生徒の意識や行動にどんな変化が生じたか、ポートフォリオに残ったリフレクション・ログや、観点毎の段階的到達規準(ルーブリック)に照らした行動評価の結果を解析することなどもいずれは体系的に採り入れていく必要があろうかと思います。

 ■ 新しい学力観に基づく評価方法(記事まとめ)

そうした体制が整うには、まだ暫くかかりそうですので、当座は事前アンケートで探った体験前の意識と、行事を終えて取り直したアンケートに現れた体験後の意識を見比べてみるくらいが現実的かもしれません。

行事に参加した生徒と参加しなかった生徒で、意識や行動の変化の度合いに十分に大きな違いが見られれば、その行事は一定の効果を得ていたということになるはずです。

もし、ここで有意な差が生じていないようなら、費用対効果の「分子」が大きくなる(=より大きな効果が得られる)よう指導法を改めるか、行事を取りやめて/縮小して「分母」を小さくするかのいずれかです。

教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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