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zoom RSS 探究を軸に教科の学びをつなぐ

<<   作成日時 : 2016/05/20 05:52   >>

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各教科の学習を重ねる中で、生徒は様々なものを身につけていきます。教科固有の知識や技能、考え方を学習・獲得していくだけでなく、「汎用スキル」 と呼ばれるものや、「学習方策」 などもまた生徒の内に形成されていきます。

ある科目で獲得した思考様式は、当然ながら教科の枠を越えて様々な場面で利用されます。


❏ 思考の手順・方法、学習方策、探求マインドなど

情報の収集や整理、課題の抽出などのスキルは特定教科限定のものではありません。現象から仮説を導き、実験で検証するという手順も、一度覚えれば他の場面でも応用ができるものです。

また、各教科での学びで見出した興味を、課題研究や探究活動で深めていくと、その先には学びたいことが生まれ、進路意識へと形を変えていきます。

さらに具体化して、「大学で○○を学びたい」「学んだものを使って社会と○○という関りを持ちたい」 と自分の将来のビジョンを持てば、あとはそれを実現する努力を重ねるだけですね。

 ■ご参考記事: 社会が取り組む課題を軸にした学部・学科研究

面白いと思ったものに対して、調べたり考えたりして解明しようとする探求マインドも、1つの経験がもとに対象を広げていくものではないでしょうか。

生活面でも同様です。部活との両立などで忙しい日々を送る中、予習・復習、宿題をこなしていくうちに、時間管理やタスクマネジメントのスキルを獲得できれば、卒業後の自分を支える大きな力になりますよね。

授業という集団活動の場では、他人に対する気配りや役割の引き受け方、支えの受け方なども学べるはずです。


❏ 様々な教育活動が、時期ごとに共通目標を持つことの効果

このように考えてくると、段階を追って設定する到達目標は、それぞれの教科がバラバラに決めていくより、時期を同じくする様々な指導場面である程度の共通要素や方向性のようなものを備えているべきと考えられます。

当然ながら、学校行事、ホームルーム、生徒会活動、部活などもここに関わりを持ちます。

生活、学習、進路の3領域で、すべての教育活動が共通した目的を持っていることが、シナジー(相互作用)により総合的な教育効果をもたらすことになるのではないでしょうか。


❏ 軸を持たないと教科間、活動間での整合性が作りにくい

各教科が行う指導や個々の課外活動について、目指すべき到達状態をそれぞれはっきりさせておくことはもちろん大切ですが、一人の生徒の成長という軸(=学年・学期の進行)に照らし、各教科および課外活動の目標が整合性を持つ必要があると考えなければなりません。

しかしながら、それぞれの教科が考えるところを持ち寄ってから摺り合わせをするという手順では、最終的なイメージがつかず、作業は大いに難航することが予想されます。

繰り返しになりますが、生活、学習、進路の3領域での成長イメージを、学年・学期を軸にしてきちんと配列しておけば、如上の整合性は取りやすくなります。


❏ 探求型プログラムや総合的学習は軸として最適なもの

6ヵ年/3か年を通じて行う探究活動(ちなみに進路選択は生徒にとっての究極の探究の一つです)が、プログラム/カリキュラムとして存在するなら、それを軸にすると検討を進めるのがさらにスムーズになります。

絵に描き起こしてみるとこんな感じでしょうか。

画像

探究で必要とする力を想定しておき、それらを各教科がそれぞれの強みを生かして授業の中で養っていく、という発想です。
画像


❏ 探求に必要な力を教科で作り、探求の成果に教科が乗っかる

また、探究プログラムの進行に合わせ、生徒がどんどん身につけていく新しいスキルを、各教科で利用するようにしましょう。

教科の学びが深まり、広がるだけでなく、重ね塗りの効果などで、スキルが一段と高次のものに昇華するチャンスも得られます。

1つの思考ツールを、学んだときと異なる環境・対象に当てはめて使ってみると応用の範囲がグンと広がります。

適用可能な範囲は、最初の対象と2つ目の対象とを結んだ間、それらを一方に延長した先、さらにはその周辺へと大きく拡張されていきます。

同じツール(思考様式)を様々な場面、各教科での学びの中で使わせてみることの重要性は、ここにもあるはずです。


❏ コンピテンスには、教科の内容以外も大きな比率を占める

学力観は、パフォーマンスモデルからコンピテンスモデルに転換しようとしています。何を覚えたかではなく、何ができるようになったかに焦点が移っていきます。

 ■ご参考記事 コンピテンスモデル(これから何ができるか)への転換

どのような活動に取り組ませ、どれだけのパフォーマンスを発揮したかという見方ではなく、それらを通じ(その後の振り返りでの学びを含めて)、次の機会に臨んだ時にどんなことができるだけの能力を、その活動を通じて生徒が獲得できたかにより、教育活動の成果が測られるということになります。

その「できるようになったこと」 には、各教科固有の学習内容以外にも、多くの要素が含まれると考えていくことが大切です。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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