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zoom RSS 補習・講習の目的再確認〜どんな変化を期待するのか

<<   作成日時 : 2016/07/08 09:00   >>

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いよいよ1学期も終盤です。先生方には、夏休みを前に期末試験の採点などにご多忙の日々をお過ごしかと存じます。終業式を過ぎれば、補習に講習、部活動とお盆前まではスケジュールもびっしりではないでしょうか。


❏ その補習・講習、何を目的として設置したもの?

さて、その補習・講習ですが、様々なタイプがあります。例えば、
  • 目標大学群の入試問題の解き方を学ばせるもの
  • 特定分野の基礎を固めたり、発展的な学習をするもの
  • 成績が振るわなかった生徒のキャッチアップを図るもの
などでしょうか。当然ながら、講座ごとに目的とするものがあるはずです。

せっかく時間と労力を投じて行う補習・講習ですから、きちんと目的を達したいものです。講座で何を扱うか、どう進めるかを考える前に、まずは、先生方の側で「この講座の目的は何か」 を改めて見直してみましょう。


❏ 目的は学力向上、学習方策/学習意欲の獲得のいずれか

基本的には、学習に関わる部分での教育活動の目的は、「学力の向上」「学習能力の向上(方策の獲得)」「学習意欲の向上」 の3つに限られます。

先に挙げたうち「目標大学群の入試問題の解き方を学ばせる」 タイプの講座であれば、
  • 対象となる大学群の出題に対する得点力を中心とした【学力の向上】
が主な目的ですが、
  • 同傾向の問題に対する学習法/学習計画の確立【学習能力】

  • 目的を同じくする仲間と支え合うコミュニティの形成【学習意欲】
といった効果も期待しているのではないでしょうか。

それぞれが、どのような形で、受講後の生徒の行動変化に現れるかは、しっかりとイメージしておきたいものです。そのイメージと実際に観察した姿を照らすことで、講座が所期の目的をどこまで達したかを推定できるはずです。

うまくいった実践は、先生方の間で共有・継承すべきですし、うまくいかなかった場合は、修正することで同じ轍を踏まないようにすることが大切ですよね。


❏ ペナルティ型の補習、本当に役立ってますか?

成績が基準に満たなかった生徒を招集して行うペナルティ型の補習も、日常的に行われる「小テスト、再テスト、再々テスト…」 も含んで、少なからず行われているのではないでしょうか。

このタイプの補習が目的とするのは、「補習に参加することで取り組み方を学び、次の機会に同じ失敗を繰り返させないこと」 であって、点数が取れなかったことの責任を取らせることではありませんよね?

「普段ちゃんとやっていなかったらきつい補習が待っている」 という外圧で勉強させるのは、昭和の時代からよく見かけるもの。

理由はどうあれちゃんと勉強しておけば後で困ることが減るというのもあろうかとは思いますが、毎回決まったメンバーが補習に揃うようなら、彼らは学び方を学んでいないということになりますよね。

卒業までは先生が面倒を見て下さるので問題は起きないかもしれませんが、その後はどうするんでしょうか。


❏ モチべ―ションになり得るのは、繰り返したい快体験だけ

ある学校での補習を見学させてもらったら、「教室に集められた生徒はひたすら単語を覚え、小テストを繰り返し、全部のテストで満点が取れたら部活に行ける」 というのがありました。

モチベーションというのは、「繰り返したくなる快体験」 に向かって生じるもの。

美味しいものを食べた経験が、また食べたいと思わせます。でも、如上の「補習」 に快体験はなさそうですよね。下手をすれば、つらさを経験することで、「卒業したら、もう絶対に勉強しない!」 と決意させてしまうかも…。


❏ リベンジを目指す生徒を集めた「自主勉強会」

別の学校では、中間テストで失敗した生徒に「期末試験でリベンジするための自主勉強会をやろう」 と声を掛けました。

実際には、基準点以下の生徒は部活顧問からの声掛けなどもあって強制招集なのですが、表向きは任意参加。ほかの生徒も希望すれば参加できます。

その中で、生徒同士が教え合ったり、チューターに質問したりして、所定の時間を勉強して過ごします。家に帰って自室に入るとスマホに手が伸びる、ベッドに呼ばれるといった生徒も、自習室なら勉強できることを知ります。

前回の考査までの自分に比べ、「ちゃんとやっている自分」 を見つけ、それを好きになったということでしょう。

まさに「繰り返したい快体験」 が、ここにはありそうです。


❏ 生徒が支え合い刺激し合うコミュニティの形成

同じような取り組みをしている別の学校では、生徒たちが互いに定期考査の予想問題を作って一緒に解いている様子まで見られるようになったとのことです。

指示されたことを履行するだけでは、結果的に点数がとれるようになっても面白さはありませんが、自分たちで工夫し、方法を考えられるとなれば、面白さは比較にならないほど大きくなるのだと思います。

"受験は団体戦"を標榜しながら、実際には先生が全部を仕切り、生徒が自らスクラムを組む機会がないケースもあります。

補習や講習には、それぞれの目的があります。成績が振るわなかった生徒を集めた補習も、ペナルティを与えることを目的とするわけではありませんよね。学習の方策を身につけさせ、生徒同士が支え合う学びのコミュニティを作り出そうとするなら、それなりの方法があるのではないでしょうか。

 ■ 生徒が互いの頑張りを支え合う集団作り


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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