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zoom RSS 思考力を鍛えるのは、教える前が勝負

<<   作成日時 : 2016/10/05 06:56   >>

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思考力を鍛えるには、答えや解き方を示すまでが勝負です。先生が正解や最適なアプローチを示してしまうと、その瞬間に生徒の意識は「考えること」 から「覚えること」 に切り替わりがちです。


❏ 考えるより、覚える方が楽(つまらないけど)

与えられたものを覚えるのは、あれこれと書き出し考えてみるのに比べれば知的な刺激に乏しく、本質的にはつまらないはずですが、同時に楽でもあります。

試行錯誤で一見すると無駄に思えるような工程を重ねるより効率的と考える生徒がいても、責めるわけには行きません。

ただし、効率的なのは「解内在型」(=答えも解き方も先人が明らかにしている)課題の場合に限られます。解き方が確立してなければ、覚えるという戦略はあり得ません。


❏ 考える楽しさを一度学んだ生徒なら

それなのに、楽(らく)を理由に考える楽しみ(たのしみ)を脇に置いてしまうのか…。

これまでの学びの中で、頭を使ってもがきながら答えを導く中で興味が生まれる瞬間を繰り返し体験してきた生徒は違った反応を見せてくれます。

 ■教室は、興味が生まれる瞬間を体験して学ばせる場

せっかく考えているところで正解を示されてしまい、「何してくれちゃってるんですか!」 と食って掛かるぐらいの生徒なら、心強いですよね。


❏ いま必要な手助けを特定するために、きちんと観察

解き方や手順を説明するときにも、全部をきれいに教えてしまう前に、要所で問い掛けて「考えさせるステップ」 をきちんと置くようにしましょう。

手元で書き出させたり、隣同士で言葉にさせてみないと、生徒の頭の中で起きていることが観察できません。

「やらせてみたらできていた」 という場合も少なくないはずです。

観察に基づき、いま必要な手助けが何かを特定しないことには、指導を誤って考えさせる好機を損ねることになりかねません。

以前の記事でも書きましたが、「活動させるのは観察のため」 です。

生徒が文字に起こし、言葉にしたものは「観察の窓」 です。積極的に利用してのぞき込んでいきましょう。


❏ 思考のパターンに引き出しを増やす

思考の方法には様々なものがあります。

実験をしたり、実際に書き出してみたりしながら、法則を見出していくこともあれば、似てはいるけど違うものを並べて比較することで共通項と差分を明らかにしていくこともあります。

KJ法やマインドマップなどもありますね。また、先生方が板書しているものも情報を整理し体系化させることを目的とした要素が沢山含まれています。

こうした手法を、ある単元の学習で使って見せておき、同様の方法を使える機会がきたら、生徒にやらせてみれば、思考に使えるツールや、考え方のバリエーションを増やせますよね。



解き方をくみ上げる工程をいつも先生が肩代わりしていては、生徒は結果を与えられて覚えるだけ。思考力を鍛えたりその方法を学ぶ場を奪ってしまっていることになるのではないでしょうか。

こちら(↓)も併せてご高覧いただければ光栄です。
思考させる授業(記事まとめ)

 ■思考力をはぐくみ評価する
 ■授業の中で思考力を鍛える
 ■自分の頭の中を覗かせる(思考の外在化)
 ■プロセスに焦点を当てた問い
 ■新しい道具は、思考法や行動様式も変える



教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一



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