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zoom RSS 次に進んだときの学習をイメージ

<<   作成日時 : 2016/08/30 09:28   >>

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今教えている単元の学習目標を達成することに加えて、次に進んだときの学習に備えた土台を作ることも同等以上の重要性を持ちます。学習内容が高度になるのを見越して、自力で解説を読んで理解したり、わからないことが生じたときに取るべき行動を学ばせることなどは、「次に備えた土台」 のひとつでしょう。


❏ 獲得させるべきは、教科固有の知識・技能だけではない

もちろん、今教えている単元の内容を理解させ、習熟させないことには先に進めないのも事実です。

でも、先生が丁寧に教えて、全てを解きほぐして与え、生徒はそれを覚えることに偏っては、汎用スキルとしての学習方策を獲得したり、不明点が生じたときに自力で解消する方法/しようとする姿勢を「学習」 するチャンスを逃すかもしれません。


❏ 生徒の自己認識を辿って、指導目標の連続性を点検

下のグラフは、授業評価アンケートでの「授業を受けて学力や技能の向上、自分の進歩を実感できるか」 という問いへの回答を得点化し、学年集団ごとの回答推移を追跡したものです。

なお、基準線として引いてある75ポイントは、否定的な回答が概ね10%となる水準です。
画像

折れ線の傾斜が大きく右に傾いているときは、前年度の指導や学習成果を踏まえなかったか、前年度の指導において次のステージでの学習をイメージしていなかったかのいずれかの可能性が疑われます。

グラフが上下に大きくジグザグを描いている場合は、指導主眼の配列に連続性と段階性への配慮が足りなかったのかもしれません。


❏ 経年的データから、好適な指導の所在を探る

上のグラフでは、中学から高校に接続するタイミングで、過去3学年とも段差が大きくなっていますよね。

高校に進んでからの学習をより明確にイメージした指導設計が必要であると思われます。

また、そこからうまくリカバーできた学年もあれば、暫く苦戦が続いた学年もあります。

回復までの時間がかかるほど、その先でのケアに大きなエネルギーが必要になるのは自明です。しわ寄せは他教科にもおよびます。

次のステージに進んだ時の学習をイメージして、そこで必要になるものをきちんと養うという観点を、指導計画や授業立案に際してしっかりと持ちたいものです。

学び方における守破離


❏ 何をすべきか生徒自身に考えさせるトレーニング

また、学力向上感が基準に満たない推移を辿ってきた場合、生徒はやるべきことを仕上げ切らずに来ている可能性が高いはずです。

補習や講習でも、新たな課題を与えて先生から積極的に教えていくより、生徒自身にそれまでの学びを振り返らせて、今やるべきことは何か、優先順位を付けさせて自分の学習を設計させるべきではないでしょうか。

自律的な学習者に育てたいというお気持ちはどなたにもあるはずですが、そうしたトレーニング機会をきちんと整えてきたかどうかは立ち止まって考えてみる必要がありそうです。

やりきらずに放置してきたことを仕上げさせる


❏ 学習への姿勢は、自己認識による影響が大

実際の成績(結果学力)の推移と併せ、生徒側での意識(自己効力感など)の変化も追ってみないと、学習の多面的評価はできません。

教科固有の知識や技能の向上はもちろん大切ですが、学習者としての成長(自立性や学習方策の獲得など)にも同等以上の重要性があります。

なお、成績の変動と、学習を通じた自己の成長の認識とを比べると、対象となる教科・科目を受験科目とする大学への志望意志を継続させたり、その科目への興味関心の発現に対し、前者より後者の方がより大きな影響を与えていることもデータからわかってきました。


❏ 自律的な学習者として学校を送り出すために

学習内容が高度化するときに備えて、「上手に転ばせて、自力で立ち上がる方法を覚えさせる」 ことに指導主眼の一つをおいて教室に臨みたいものです。

その積み重ねは、卒業させてから先の生徒たちの学びにも大きな影響を与える筈です。

卒業するまでは、先生が手引きすることができますが、卒業後には手を差し伸べてあげることはできません。卒業していく生徒が、自力で学びの世界を拓けるようにするのも、教える側にとっては重要な仕事だと思います。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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