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zoom RSS 自由研究/課題研究は狙い通りの成果を得たか?

<<   作成日時 : 2018/08/27 07:41   >>

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8月も終わりに近づきました。小中学生のときの夏を振り返ってみると思い出されることの一つに自由研究があります。試しにネットで「自由研究」を検索してみたら、表示された件数は443,000,000件。ものすごい数に様々な立場からの関心の高さを改めて実感します。

ちなみにリライト前の記事を書いた2年前のヒット数は24,300,000 件です。増え方が尋常ではありません。

昭和の時代の子供は、朝顔を育ててみたり、昆虫採集して標本を作ってみたりと「定番」で済みましたが、今はすっかり様変わり。

自由研究のネタを提供するイベントで集客を図る企業や、中には自由研究の代行をビジネスにするところもあるとか…。なんだか違和感のようなものを感じます。

2016/08/17 に公開した記事を全面的にリライトしました。


❏ 研究というからには…

自由研究とは名ばかりで、材料やストーリーが予め用意されたものを、手順に従って完成・再現しただけのものもあります。

もちろん、様々な現象を実際に目で見て/経験して、それを記録することだけでも貴重な体験ですが、「再現」して形を整えるだけでは、「研究」にはなりませんよね。

調べてみたいことや解き明かしてみたい疑問があってスタートした活動であったり、体験を通じて新たな興味が生まれたりしていたかが問われるのではないでしょうか。

小学校でも横断的・体験的な活動はしていますので、中学・高校ではもう一歩踏み込んだ活動をさせたいところ。

現象を観察して、その背後にある仕組みを考えて仮説を起こし、それを実証する方法を考えて実験してみる…、こうしたプロセスを備えられたかどうかは、事前指導によるところが大きいはずです。


❏ なんのための研究か?〜年間指導計画の中での位置づけ

そもそも、自由研究を宿題に課すことの目的は何でしょうか。

当然ながら、教える側は目的を明確にしておくべきですし、、生徒にもきちんと理解させておく必要があったはずです。

とりあえず教室と違う環境で知的な刺激を受ける経験をさせるだけで良いという考えもあろうかと思いますが、子どもたちだって忙しいし、提出された宿題を点検する先生方だってただでさえ多忙を極める毎日。

互いに消耗を強いるだけでは、何のための自由研究なのか、わからなくなってきませんか。

もし、自由研究や課題研究を夏休みの宿題にしたいのなら、生徒にどんな成長を期待するのか、各教科の学習指導や進路指導とも関連づけて、きちんと目的とするところを設定しておくべきだと思います。


❏ やるべきことの中に優先順位はついているか

興味のきっかけもないところで無理にテーマを立てさせても、提出することぐらいしか「目的」は見つかりません。

それくらいなら、休みに入るまでに仕上げ切れずに放置していたことを仕上げることに時間を使わせる方がよほど有益かもしれません。

自由研究をやっても良いし、読書体験を積んでも良いし、日頃の勉強のやり直しや発展学習に取り組んでもよい。こんな選択の余地があっても良いのではないかと思います。

皆で同じものに取り組むことには相互啓発が働いたり、指導のコストを下げられるメリットも期待できますが、同時に個々の生徒に必要なことと実際にやらせることの間に「食い違い」が膨らむリスクも抱えます。


❏ 夏休みを迎えるまでにやっておくべきだったこと

生徒が小学校、中学校で何を経験し、どんなことができるようになっているかを把握しないことには、目的も決まらないし、どんな課題が適切なのかの判断もつかないはずです。

どんなことに興味を持ち、どの程度まで研究の方策に習熟しているかも見定めておく必要があります。

1学期を準備期間に充てて、日々の教科学習指導の中で研究テーマを探させることもできたのではないでしょうか。

実験方策の立案の仕方、仮説を検証する方法、文献の当たり方などを学ぶ機会も必要です。

ガイドブックのようなものを用意しても良いでしょうが、レポートの構成やまとめ方を勉強させる事前指導は、各教科の授業の中でも意識的に学ばせていくことができるはずです。


❏ 提出物と振り返りの結果を点検して来期の指導改善に

夏休みも終わり、すでに生徒が宿題を提出するタイミングですが、来年以降の指導のあり方を考えるには、生徒が提出してきた「研究の成果」に良く目を通して点検する必要があります。

研究結果を提出させたら、「取り組んだ感想/研究活動の振り返り」 をリフレクションシートやアンケートで把握しておくのもお奨めです。

生徒が自由研究/課題研究にどう取り組んで、何を感じてどう成長したかは、来年度の指導をどうするかを考える際の重要な判断材料です。

この機を逃しては、次にしっかり考えるのは来年の夏休みを迎える1学期の後半になってしまうかもしれず、それでは同じ轍を踏むことになりかねません。


■ご参考記事:
  1. やりきらずに放置してきたことを仕上げさせる
  2. 探究型学習を使った進路指導
  3. 中学での経験を踏まえて考える「高校での探究活動」
  4. 探究活動を支える土台を築く
  5. 教室は、興味が生まれる瞬間を体験して学ばせる場


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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