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zoom RSS 興味関心と自ら学ぶ姿勢とのギャップ

<<   作成日時 : 2016/11/24 07:58   >>

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主体的に学ぶ姿勢、自ら調べたり考えたり態度を獲得させることは、指導上の重要な目標であることは今更いうまでもありません。知識や技能を身につけさせても、変化や進歩が速い中、それらがいつまでも価値を持つとは限らず、自分で学び続けれられるかどうか求められます。


❏ 興味関心を持つこと≠主体的に学ぶ姿勢

授業で学んだことやその周辺に興味を持つことは、そうした姿勢・態度を持たせることに通じそうですが、授業評価アンケートで調べた学習者の自己認識のデータで確かめてみると必ずしもそうとは言い切れないようです。

下の散布図は、クラスごとの集計値で作成したものです。たしかに「科目への興味関心」 が高まるにつれて、「主体的に学ぶ姿勢」 は高まる傾向があり、近似線の近くによくまとまっていますが、結構離れた位置にも分布が見られます。

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斜め45度に引いた緑色のラインは、科目への興味関心と主体的に学ぶ姿勢が同値となる「基準線」 ですが、分布の大半はその下側にあります。

興味関心を抱かせることは、主体的に学ぶ姿勢を身に着けさせるための「必要条件」 ではありそうですが、「十分条件」 ではなさそうです。


❏ 学習目標を達成させれば、興味関心は高確率で生まれる

別稿でもお伝えしましたが、興味関心は、目標を達成したところに生まれます。

学習目標を達成したことで新しい世界を垣間見て、そこに別の興味が生まれることもあれば、達成できたという快体験がそれを繰り返したいという「別腹」 を作ることもあるでしょう。

実際、上のグラフと同じデータソースを使って検証してみると、こんな結果になります。
画像



❏ ギャップの原因は何か考えてみると

さて、問題は「興味関心の発現と主体的に学ぶ姿勢」 の間にあるギャップを作り出しているものは何か、どうすればギャップを解消できるかです。

・疑問や不明の所在に気づけないことには…

興味があっても、具体的に何を解明するべきなのか、疑問や不明の所在に気づかなかったら、学ぶという具体的な行動は起こりません。行動していない以上、「主体的に学ぶ姿勢が身についた」 という自己認識には至りません。

解くべき課題を示し、それに挑ませることで初めて、疑問や不明を見出し、それを解消したいという欲求を持たせてこそ学びが始まるのだと思います。

・教材や資料から自力で問いを立てられるか

わからないこと、まだ知らないことを知ることが、「学ぶことへの自分の理由」 になるはずです。

しかしながら、問いを投げかけてくれる先生が、いつもそばにいるとは限りません。自分で疑問を見つけて問いを立てることを授業中のトレーニングで、できるようにさせておく必要もあるのではないでしょうか。

・疑問や不明を解消する方策に習熟させる

調べてみよう、考えてみようと思っても、調査や思考の道具立てが揃えられていないければお手上げです。教えてくれるのを待つしか選択肢がないかも…。

以前の記事でも書きましたが、学習方策は課題解決を通して身につきます

解くべき課題をターゲットとして導入フェイズで示して置き、教科書を読んだり、資料集を調べたり、話し合いをしたり、ときには先生に質問をしたりといった、疑問や不明を解消する行動を重ねさせることが、そうしたトレーニングになるはずです。


❏ 指導において意識すべきこと、不用意に行うべきでないこと

こうして考えてくると、主体的に学ぶ姿勢を身に着けさせるために指導者が行うべきことと、避けるべきことが少し整理できるような気がします。

学ぶことへの主体性を引き出す要件不用意に行うべきではないこと
解くべき課題に自力で挑ませ疑問や不明の所在に気づかせるわかりやすく教えて、一遍の疑問も残させない
教材や資料を読み、問うべきポイントを探し、自ら問いを立てさせる定着を図る反復を演習で繰り返すだけ
疑問を見つけたら、自力/協働で工夫を重ねその解消を図る解くためのお膳立てをすべて教える側が肩代わり


ただし、授業の内容がわからないことには始まらない こともまた事実。短時間で効率よく伝える技術はこれから先も欠かせないものです。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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