現場で頑張る先生方を応援します!

アクセスカウンタ

zoom RSS 「正解ありき」で教えていないか?

<<   作成日時 : 2016/12/01 07:28   >>

トラックバック 3 / コメント 0

演習問題を扱うとき、教える側はこれまでに数えきれないほど同じような問題を解いてきただけに、この手の問題はこう攻めれば良い直感が教えてくれます。一方、生徒には、そうした直感が働くほどの解いた経験はありません。このギャップを踏まえておかないと、解説の手法を間違えるおそれが生じます。


❏ 正解を知っていないとできない説明では…

「ここに補助線を引けば、○○の公式が使えるよね」、「空所に○○を補えば、ここがO-Cの関係になるじゃない?」 といった説明は、正解や解き方をしっているからこそできる説明です。

似たような問題を解いた経験がある生徒には十分に通じる説明かもしれませんが、新たに出会った切り口を求める問題にはこのアプローチはあまり役立ちそうもありません。

初見の問題を見て、生徒自身が解法をくみ上げていくには、「目に見えているもの」 から思考の起点を作る必要があります。


❏ 目に見えているものを起点に

見えているもの、つまり印刷されている文字やグラフなどを精緻に観察して、そこから得られる情報を抽出するのが最初の段階。

その上で、問いが求めている事柄に照らして、情報を整理し、手持ちの知識を補うことで、答えという形に整える工程へと進みます。

この手順に沿った解法を提示できているかどうか、常に意識する必要があるのではないでしょうか。

間違っても、正解から逆算して求めたり、経験則で導かれるパターンを前提にした説明は避けたいものです。


❏ 問いを重ねて思考を導く

正解ありきでの説明を避けるには、
  • 目に見えているもの以外は材料にしない
  • 問いを重ね、生徒に考えさせることで手順に気づかせる
といったことに教える側が常に注意を向けることが大切だと思います。

汎用性のある問いが繰り返される中、生徒はその問いを真似ることで、観察や思考の型を手に入れることができます。

最初は真似から入り、工夫を重ねる中で自分の思考スタイルを作りあげていくという 「守破離」 の入り口を作っているということになるのではないでしょうか。


❏ 正解が一つに定まらない問題の登場も見据えて

正解を覚えておけば何とかなる場合なら、「正解を記憶する手掛かり」として、多少の意味はあるかもしれませんが、正解がひとつに決まらない問題が相手ではどうしようもありません。

様々な正解があり得る問題が増えてきたとしても、「問題文が存在する」 という一点だけは不変です。

解説をするときに目指すべきは、「正解であることを納得させること」 ではなく、目に見えているものを起点に、観察と思考を重ねるスタイルを養い、獲得させることだと思います。

問題の解説をしているときに、「答えの解説」 にすり替わっていないか注意しておきたいものです。


ご参考記事:

 ■思考力をはぐくみ評価する(全4編)
 ■問い掛けの多い授業が良い授業(全3篇)
 ■思考力を鍛えるのは、教える前が勝負
 ■学び方における守破離
 ■問答を通じて論理性を養う


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一




テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(3件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
思考力と表現力を養うには
1 学力の三要素、高大接続改革に向けて1.1 学力の三要素とは〜もう一度考えてみました 1.1 高大接続改革に向けて今できる準備 1.2 高大接続改革に向けて今できる準備(その2) 1.3 評価方法の再整備〜高大接続答申から 2 思考力をはぐくみ評価する2.0 思考力をはぐくみ評価する(序) 2.1 思考力をはぐくみ評価する(その1) 2.2 思考力をはぐくみ評価する(その2) 2.3 思考力をはぐくみ評価する(その3) 2.4 思考力をはぐくみ評価する(その4) 3 ... ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2016/12/28 07:53
わかりやすい報告≠できるようにさせる授業
ある程度まとまった話を聞くとき、結論が何であるかを想定で来ていた方が、細かいところの意味合いや位置づけも把握しやすくなりますよね。どこに向かっているのかわかなければ、一つひとつの情報の解釈に迷ってしまいます。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2017/03/24 07:19
"丁寧に教える"ことを取り違えていないか
先日、ある先生とお話をしている中で、こんなご意見に触れることがありました。丁寧に教えていれば生徒は理解できるので、自分がその科目をできると誤解してしまう。進路を選んだ後になってその科目に適性がないことに気付いたのでは、入れたはずの大学にも進めなくなってしまう。丁寧に教えることが必ずしもよいこととは限らず、適性のなさに早めに気づかせ、ほかの進路を考えさせることも大事だ。確かに適性のないところで拘っていても袋小路が待っているだけかもしれませんが、この意見には何か見落としているような気がします。... ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2018/01/15 08:08

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文
「正解ありき」で教えていないか? 現場で頑張る先生方を応援します!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる