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zoom RSS どこまで伸びるか見立てる

<<   作成日時 : 2018/09/10 07:52   >>

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最終的に出願した大学・学部は、生徒が入学時に描いていたものとは違うかもしれませんが、高校生活の中で「学びたいこと、学んだことを活かしてやってみたいこと」を見つけて積極的に選んだ進路であれば、もう何も言うことはありません。

でも、どこかのタイミングで、「やっぱり自分には無理そうだ」と決め込んでしまい、頑張れば手が届いたかもしれない目標をあきらめた消去法での選択だとしたら、巣立つ生徒の姿を見る思いは複雑です。

2017/01/30 に公開した記事を全面的にリライトしました。


❏ 可能性を小さく見積もらせない/見積もらない

残りの期間が3年だろうと1年だろうと、3か月あるいは3週間だろうと、成績や学力がどこまで伸びるか正確な予測はできません。

でも、展望をもって頑張るからこそ伸びるのであり、そこにある可能性に気づかず、頑張りをやめてしまえばそれ以上は伸びません。

冷静に且つポジティブに伸びしろを見立てることが大切だと思います。

もちろん、どうやっても可能性が見いだせないのにしがみついては、他の可能性に目がいかず、チャンスを失うこともありますから、「あきらめないこと」 がいつも最善とは限りませんが…。


❏ 成績推移だけでは伸びしろの見立てはつかない

伸び代の見立ては、模擬試験の成績変化だけを材料にしていては、とてもできるものではありません。

個々の設問に正解するには、様々な知識、理解、考え方など設問の要求をすべて満たさなければならず、残り一つのパーツが欠けただけでも、まったく要求を満たせていない状態でも不正解という結果は同じです。

前者の場合に結果の点数だけ見て「まったく伸びていない」と判断するのは合理的とは言えませんよね。

成績の推移は、伸長期と停滞期が不規則に繰り返すのが普通ですから、頑張り始めて数か月の動きを見て、だめだと判断するのも早計です。

それまで順調に伸びていたとしても、その局面に勉強法があっていただけで、次のステージに進む準備が整っていなければ、先のどこかで壁にぶつかることもあります。


❏ 正解できなかった理由とその解消の様子を観察する

より正確な見立てを立てるためには、模擬試験や過去問演習の振り返りで、「正解を導けなかった理由」を明らかにして、その理由を解消する正しい行動をとれているかをみたいもの。

単に知識が足りずに点数を落としているだけなら、きちんと学習時間をかけて覚える努力を継続していることが「伸びる可能性」と考えることができます。

現時点での知識の不足量と、一定期間あたりにどのくらい拡充できているかを見比べることで、ある程度の見立てができるはずです。

解き方を知っている問題はかっちり点数を取るのに、それ以外の問題はからっきしという生徒は、題意を読み取り、手持ちの知識を組み合わせながら解き方を考える姿勢と方法を学んでいないということです。

それまでの学び方の限界に気づいて、解法パターンを覚えるだけの学習から離脱を図り、少しずつでもできるようになっているようなら、伸びを期待していいかもしれません。


❏ 頭の中でやっていることを観察する機会を作る

この観点での見立てには、提出された課題や答案だけを見ていても、ましてや模試の点数だけを見ても不十分です。

普段の授業の中で、「解き方を考えだす必要のある問題」を与え、思考の過程、答えを導きだしていく様子を観察する必要があります。

指名して発言させたときも、「どうして、そう判断したのか」 「なぜ、そのアプローチを選択したのか」 という問いを重ねてみれば、頭の中で起きていることを推定することもできるはずです。

大前提となるのは、生徒が志望する大学群が求める学力要素をきちんと含む問題を、授業内での課題として与えることです。

そうした課題を解けたり、仮に解けなかったとしても「こうやればいいのか」と気づければ、「何とかなりそうだ」との展望のもと、生徒は頑張りを継続できるのではないでしょうか。


❏ 模擬試験のやり直しを通じた振り返りと課題形成

模試や過去問演習をさせながら、現段階での「解けない理由」 を特定し、その解消に向かっているかどうかを観察を通じて判定することが、伸びしろを見立てるということの一部になるということです。

生徒にも模擬試験のやり直しをさせるとき、間違い直しを徹底させるだけでは足りないものがあるのは言うまでもありません。

答案を鏡に、自分の学びを客観的に捉えさせることに注力することが、自分の可能性を小さく見積もって消極的な選択に向かうのを押しとどめるのに必要なことではないでしょうか。

 ■ 模試や考査の事後学習〜間違え直しだけでは不十分
 ■ 模試受験後の指導〜進路希望を維持させる〜
 ■ 理解している≠正解できる


❏ 伸びた生徒と伸びなかった生徒の行動特性にも照らして

学校には過年度に在籍した生徒のデータが残っているはずです。

終盤に大きく伸びた生徒や、先行逃げ切りを成功させた生徒など、様々な生徒がいたはずですが、それらの生徒の学習行動の特徴を書き出しておきましょう。

指導に当たった先生方の記憶を持ち寄り、言語化する中で見立ての摺り合わせができます。

伸びた生徒に特長的な行動、伸びなかった生徒にみられた行動パターンなどを知っておけば、目の前にいる生徒の取り組み方を評価し、見立てにつなげるときの拠り所になります。

受験生を送り出すのが初めてという先生や、受験校での指導経験が浅い先生に「経験則での観察」を求めても酷というものです。

ベテランの先生方の経験を間接的にきちんと伝えることが、経験が浅い先生方を支えることにもなりますし、そうしたノウハウは学校全体での指導知見として継承すべきものだと思います。

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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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