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zoom RSS 補習・講習は、一つひとつの設置目的を明確に

<<   作成日時 : 2017/04/26 08:34   >>

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五月の連休が終わると、夏休みに設置する補習・講習をまとめて生徒に伝える時期を迎えます。生徒一人ひとりが抱える学習上の課題を解決する場として、内容や対象を明確にして、講座群を整備し、必要な生徒が確実に履修できるようにしたいものです。


❏ どんな講座を置き、誰に受講させるか

生徒一人ひとりが抱える学習課題は、大きく分けると
  • これまでの考査や模試で未習熟が発生している箇所
  • 通常期の授業ではカバーしきれない発展的な内容
という2つの括りになるのではないでしょうか。

後者は、年間授業計画を立案するときに、「難関大を目指す生徒を対象とする強化機会」 として予定されているかもしれませんし、生徒が互いの頑張りを支え合う集団作り に利用することもできるはずです。


❏ 模試や考査のデータを用いた講座設置

一方、後者については、現時点での生徒のパフォーマンスを観察した結果に基づいて設計すべきものです。

4月、5月には何らかの模試を全員が受験していると思いますので、そのデータをもとに設置講座群と各講座の対象生徒を想定していくことは必須でしょう。

補習・講習の設置に、模試のデータを活用しない手はありません。

講座設置の原案は過年度ベースで作っておいても良いと思いますが、直近のデータに照らした修正と更新を経てから、最終版をまとめるべきだと思います。


❏ 成績に現れない部分は、普段の観察で補う

また、普段の授業での様子からは、「模試成績に現れない弱点」 を抱える集団も見えているはずです。

「知識・技能」 は一定水準に達していれば、一定の点数は取れるでしょうが、先の学びを想定すると補っておかなければならない部分もあると思います。

特定の思考パターンに弱い生徒、判断を求められたときに根拠を置けない生徒、理解したことを表現するときの手法が未確立の生徒はいないでしょうか。

普段の授業だけで補っていけそうなら、わざわざ講座を設ける必要はありませんが、特定の生徒を対象に、集中強化の場面が必要なら、夏休みに講座を置いてしまった方が効率的です。

これらの弱点(学習上の課題)は、模試成績だけでは、はっきり捉えきれない部分です。

普段の授業で課した課題の出来栄えや定期考査の答案、授業内での発問へのレスポンス、話し合いの場でのやり取りなどから、課題の所在と補強すべき生徒を普段からリストアップしておきたいものです。


❏ 学び方そのものに不備を抱える生徒も

学び方そのものに改めるべき問題を抱えている生徒もいるはずです。

ここまでは「記憶と再現」 で何とかしているが、予習などで自力でポイントを見つけられない、不明点を解消するすべを持っていないなど、次のステージに進む準備ができていない生徒にはなんらかのケアをしておかないと、後になって問題が顕在化します。

後手を踏んでは、次の学期や学年を迎えてから、生徒も先生も負担が増すばかりです。

夏休みの補習・講習を使って、「学び方を学ばせる場」 を作っても良いのではないかと思います。

どんな学び方を期待するのか、学年教科の間で共通認識を作っておけば、観察の視点も確立できるので、見逃しの発生も抑えられるはずです。


❏ 観察結果を持ち寄って、設置すべき講座を検討

学年教科担当者で集まったときに、観察所感を持ち寄ってみるのも良いと思います。一人の観察では見落としもありますが、先生方が互いの気づきを交換すれば、より正確な観察・評価ができます。

様々な課題について、どんな教材で何を学ばせるかを考え、学年教科の中で担当講座を割り振れば、労力や手間の重複を抑えることもできます。

普段の担当クラスで、その講座を受けるべき生徒を特定して、受講を促す指導を行っていけば、受講すべき生徒が網から漏れることも減るはずです。


❏ 生徒が、自分の課題を認識できているか

せっかく講座が設置されても、生徒が自分の学習上の課題を正しく認識していないことには、受講意欲も目的意識も持てません。

模試や考査の事後学習〜間違え直しだけでは不十分模試受験後の指導〜進路希望を維持させる〜でも書いた通り、模擬試験や定期考査のやり直しを通じてメタ認知を高める仕掛けも必要です。

特に、模試の結果が返ってきたときに、「目標に近づくために今の自分に何が必要なのか」 を認識させないことには、主体的な姿勢も、戦略的な計画性も持てるようにはならないのではないでしょうか。

まずは、自力で課題を設定させてみて、どうしても見落とが埋められないようなら、積極的に問いかけて気づかせていきたいものです。


❏ 生徒に任せ過ぎず、先回りをし過ぎない

最初から、「これを取れ、あれも取れ」 では、学習者としての自立は遅くなるばかりだと思います。

かといって、すべてを生徒自身の判断に任せていては、せっかく設置されている講座を利用する機会を逃させてしまいます。

受講すべき講座を正しく選択できるようになることも、学習者としての成長の一つ、「学び方における守破離」だと思います。

長期的・戦略的な視点をもって、そうした方向に仕向けていくことにも、力を入れて見ても良いのではないでしょうか。

学校によっては、設置講座数や参加人数に数値目標を立てているケースもありますが、こうした数字を膨らませること自体が目標ではないはずです。


■ ご参考記事:
 補習・講習の目的再確認〜どんな変化を期待するのか
 やりきらずに放置してきたことを仕上げさせる
 学習機会としての模試受験


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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