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zoom RSS 学部・学科調べに、学問探究という入り口も

<<   作成日時 : 2017/04/11 05:24   >>

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昨日の記事で、進路希望を調べるときは、前段階の確認も併せて行うことが大事だと書きましたが、大学を選ぶのが先か、学部・学科を選ぶのが先かと言えば、当然ながら、後者が正解ですよね。

自分の興味を満たしてくれる学科、学んでみたいことをきちんと学べる学科を探すことが先決です。

その学科を設置している大学をピックアップして、自分の求めるものと大学が提供しているもの(カリキュラム、教授を含めたコミュニティ、サポートや環境等)とのマッチングを確かめて大学を選んでいくのが正しい選択手順だと思います。

とはいえ、学科調べを実際に進めようとすると、いろんなところに難しさが…。そんな時は、学部・学科調べという捉え方を少し離れて、学問調べを入り口にしてみるのも良さそうです。


❏ 学問の細分化と学際の拡大で、学科は3,000近くに及ぶ

平成28年度学校基本調査の付属資料 にある、学科系統分類 によると、11の大分類、77の中分類の下に、なんと約2,900もの学科名が並んでいます。

複数の分類にまたがる学科もあり、これらを別個にカウントすると、その数は3,200近くに及びます。

5年前にあたる平成23年度と比べても、後者の数え方で230ほど学科の名前が増えています。

平成17年度まで遡るとその数は2,400ほどですから、干支が一回りしないうちに学科の種類が3割も膨らんだことになります。

なんとなく想像はしていましたが、これほどまでの数になっているとは…。


❏ 従来の区分けでは、興味に合致する学科を探せない

こんな学科もあるのかとただ感心する一方で、恥ずかしながら、学科名を見ても何を研究してどんな課題に取り組んでいるか想像力が追い付きません。

学問が細分化してきたということもあるでしょうが、それ加えて従来それぞれ独立した別学科で扱っていたものが複合して新たな学際を形成し、それが新しい学科になったのだと思います。

理系か文系かという区分けを入り口にしても、自分の興味に合致する学部・学科に行き当たるのは難しそうです。

生徒に「理系希望か、文系希望か」 と尋ねてみたところで、「数学が苦手かどうか」 以上の意味は持てないような気がします。


❏ 学会名鑑を覗いてみたことはありますか?

一方、科学技術振興機構が運営する学会名鑑 によると平成28年現在で、学会の総数は2,009だそうです。

大分類が3つ、その下に30の小分類がありますが、それぞれの中に何十、何百という学会がひしめていることに、改めてびっくりです。

人文・社会科学生命科学理学・工学
言語・文学 (182)
哲学 (132)
心理学・教育学 (311)
社会学 (210)
史学 (178)
地域研究 (179)
法学 (103)
政治学 (73)
経済学 (140)
経営学 (145)

基礎生物学 (107)
統合生物学 (66)
農学 (219)
食料科学 (61)
基礎医学 (177)
臨床医学 (354)
健康・生活科学 (225)
歯学 ((104)
薬学 (87)


環境学 (143)
数理科学 (39)
物理学 (51)
地球惑星科学 (71)
情報学 (95)
化学 (94)
総合工学 (114)
機械工学 (62)
電気電子工学 (50)
土木工学・建築学 (89)
材料工学 (69)
【カッコ内の数字は、当該区分内にある学会数】


上記の名鑑からリンクを辿っていくと、それぞれの成り立ちが読めたり、各学会のホームページに飛んだりできます。

また、J-GROBALの研究者検索へリンクも用意されており、どの大学のどの研究者がどんなキーワードで研究をしているかも簡単に調べることができます。
J-GLOBALは、「つながる、ひろがる、ひらめく」をコンセプトに、これまで個別に存在していた科学技術情報をつなぎ、発想を支援するサービスです。登載された情報間のつながりをもとに、JST内外の良質な科学技術情報から意外な発見や異分野の知を入手する機会を提供いたします。産学連携や研究開発の初期段階および計画立案時におけるアイデア探しやきっかけ作りなどにぜひご活用ください。 ※J-GLOBALとは より引用

クリックしてあちこち見て回るだけで結構楽しいです。この原稿を書きながら、ついつい夢中になってあちこち見ているうちに、時間があっという間にたってしまいました。

興味を起点に学問の世界を覗いてみるだけでも刺激的です。

どの大学のどの学科で、どんな研究者が何をやっているのか知ることは、もしかしたら「自分が学びたいこと」 を見つける機会にもなるかもしれません。

進路選択でなくても、生徒が課題研究や探究活動のテーマを探すときにも大きなヒントを与えてくれそうです。


❏ 様々な研究、取り組んでいる課題を知って、進路意識を作る

様々な分野で研究を行い、活動を展開している人々の営みに触れることは、社会が取り組む課題に、自分はどう関わるのかを考える契機になるはずです。

生徒一人ひとりの進路希望を確かめることは、指導計画を作る上でも大切であり、欠かせないものです。

しかしながら、進路希望が「行ける大学が設置する学部・学科から自分の希望と折り合いがつくところを選ぶ」 という発想の中で作られてはいけないと感じています。

自らの中に生まれた興味を起点に、自分の好奇心を満たし、且つその先に「学んだことを通じて社会とどのような接点を持つか」 をイメージできる場所を選ばせることができたら、それに勝るものはないように思います。

 ■ 探究型学習を使った進路指導
 ■ 社会が取り組む課題を軸にした学部・学科研究


#03 「進路意識形成について意識を質し、内省を促す」 に続く。

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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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タイトル (本文) ブログ名/日時
進路希望を調べるときは、前段階の確認も併せて
新年度を迎え、生徒一人ひとりの進路希望を調べる機会もあるかと存じます。調査票を配って、国公立か私立か、理系か文系かなど、現時点での希望を尋ねたり、大学名や学部・学科を挙げさせるのがよく見かけるやり方ですが、不用意な訊き方をすると、背後に潜む問題点を見落としたり、思わぬ弊害を招くこともありますので、要注意です。 ...続きを見る
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2017/04/11 05:28
進路希望を作るまでの活動を確かめる#INDEX
生徒一人ひとりの進路希望を把握することは大切ですが、それ以上に着目すべきは、進路意識を形成し、進路希望を具体化するまでに生徒一人ひとりが踏むべきプロセスをきちんと踏んでいるかどうかを確かめることではないでしょうか。自らの選択の結果に向き合える状態に生徒を導く上で欠かせません。 ...続きを見る
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2017/04/13 06:13
進路意識形成を支える指導
1 興味を追いかけ、しなやかに選択を重ねる1.1 キャリアは選ぶものではなく重ねるもの 1.2 カッコつきの“キャリア教育の充実!”に思うところ 1.3 起業家教育について考えるところ 2 進路指導で育む“選択の力”2.1 進路指導で育む“選択の力”(その1) 2.2 進路指導で育む“選択の力” (その2) ...続きを見る
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2017/04/19 07:10
"進路意識形成を支える指導"を更新しました
「進路希望を調べるときは、前段階の確認も併せて」「学部・学科調べに、学問探究という入り口も」「進路意識形成について意識を質し、内省を促す」 などの各記事を追加し、ジャンル別インデックスの「進路意識形成を支える指導」 を更新しました。 ...続きを見る
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2017/04/20 07:27
探求活動の目的から考えるテーマ選び
次期学習指導要領で、高校の「総合的な学習の時間」 から 「総合的な探究の時間」 に名称を改めるとの方針が発表されてから約1年がたちました高校が新しい教育課程に移行するのは5年後の平成34年ですが、それを待たずに様々な新しい取り組みが始まっています。 ...続きを見る
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2017/05/02 08:49
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2018/02/05 07:21
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2018/02/06 04:52
社会が取り組む課題を軸にした学部・学科研究
過日、社会教育会館(東京都多摩教育センター内)で行われた「都立高校生のための多摩地区国公立大学合同説明会」を見学してきました。 ...続きを見る
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学習指導と進路指導という二本柱をしっかり立てれば成立したのがこれまでの指導計画でしたが、次期学習指導で加わる探究活動を組み合わせるとなると、単純にもう一本の柱を立てれば済む話ではありません。 ...続きを見る
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中教審のワーキンググループが、高校の「総合的な学習の時間」の名称を「総合的な探究の時間」に変更する案をまとめたとの報道があったのは2016年6月17日のことでした。その後、2018年7月公示の学習指導要領解説でその具体的な内容が明らかになりました。新旧課程比較対照表「総合的な探究の時間」新学習指導要領解説「総合的な探究の時間」今回の改訂では、科目の名称が変更されただけではなく、古典探究や地理探究、日本史探究、世界史探究、理数探究基礎及び理数探究といった科目も新設されており、まさに「探究」の... ...続きを見る
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探究活動や課題研究の成果発表会を拝見していると、興味を掘り下げ、リサーチクエスチョンを立て、答えを導いたのちに自分の生き方・あり方まで踏み込めているものもあれば、先行研究を拾い上げ、繋ぎ合わせただけのものも見られます。 ...続きを見る
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2018/12/17 08:36

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