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zoom RSS モデル問題(共通テスト)を見て #2数学

<<   作成日時 : 2017/05/19 07:36   >>

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昨日に続き、共通テスト(仮称)のモデル問題を見て感じたところをまとめます。数学のモデルでも、「確かめる方法を数式を使って説明せよ」 など、協働での課題解決という「対話相手が存在する場面」 を想定しないと意図が見いだせない問い方が散見されます。

地歴・公民分野や理科の記述式問題は平成36年度の導入に向けて検討を進めるとのことですが、「社会生活の中での言語活動、及びそこで求められる思考・判断・表現」 といったキーフレーズは、全教科・全科目に共通するものと考えておく必要がありそうです。


❏ 「問題解決の方略を表現する」 ことを求める理由

問題例4の(2)、(@) には
画像
という問いがあります。

生徒がこの問題の解き方(問題解決の方略)を考案できているかどうかを試すだけなら、証明を書かせればそれで十分。わざわざ 「方法を説明させる」 なんて回りくどい訊き方をする必要はありませんよね。

「確かめる方法を式を用いて説明せよ」 との指示の真意は、記述問題のモデル例 の最終ページに掲載されているマトリクス【解答させる内容と資質・能力、出題形式との関係について】 に表現されています。

同マトリクスでは、横軸に配置された
  • 数学を活用した問題解決に向け て,構想・見通しを立てること
    〇数学的な問題の本質を見い だす力(洞察力)
    〇数学的な問題を解決するた めの見通しを立てる力(構想力)
と、縦軸に配置されている
  • 問題を焦点化す る(問題解決の方 略 など)
    問題場面で成り立つことが予測される数学的な事柄・事実や、
    問題解決に向けた構想を立てるなど問題解決の方略を表現すること
が交わるセルには、「事象を特定の図形に着目して考察し、その結果を基に、問題解決の方法を数学的に説明する方法を求める」 との記述があります。


❏ 教科の境界を越えて求められる「協働での課題解決」

「協働で課題解決に当たる場面とそこでの言語活動」 を意識したモデルの提示であると捉えないと、如上の訊き方をあえて選択した理由が説明できません。

実際に、モデル問題例3の【問題全体の出題のねらい】では、
本問題は、他者の考えを理解したり、自分の考えと比較 ・ 評価するなどの言語活動場面でのねらいも視野に入れて作問した。
と記述されています。(ただし、意図通りの作問になっているかどうかは、評価が分かれるところだと思いますが…。)

この考え方をベースにすると、サンプルの公開が先送りされた理科でも、
  • ある仮説を立ててそれを検証しようとするときの実験計画について
    その妥当性を論じさせるといった問題
などがモデルに提示されることも予想されます。


❏ 考え方を比較・評価することの意味

教室の中では、ICT機器を活用して、それぞれの生徒が起こした答案を比較させながら、どんな思考を経たのか説明(=言語化)させたり、解法としての優劣を論じさせたりする場を見かけることが多くなってきました。

今回のモデル問題のように、(手間数や汎用性に差はあっても)いずれも正解に到達できるアプローチだけでなく、その方針にそって解き進めてみると落とし穴が待ち伏せている誤ったアプローチも交えないと、「考え方を比較・評価する」 ことの意味を生徒/受験生に実感させられないのではないでしょうか。

限定した条件での答えが導き出したあとに、上記の問題で「鈍角」も含むなど、事象を広く取り直す(=拡張する)設問をひとつ加えるだけでも、思考の幅と深さが変わってくるはずです。


❏ サンプル問題に添えられた「出題の狙い」

サンプル問題では、それぞれに出題の狙いが説明されています。各問題例の狙いについての記述から、個人的に興味を抱いた箇所を抜粋してみました。

モデル問題例1(国語)
題材について話し合う場面や異なる立場からの提案書などを検討する言語活動の場を設定することにより、テクストを場面の中で的確に読み取る力、及び設問中の条件として示された目的に応じて表現する力を問うた。

モデル問題例2(国語)
論理が明確な「契約書」という実社会とのかかわりが深い文章を題材とする言語活動の場を設定することにより、…(以下同上)。

モデル問題例3(数学)
現行のセンター試験では,問題解決の構想から結論に至るプロセスが文脈の中にすべて提 示されているが、本問題では、何を変数として設定するか、またそれを用いてどのように関数として表現・処理していくかなど、受験者の主体的な思考力を必要とする。

モデル問題例4(数学)
日常生活の問題を題材とし、事象の特徴を捉えて数学的な表現を用いて表現する力(事象を数学化する力)、数学化された問題を解決するための見通しを立てる力(構想力)、解決過程を振り返り、得られた結果を元の事象に戻してその意味を考える力を問うた。


今回公開された問題だけではなく、出題意図の説明文にこそ注目して、「今後目指していく出題の仕様」 を探り取り、その狙っているところを普段の授業にも反映させていくことが求められるのではないでしょうか。


❏ 接続改革の進捗を見守りつつ…(余談)

テレビでは、塾が主催した保護者向けの説明会で、「高大接続改革に向けた取り組みによって学校を選ぶべきだ」 とプレゼンするシーンを放送していました。

学校広報においても、学校説明会で何を伝えて行くか、学校公開日にどんな授業風景を見せていくか、受験生やその保護者の関心の所在も意識していく必要がありそうです。

高大接続改革に向けて今できる準備同(その2)
学力の三要素とは〜もう一度考えてみました


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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一


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