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zoom RSS 探究活動・課題研究と手段科目としての英語学習

<<   作成日時 : 2017/07/05 06:23   >>

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音声認識や自動翻訳の技術が飛躍的な進歩を遂げる中で、英語に限らず単に外国語を聞いたり話したりする能力は、個人が苦労して獲得する必要性はなくなってくるような気もします。

拙稿『多国籍化する社会での共生と協働』 で書いた通り、言語運用力以外の部分に大切なものが新たに生まれるのだと思います。


❏ 手段科目としての英語

英語は目的科目ではなく、手段科目としての位置づけが大きくなるのではないでしょうか。

総合的な学習がより探究色を強めることになる次期学習指導要領のもとでは、探究活動を進める中で、先行研究の文献調査や、研究成果のプレゼンが行われます。

プレゼンの場を海外研修旅行中の訪問先に置くケースも出てきています。

また、研究結果を英語で発表したり、サマリーを英語で書いたりするのも、もはや珍しいことではありません。

プレゼンに英語を用いるとなれば、当然ながらその分野での語彙や言い回しを知る必要もあり、先行研究でも英語で書かれたものに当たる必要があります。


❏ 課題研究の文献検索がサイドリーダーに取って代わる

これまでは、夏休みの宿題や平常期の課題で、副読本を指定して読ませているケースが多かったと思いますが、「生徒自身が自分の研究課題に沿ったものを探して読む」 という形に変わる必要があるかもしれません。

生徒の持ち時間は有限ですから、何か新しいことをやろうと思えば、これまでやっていたものを片づける必要があります。

どんな名作であろうとも、面白いと思うかどうかは生徒次第。あまり興味もわかないものを読まされるより、他に目的(=ここでは探究活動)があって、そのために読むほうが、よほど身が入るような気がします。


❏ 探究の対象としての英語

英語を探究の対象にすることもできます。教科書や参考書に書かれたことをそのまま理解して覚えるのも結構ですが、サンプルを集めて観察し、背後にあるメカニズムを考えるのは、普段の授業の中でもできます。

国語教育では、大村はまさんの実践で、教科書から「ことば」 という言葉を拾い集め、分類することで「ことば」 の意味を考えさせる場面があったそうですが、似たようなことは英語でもできます。

例えば、{動詞 + A of B} という構造を取っている動詞を探していけば、この語順を取る動詞に共通する意味を抽出できるでしょうし、そこでの理解を踏まえれば、初めて見る動詞でも、およその意味を類推できるかもしれません。

英語の規則や語法の知識を得ると同時に、物事を理解していく方法そのものを学んでいると言えそうです。


❏ 教科書・参考書に書かれたことを理解し、思考に活用する練習

また、教科書や参考書に書かれていることを自力で読んで、そこで理解したことを、別の新しい課題を解決するために活用する力を身につけさせることも、普段の英語学習の中でもできるはずです。

教科書や副教材に書かれたことを、生徒に読ませず、先生が丁寧に読み解いて説明してしまえば、そのような力を獲得する機会を生徒は奪われてしまうことにならないでしょうか。

英語に限ったことではありませんが、教科固有の知識を学ぶ中で、生徒は、「体系を支配するルールを見つけたり、学んだりする力」 を養い、「それを他の場面に適用して課題を解決したり、新たな知を得たりする方法」 を学んでいるのだと思います。

これを教える側が忘れてしまうと、学びの価値は大きく損なわれるのではないでしょうか。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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探究活動、課題研究
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