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zoom RSS スライドや板書案を作り込んでおくだけでは…

<<   作成日時 : 2017/08/30 07:54   >>

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説明や指示のわかりやすさと、板書(スライドを含む)や資料が整う度合いとの間には、非常に強固な相関があります。実際のデータに照らしてみても、両者の単相関は0.888と極めて高い値が確認できます。

画像
【板書や資料】 板書やプリントは見やすく整理され、後で見てもわかりやすい。
【指示と説明】 先生の説明はよくわかり、指示にとまどうこともない。(n=1,751)


❏ 必要な情報が固定され、思考が再現できるのは大前提

話を聞いただけでは聞き漏らしたらそれまでですし、少し話が進んだだけで短期記憶は後から入ってきた情報に上書きされます。

いずれも、その先の話を理解するときに結び付けるべきアンカーが失われてしまうということです。

必要な情報を生徒の視野に固定しておくことが、その後の学びを進める土台であるのは間違いありません。

復習時にノートやプリントを見て、「授業で経験した、知識の体系化や課題解決の工程」が再現できることは、生徒の学びを支えます。

しかしながら、板書等が整っていればそれで良しという単純な話でもありません。このあたりについて少し考えてみたいと思います。


❏ 作り込んでおくほど"一方通行なプレゼン"に

先生が事前に用意してきた板書案を、そのまま黒板の上に再現するだけでは、そこには生徒の思考や気づきが入り込む余地がなくなります。

同じことは、パワーポイントなどでスライドを用意しておいたときにも起こりがちです。

想定外の発言を受けて、スライドの設計を組み直すことはできませんので、予定された方向にしか授業が展開できません。

スライドはプレゼンテーションの道具であり、コミュニケーションに最適化された道具ではありません。

「対話的で深い学び」がキーワードとなる次期学習指導要領を待つまでもなく、問いかけて、気づかせ、それを黒板の上に展開・固定していくサイクルはますます重要になります。

ディレクターによる編集が入り完成したビデオを見るのと、掛け合いの中で進んでいくライブぐらいの違いがありそうな気がします。


❏ スライドに組み込まれた「正解」を生徒は探す

スライドを提示しながら、やり取りをするとなれば、スライドの一部を隠して(マスクして)おくなどの方法もなくはありませんが、その場での生徒の発言を反映するのは容易ではありません。

別稿「発言がなかなか出ない/思考が膨らまないとき」で書いた通り、生徒は、正解があると思えばそれを探り当てることに意識を奪われがちです。

先生がある正解を想定していると考えられる場では、その答えを探り当てたという自信がないと、「発言せずに黙っておく」という選択をする生徒も出てきます。

スライドの中で隠されている文字列は、まさに先生が想定している正解ですよね。

正解は何かに意識を奪われ、自由に考え発言することに不安を覚えては、対話を通じた学びの深まりも遠のきます。


❏ その場の目的に応じて道具は使い分ける

スライドは、決まったことを幾度も提示するとき、変更の可能性がないものをスピーディーに提示するときには効果的ですが、発問を介した生徒との対話の場面では、板書に分があるのは自明です。

生徒に何かを考えさせ、その発言を拾い上げようとするときは、スライドから離れて、「生徒の言葉を拾い上げる場としての黒板の前」に位置を写すのが好適です。

学びを軸にICT活用を考えるでも書いた通り、スライドと板書を併用しながら、その場面での目的に応じて適切な道具を使い分けるというのが正解だと思います。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一



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