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zoom RSS 互いの実践を学び、校是たる授業像を作り上げる

<<   作成日時 : 2017/09/06 06:05   >>

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授業改善は教員一人ひとりの仕事であることは間違いありませんが、教科内外での先生方の協働があってこそ、うまく行く/成果が上がるものだと思います。

周囲の先生の優れた手法や工夫に学ぶことなしには、改善に向けた発想も、自分の中に閉じたものとなり、広がりも深まりもないままに凝り固まってしまうリスクを抱え込みます。


❏ 成果を挙げた実践を知り、そこに学ぶ

例えば、公開模試の成績で大きな伸長があったクラスでは、その理由たる何らかの優れた実践があったはずです。

そこで行われている実践や指導の工夫を知る機会を持たずに、自分の担当するクラスでそれまでと同じ指導を続けていたら、目の前にいる生徒は、伸びたクラスと同じ恩恵にあずかることもできません。

そもそも、伸びたクラスがあったのにその所在に気づかないようでは、手法や工夫を知る/学ぶ以前に、かなり手前で立ち止まっているということです。

学校には、様々なデータがあります。それらを優良実践の所在をさぐることに利用できているかどうか、振り返ってみる必要があります。

授業評価アンケートで得意/苦手の生徒意識を定点観測している中で、ある科目を「得意」と答える生徒が増えてきたときにも、その理由を探り、有効と考えられる指導法を共有していく必要があるはずです。


❏ 優良実践の共有が進めば、授業間の差異は縮むはず

授業のやり方は、それぞれの先生方の指導観や学力観(その多くはご自身が生徒だったときに作られ、無意識のうちに再生産されています)を土台にしますので、先生ごとに違ってしまうのが「自然状態」です。

自分の授業に欠けていたものを、同僚の先生の実践に触れ、発想を交換し合う中で補っていくことで、自然状態からより良い状態への脱皮を図る必要があるのは言うまでもありません。

効果を上げているクラスでの授業法、付加価値の大きい指導手法に倣う中で、互いの長所を共有していけば、それぞれの授業に共通するものが増えてくるのは自明です。

先生ごとに授業のやり方がまちまちなままだとしたら、互いの実践からの学び、工夫を重ねた成果を共有する取組がまだ十分でないと考えることができそうです。


❏ 校是としての授業像を確立する必要

生徒や保護者は、担当者が違うことで授業のやり方が大きく異なる(≒受けられる教育に違いが生じる)ことに対してとても敏感です。

スキルに劣る先生の指導を受けている1年間で差がついてしまったら(=遅れが生じたら)という不安や不満は常にあるのでしょう。学校公開時のアンケートを見ても、そうした記述は決して少なくありません。

校是たる授業像が明確にされ、方法に違いはあっても、どの教室でもその理念が等しく実現されていることは、生徒や保護者、地域からの信頼を得るための大前提だと思います。

「授業かくあるべし」とばかりに理念を先行しても、あまり実のあるものにならないかもしれません。

しかしながら、先生方がそれぞれの工夫の中で作り上げてきた優れた手法を共有し、その共通項をもって「校是たる授業像」は自ずと確立に向かうのではないでしょうか。


❏ 高い評価/大きな成果を得た先生からの発信が鍵

大きな成果を得た指導からの学びを加速すると言っても、どんな工夫や取り組みがなされているかは、その授業を担当されているご本人からの発信がなければ伝わりません。

成果が出たときは、どんな取り組みを行い、どんな成果と課題が確認されたかを、教科会などで積極的に発信していきましょう。

改善課題を抱えていた先生方は、その発信に触れて「自分の授業でも取り込めそうだ」と思えば、実際に授業を観に行って具体的なやり方を学べば良いだけの話です。

発信する側にまわった先生にとっても、自分の取り組みと成果・課題を客観視し、言語化しておくことはとても重要です。

大きな成果が上がったにも拘わらず、なにが奏功したか明確にできなければ、別の環境で成功を再現できなくなることだってあります。

説明の言葉にしてみることで、見落としていたことに気付くこともあれば、更なる発展へのヒントも得られます。


❏ 授業改善という課題に協働で取り組む姿を見せる

21世紀型学力という言葉で、協働性・多様性・主体性を育む必要性が高まってきている中、そのモデルを先生方の行動の中に見せていくのはとても大切なことのような気がします。

授業改善という課題の解決に、先生方が協働で立ち向かう姿、(様々な授業観が入り混じる)多様性の中で、取るべき行動を建設的に判断し、積極的に学んでいる姿を生徒に見せることは、「ついていくべき背中を見せること」なのかもしれません。

より良い授業を実現するためには、授業技術や教育手法に加えて、土台たる各教科の専門教養を高める必要があるのは言うまでもありません。これらの研鑽に、先生方がチームで取り組んでいる姿を、生徒に見せることもまた、大きな教育効果を持ち得るのではないでしょうか。



ずいぶん昔に恩師が引退するときに、「学び続けてこそ、人に教える資格を持つ」と教えられたのを思い出しました。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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