しっかり負荷をかけてこそ学びに十分な手応えが
以前の記事でもお伝えした通り、授業内容や課題の難易度について生徒が「ちょうどよい」と答える水準に設定していては、生徒の学力を十分に伸ばすことはできません。少し難しいと感じるぐらいの負荷をかけてこそ伸びこぼしを防ぎますし、ハードルを乗り越えようとする中で、生徒の「学ぶ力」も鍛えられるのではないでしょうか。
❏ 適正な負荷が掛からないと学びの手応えが希薄になる
下表は、その科目を得意と感じている生徒と、苦手と感じる生徒の回答を分け、授業内容や課題の難易度についての回答毎に、学習効果(学力や技能の向上や自分の進歩を感じるか:100点満点に換算)の平均値を算出してみた結果です。
苦手意識を持つ生徒は、難しいと感じ始めると、とたんに学力の向上を実感できなくなりますが、それ以外の生徒はしっかりと負荷が掛かった状態でこそ、自分の力が伸びることを実感できます。
わかりやすく、平均値だけ抽出してグラフ化するとこんな形です。
特に、その科目が得意な生徒にとっては、ちょっときつめのハードルに挑んでこそ自分の進歩を確かめられるということだと思います。
❏ 夏の成長で、1学期とは違う感じ方をしているかも
2学期になり、夏の成果を携えて生徒は教室に来ています。
弱点を克服してきた生徒もいれば、学び方を身につけた生徒もいるはず。逆にさぼってしまって1学期にできていた良い習慣を失っている生徒もいるかもしれません。
学習内容や教材の難易度についても1学期とは感じ方が変わっているという前提で観察に努める必要があります。。
リフレクションシートや小テストの余白でミニアンケートを行い、教材や課題の難易度をどう感じて、科目への得意/苦手をどう意識しているか確かめておきましょう。
「適切な負荷」という点での授業設計には、生徒自身の感じ方を捉えておく必要があることは言うまでもありません。
❏ 負荷の調整は、任意課題を用いて複線的に
難しすぎるという生徒が多い場合は、それまでクラス全体の学習目標にしていたものから一部を切り出し、上位生むけの挑戦課題に切り替えるのが好適です。
易しいと答える生徒が多くいたら、生徒が演習や課題に取り組んでいる間に、様子を見ながら黒板の片隅にプラスαの一問を書き出して、「もう一歩」を求めていくようにしてはどうでしょうか。
クラス全体での目標水準を調整しようとすると、往々にして行き過ぎを起こします。
生徒間の学力や学ぶ力にも差があるので、ひとつの目標に全員で挑むのが合理的とも思いません。
負荷の調整に当たっては、任意課題を上手に使うことと、複線的なゴールを設けることが大切です。
関連記事のまとめページはこちらから:
難易度の調整、適正な負荷
学力差、苦手意識への対応
上のグラフからもわかる通り、苦手意識を抱えている生徒は、なかなか学力向上感を得られない傾向にあります。しかしながら、もしからしたら、その苦手意識は本来ならば持たなくてよかったかもしれません。こちらの記事も併せてお読みいただければ幸いです。
不要な苦手意識を抱かせない
教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一
❏ 適正な負荷が掛からないと学びの手応えが希薄になる
下表は、その科目を得意と感じている生徒と、苦手と感じる生徒の回答を分け、授業内容や課題の難易度についての回答毎に、学習効果(学力や技能の向上や自分の進歩を感じるか:100点満点に換算)の平均値を算出してみた結果です。
苦手意識を持つ生徒は、難しいと感じ始めると、とたんに学力の向上を実感できなくなりますが、それ以外の生徒はしっかりと負荷が掛かった状態でこそ、自分の力が伸びることを実感できます。
わかりやすく、平均値だけ抽出してグラフ化するとこんな形です。
特に、その科目が得意な生徒にとっては、ちょっときつめのハードルに挑んでこそ自分の進歩を確かめられるということだと思います。
❏ 夏の成長で、1学期とは違う感じ方をしているかも
2学期になり、夏の成果を携えて生徒は教室に来ています。
弱点を克服してきた生徒もいれば、学び方を身につけた生徒もいるはず。逆にさぼってしまって1学期にできていた良い習慣を失っている生徒もいるかもしれません。
学習内容や教材の難易度についても1学期とは感じ方が変わっているという前提で観察に努める必要があります。。
リフレクションシートや小テストの余白でミニアンケートを行い、教材や課題の難易度をどう感じて、科目への得意/苦手をどう意識しているか確かめておきましょう。
「適切な負荷」という点での授業設計には、生徒自身の感じ方を捉えておく必要があることは言うまでもありません。
❏ 負荷の調整は、任意課題を用いて複線的に
難しすぎるという生徒が多い場合は、それまでクラス全体の学習目標にしていたものから一部を切り出し、上位生むけの挑戦課題に切り替えるのが好適です。
易しいと答える生徒が多くいたら、生徒が演習や課題に取り組んでいる間に、様子を見ながら黒板の片隅にプラスαの一問を書き出して、「もう一歩」を求めていくようにしてはどうでしょうか。
クラス全体での目標水準を調整しようとすると、往々にして行き過ぎを起こします。
生徒間の学力や学ぶ力にも差があるので、ひとつの目標に全員で挑むのが合理的とも思いません。
負荷の調整に当たっては、任意課題を上手に使うことと、複線的なゴールを設けることが大切です。
関連記事のまとめページはこちらから:
難易度の調整、適正な負荷
学力差、苦手意識への対応
上のグラフからもわかる通り、苦手意識を抱えている生徒は、なかなか学力向上感を得られない傾向にあります。しかしながら、もしからしたら、その苦手意識は本来ならば持たなくてよかったかもしれません。こちらの記事も併せてお読みいただければ幸いです。
不要な苦手意識を抱かせない
授業を通して学力の向上や自分の進歩を十分に感じ取っているのに、その科目が得意か苦手かと訊かれると「苦手」 だと答える生徒が思いのほか多くいます。苦手意識を抱えていると、与えられたことを超えて積極的に挑もうとする意欲を見せなかったり、少しでもわからないことがあるとそこで立ち止まってしまったりします。不要な苦手意識は持たせないようにしたいところ。原因をいくつかの類型にまとめ、それぞれ対策を考えてみました。