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zoom RSS 研究授業の実りをより大きくするために(その1)

<<   作成日時 : 2017/10/25 07:47   >>

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授業改善を目的とする取組のひとつに研究授業があります。複数の先生が同じ授業を参観した後で研究協議に臨むという枠組みは同じですが、後半の研究協議のやり方次第では、より良い授業の実践に向けて得られる知見(=研究授業の成果)には大きな違いが生じます。


❏ 効果の上がる研究授業、形だけで終わる研究授業

せっかく協議の場を持っても、「素晴らしい授業を見せていただき有難うございました+α」で終始しては、徒労感しか残らず、授業研究を継続していく意欲もわかないのではないでしょうか。

その一方で、協議の中で先生方が互いの気づきを活発に交換し、授業改善への着想と手法が着実に蓄積されていく場面を見ることも少なくありません。

時には、次に向けて研究テーマが共有され、それぞれの先生が自校にテーマを持ち帰り、その成果を次回の研究授業で確認し合うような運用がなされているケースも見られます。

多忙な校務の中、大きな時間とエネルギーを投じて行う研究授業です。少しでも実りが大きくなるよう、手順の一つひとつについて目的と方法をしっかり考えていきたいと思います。


❏ まずは参観者のあいだで気づきの交換&共有

同じ授業を観ても、それぞれの参観者のバックグラウンドにより、気づくポイントが異なります。

互いの気づきを交換することで、単なる足し算ではなく、気づきどうしが結び付き合ってひとつの授業から得られる学びが何倍にも膨れ上がります。

しかしながら、単に参加者全員に順番に感想を述べるというよくあるパターンでは、「ここまで言ってよいのか」「自分の見立ては正しいのか」という遠慮や不安から、突っ込んだ発言は出にくいものです。

ましてや、他の参加者の発言に触れて新たに芽生えた気づきを得ても、発言の順番を待たなければならずタイミングを逸します。もし既に自分の順番が終わっていたら、発言のチャンスは回ってきません。

全員で順番にというステージの前に、まずは小さなグループでアイスブレイクを兼ねた意見交換を済ませておくのが好適です。


❏ それぞれ参観メモを起こして回し読み

初期段階としての小グループでの意見交換も、効率的に行おうとすると多少の工夫は必要です。

忙しい合間を縫って研究授業を開催する以上、アイスブレイクも協議の入り口作りを兼ねたいところ。

授業参観が終わったら、研究協議までの休み時間のうちに参観メモを起こしておいてもらい、グループ内でメモの回し読みからスタートするのも奨めです。

順番に発言してもらうより短時間で済みますし、耳で聞いただけの場合より意図を汲みながら読む余裕も持てますし、目でも確かめていますので記憶にも残ります。

また、メモを起草する中で、参観からの気づきを整理し、考えたことを補足することもできるので、起草者本人も参観した授業からの学びが深くなるという効果もあります。


❏ 成否を決めるのは参観メモのフォーマット

参観メモは、ある程度まで項目を決めておくのが好適です。

項目が指定されていた方が所見をまとめるのに焦点を設けやすくなります。問われたことで記憶を引き出すきっかけを得るとともに、考えに整理が進む効果もあるはずです。

研究テーマが予め決まっているケースなら、テーマに即した所見を書く欄と、それ以外の気づきを書く欄とを分けておきましょう。所定のテーマ以外にも気づきは沢山あるはずです。

特にテーマが決まっていないときは、参観した授業への所見に加えて、「現在、自分が取り組んでいる授業改善のテーマ」という欄を設ければ、自己紹介を兼ねることもできます。

いずれの場合でも、必ず書いてもらうべき事柄は、
  1. 本時の授業でとくによかった/効果的だと思えた工夫
  2. その工夫が学習にどのような効果をもたらし得るか
  3. 自分が担当する授業に採り入れるなら、どうアレンジしたいか
といったところでしょうか。

協議の冒頭で自己紹介を行うことが多いと思いますが、相手の所属校や教職経験などを聞いても、どんな人で何に興味を持っているかなどの想像はあまり深まりません。

取り組んでいる課題がわかれば相手への理解も進み、有意な協議を行う土台が整うはずですし、互いの取組に共感を覚えれば、協働に向けた意欲も高まります。


❏ 発表に備えてグループ討議の結果をまとめていく

メモを回し読みをしたら、書かれていたことについて互いに質問をしあったり、自分が書いたことを補足したりしながら、グループとしての発表内容をまとめてもらいます。

如上の通り、人はそれぞれのバックグラウンドに照らして見たものを解釈しますので、グループで一つの見解にまとまるとはかぎりません。その場合は、いくつかのポイントに分けて整理していきましょう。

各グループの発表には時間の制限がありますので、それに収めようとすれば、自ずと優先順位を設けることになり、交換を通じて膨らんだ気づきの整理・統合が図られていくはずです。

ここまで進めることができたら、次はグループ代表者による発表です。


その2に続く。

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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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