その宿題、本当に必要ですか?#INDEX

宿題や課題は、生徒の力を伸ばそうという先生方の気持ちの現れであるため、ときとしてあれもこれもと与えてしまい膨張の一途をたどることもあります。こなしきれない量の宿題は、生徒に「仕上げきることの喜び」を学習する機会を奪う可能性もあります。

与えた宿題・課題は、それ自体がもたらした効果をきちんと測定し、選別していく必要があるのではないでしょうか。


知識の拡張は、生徒の興味や進路希望によって必要となる範囲が異なるはずなのに、最大限の網をかけて全員に課しては効果を上回るリスクを引き寄せます。

また、定着を図ることだけに目を向けてはインプットの不備に気づく機会や学びを深める機能を損ねる可能性もあります。

宿題や課題のタイプ分けを認識した上で、それぞれのバランスを整えることが重要です。

その宿題、本当に必要ですか?(その1)
最大公約数で課題を選定すると…
知識の拡張範囲は進路希望に応じて複線的に
宿題には3つのタイプがある
課題選択の優先順位はCタイプが最上位
参照型教材や単語集は主教材を学びながら使い込ませる


また、卒業までの期間に与える課題の総量が同じであっても、配列や時期、取り組ませ方を工夫するだけでも、無駄を減らし生徒の負担を抑えることも可能です。

カリキュラムのスパイラルを念頭に、どのように重ね塗りや拡張を図るかを念頭に置くべきです。

併せて、与えたものは仕上げさせなければなりません。いかに履行率を高めるかにも十分な意識を向けましょう。

その宿題、本当に必要ですか? (その2)
授業で学んだことを使うタイプの宿題を中心に
無理に機会を作らずとも、他の学習機会が利用できる
最大公約数的な課題付与、学習時間延伸の自己目的化
履行率を高め、仕上げ切らせることを優先する
「やりかけ」の状態を作ることが履行率アップの鍵
仮のアウトプットで理解の確認と記憶の再記銘


これまでに与えてきた宿題や課題のひとつ一つについて、効果を検証してみる必要があるのではないでしょうか。

効果測定には、履行率と所期の目標の達成という二つの観点をきちんと設けることで、作戦ミスと実行ミスの切り分けも容易になります。

これまで課してきた宿題・課題を引き上げることには躊躇もあろうかと思います。与えるものを減らしたことで受験に不利になったらという不安もあるでしょう。

しかしながら、ある時期に与える課題が過度に膨らめば、仕上げ切れない生徒が増えて、次に進んだ時のレディネスが整わなくなります。

だからこそ、精選が必要であり、一つひとつの宿題・課題に期待できる効果を確かめなくてはなりません。

生徒の学力(結果学力、学習意欲、学習方策)の向上に確実な効果のあるものに絞り込むことで、個々の生徒が自分の進路希望の実現に必要な学びに十分な時間とエネルギーを投じる余地が残せるはずです。

その宿題、本当に必要ですか? (その3)
宿題・課題の履行状態×目標の達成状態
同じ課題を与えても事前指導によって結果は違う
作戦ミスと実行ミスの切り分けを
やらせたことはきちんと効果を測る
知識の拡充と定着を図る課題でも
やらせる以上、最も効果の上がる方法を選ぶ


以下は、このシリーズの中で言及した関連記事です。お時間の許すことがあれば、是非ともご高覧いただきたく存じます。
  1. 荷物を増やしても、学びが膨らむとは限らない
  2. 副教材、こなしきれていますか?
  3. 教科間で行う、課題量の把握と調整
  4. 参照型教材を徹底して使い倒す
  5. やりきらずに放置してきたことを仕上げさせる<./a>
  6. 教室は、興味が生まれる瞬間を体験して学ばせる場
  7. 知識をどこまで拡張するかは個々のニーズに合わせて
  8. 認知の網の広げ方~5教科7科目をきちんと学ぶ


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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