現場で頑張る先生方を応援します!

アクセスカウンタ

zoom RSS 前年度の指導に起因する学習指導上の課題

<<   作成日時 : 2019/01/22 07:24   >>

トラックバック 6 / コメント 0

あるクラスを担当していて、学習指導がうまく行かない場合、その原因が前年度までに生徒たちが受けていた授業に存在する場合があります。既習事項の習熟が不十分であれば、学び直しに時間がかかり本時の学びが十分に深められないこともありますし、固まっていない土台の上に新たな知識を積もうとしてもうまく行くとは思えません。

授業改善に向けた改善計画を練るときに、自学年での課題と前学年での指導改善で解決を図るべき課題とをきちんと切り分けるべきです。

2017/10/10 公開の記事をアップデートしました。


❏ 結果学力の不足に加え、学習方策や学びへの自己肯定感も

不足するのは、教科固有の知識・技能だけではありません。

必要な学習方策を身につけていなければ、いつまでも「手引き」を続ける中で、生徒自身による学びは加速しません。

学び方における守破離を念頭に、学習者としての自立に向かう成長を促すことが大切です。

また、学びに対する自己効力感が薄ければ、積極的な学びの姿勢を示してくれないのではないでしょうか。

時間を巻き戻すことはできませんので、如上の問題が見受けられたら今担当している授業の中で何とかしていく必要がありますが、根源にある原因を解消しないことには来年度以降も同じ問題を繰り返します。

既習内容の理解、学年に応じた学習方策、学びに向かう姿勢/自己肯定感といった観点を定め、次学年の指導にスムーズな引き渡しができているか、常に意識して確かめていきましょう。


❏ 理解の軸、核となる知識に重点を当てる

既習内容の理解が不足する場合は、"既習内容の確認は、問い掛けで"で書いた通り、問い掛けて教科書やノートの該当ページを開かせるのが、既習内容の定着を確かめ、土台となる知識・理解を固める上での最善手ですが、この方法でカバーできる範囲には限界があります。

記憶があいまいになっていたり忘れかけていたりするだけなら十分な効果が得られますが、既習単元の学びの中で核となる理解が形成されていなかったらアウトです。

既習単元を学ばせたときに、知識拡充に偏っては、次の単元に進んだ時の土台の中心になる理解がしっかり固まりません。

ある学年/学期での指導を計画するとき、次の学年/学期での学びにどのように繋がるかをはっきりとイメージした上で、学習内容の選択、重点の置き方を選択する必要があります。


❏ 学習方策の獲得も、教科学習指導の重要目標

周辺知識の拡充が不十分なだけなら、参照型教材を併用することで、次に進んだ学びをサポートができますが、普段から参照型教材(辞書、用語集、参考書)をきっちり使い込ませて、自分のものにさせておかなければ、この手段も使えなくなってしまいます。

丁寧に教えて理解させ、知識への参照はすべて先生が肩代わりというのでは、生徒は学び方を学ぶ機会を奪われていることになります。

教科固有の知識・技能を学ぶ中で、生徒は何を身につけていくべきなのか/何を獲得させるべきなのか、しっかり考えて目標として教員間で共有しておくことが大切です。

当然ながら、これらは「目標」なので達成検証を行う必要があります。

行動評価の規準を文字に起こし、定期的に点検・評価を行いつつ、教員間で共有する「こだわり」として、常に意識しましょう。

 ■ 学習方策は課題解決を通して身につく
 ■ 自ら学び続けられる生徒を育てる


❏ 学びへの自己効力感と学びの方略へのメタ認知

いわゆる結果学力と学習方策に加えて、科目の学びに対する自己効力感を高く維持することも大切です。

伸びている実感を欠けば、学び続ける意欲を維持できず、履修科目の選択に際して「その科目を使わずに実現できる進路」に流れていきます。

苦手意識を膨らませていないか、学び方が身についてきたと感じているかは、生徒自身に訊いてみないと把握できませんが、これらを定量的なデータとして手元に整え、後手を踏まない指導を心掛けたいものです。

苦手意識を生徒が抱え込んでから、対症療法的に難易度などの負荷を下げても意識改善の効果が期待できません。次の学年に引き渡すまでに如何に学びへの自己効力感を維持させるかは重要な課題です。

 ■ 難易度からの得意・苦手の意識が受ける影響

ある課題に挑んで「解けなかった」という失敗を経験しても、「どうやればよかったか」を考え、次の機会の再チャレンジで成功を体験できれば、そうそう苦手意識は膨らまないし、その科目を嫌いになることもすくないのではないでしょうか。

 ■ 勉強を好きにさせる学ばせ方


"学年・校種の指導を正しく繋ぐ"のインデックスへ


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(6件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
授業改善行動の実効性を高めるために#INDEX
授業評価アンケートの集計結果や成績データなどから授業改善の課題が特定されたとしても、それだけでは改善に向かう具体的な行動も描き出させません。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2017/10/16 06:26
学年・校種の指導を正しく繋ぐ
教科学習指導にしても、進路指導や生活指導にしても、単年度で指導が完結するわけではありません。ある学年での指導は、その次に進んだ時に必要になる事柄を獲得させる準備でもあり、また、前年度までの指導で達成できなかった指導目標の補完をする機会でもあります。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2017/10/19 06:24
異校種間での指導を繋ぐ
1 校種間連携で行う授業改善1.0 校種間連携で行う授業改善(研究授業&出前講義) 1.1 校種間連携でできること(その1) 1.2 校種間連携でできること(その2) 1.3 校種間連携でできること(その3) 1.4 校種間連携でできること(その4) 1.5 校種間連携でできること(その5) 1.6 異校種連携で行う授業研究の必要性 2 小中高合同研究授業をお訪ねして2.1 小中高合同研究授業をお訪ねして(その1) 2.2 小中高合同研究授業をお訪ねして(その2) 2.3... ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2017/10/19 07:50
カリキュラム・年間指導計画
1 シラバスの起草・更新に際して1.0 シラバスの起草・更新に際して(序) 1.1 その1 まずは全体を見渡したグランドデザインを 1.2 その2 指導計画立案の前に検証可能な目標の設定 1.3 その3 副教材の取り扱いや学ばせ方のすり合わせ 1.4 その4 使いながら記録を残してブラッシュアップ 1.5 シラバスを熟読・活用することには効果あり 1.6 評価規準は使いながらブラッシュアップ 2 教科学習指導における数値目標のあり方2.0 教科学習指導における数値目標... ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2017/12/11 08:59
参照型教材を徹底して使い倒す#INDEX
知識の拡充に先走らず、教科書ベースで理解の軸をじっくり作りつつ、参照型教材を導入期から常に手元に置かせ頻繁に参照させることで必要な知識もがっちり固めて行きましょう。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2018/03/12 07:19
生徒は何ができるか〜指導計画立案の前に
来年度の教育活動の最終設計に入る前に、確実に行っておきたいことのひとつに、「これまでの指導を通して生徒は何をできるようになっているか」の点検です。指導とは、現状と目標の差分を解消する活動ですので、目標をしっかり定めるのと同時に、現時点で知っていること/出来ていることをきちんと把握しないことには、指導を正しく設計することはできません。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2019/01/18 07:36

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文
前年度の指導に起因する学習指導上の課題 現場で頑張る先生方を応援します!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる