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zoom RSS 学ばせ方の転換で、家庭学習の充実が求められる

<<   作成日時 : 2017/12/26 08:00   >>

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2020年対応型の"予・復習と授業のサイクル"で書いた通り、新しい学力観に沿って、学ばせ方や授業デザインの転換を図る中で、当然ながら、予習や復習、授業外課題の位置づけや取り組ませ方も変わってきます。

教室の中で対話を通じて学びを深め、課題解決に取り組む協働の場での言語能力を高めるには、生徒側での準備が整っている必要があります。

また、協働学習を"集団としての調和"で終わらせないよう、教室を離れてじっくりと"学びの仕上げ"に取り組ませなければなりません。


❏ 課題の履行率を高く保つ前提条件は具体的な課題付与

これまでも家庭学習時間の延伸/確保には様々な取り組みが見られましたが、予習を通した授業への備え/復習における課題の仕上げについて履行率を高く保つことの重要性は今後ますます大きくなりそうです。

家庭学習にきちんと取り組ませるには、具体的で達成可能性が担保された課題が欠かせません。

中学、高校、大学と校種を問わず、具体的な課題指示がなされているかどうかと家庭学習時間との間には、かなりはっきりした相関がデータで確かめられています。


❏ 履行を妨げる要因を切り分けて、ひとつ一つ解消する

しかしながら、高相関とは言え、散布図を描いてみると近似線から離れる(課題付与の状況から予測される家庭学習時間と実測値が大きく異なる)ケースはどのデータにも含まれます。

実際の教室を覗きながらデータに照らして観察していると、相関を乱す要因は大きく分けて、
  • 教室を離れる前に、課題に取り組む準備が整っているか
  • 課題に取り組む必要と意味を生徒/学生が実感できるか
の2つが大半を占めていることがわかります。


❏ 終業時に行う"仮のアウトプット"

前者は、授業を終えるときにアウトプット(=仮の答案の書き出し)をさせて不明点を洗い出させることで、知識や発想といった"材料"の確保を図ったり、解決への方針を話し合うことで多様なアプローチを吟味させたりするのが有効な対策になります。

そもそも、わかっていないことがあることに気付き、それを解消したいと思わなければ、"学ぶことへの自分の理由"は存在しません。

自力で不明の解消に取り組む中で、その方策を身につけていくことも大切な"指導目標"です。やらせなければできるようになりません。

やってこなかった生徒に再テストで"絆創膏を貼る"ような指導を重ねても、不明解消や調査の方法を身につけさせることも、その楽しさを学ばせることも難しいのではないでしょうか。


❏ チームへの貢献という要素を組み込む

後者の場合、自分のための努力や勉強という位置づけでは、生徒の側には常に、さぼる/やらないという選択肢が残っていることを念頭に対策を講じる必要があります。

さぼるという選択に対抗するために、外圧の強化(再テストなどのペナルティ)を図るというのでは、面白くありませんし、なんだか殺伐としたものも感じます。

如上の「やりかけ」の状態を作ることで、「仕上げたい」という欲求を刺激しておくのは、課題の履行率向上に大きく寄与します。

また、反転学習的な学習サイクルの中で、生徒一人ひとりが行う授業準備にチームやペアに対する貢献という要素を含ませることも有効な対策になるはずです。

周囲を巻き込むとなれば、そう簡単にはさぼれません。

こうした経験を重ねる中で、コミュニティの中で自分の役割を果たす責任を学ばせ、役割を果たしきった充足感や喜びを積み上げていくことは、社会に出たときの参画意識や責任感の土台にもなりそうです。



追記:

ジャンル別記事インデックス"予習・復習、課題のあり方""に、2020年対応型の"予・復習と授業のサイクル"(全4編)を追加して記事リストを更新しました。お時間の許すときにご高覧ください。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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