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zoom RSS 指導の成果を確かなものに(その1)〜出願指導を例に

<<   作成日時 : 2017/12/14 07:37   >>

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指導計画をどれだけ綿密に立案し、組織体制を整えたとしても、計画が期待通りの成果に結ばないことは少なくありません。たとえ計画自体が遅滞なく正確に実行されてもです。実施する人のスキルや知識が追い付かないこと、計画を立てたときに想定した初期状態が知らぬ間に変化していることの2つが主因です。

指導計画が設計通りの性能を発揮する(=所期の成果に結びつく)には、計画の各フェイズに臨む際に、
  • 実行者(教員)が十分な知識とスキルを備えているか
  • 対象者(生徒)の状況に計画立案時の想定と違いがないか
という2つの前提条件を確かめ、必要な補完を図ることが不可欠です。


❏ 情報の所在を知り、資料の使い方に習熟する

指導場面ごとに必要な知識と情報が整っていないことには、どうしようもありません。海図を持たない水先案内人には確実で安全な運航は約束できないのと同じです。

例えば、これからの時期だと、センター試験の結果が返ってきてからの出願指導などがありますが、正確な情報に基づいた指導が求められるのは言うまでもありません。

入試が複雑化する中、すべての情報を頭に入れておくのは、専門職でも容易ではなく、どんな資料が存在し、それらをどう使えば良いか、いわゆる"受験情報リテラシー"を高めておく必要があります。

また、生徒が志望する可能性がある大学群に関する大きなニュースなどは、予め頭に入れておかないと、いざというとき認識の網にかからず調べる必要さえ感じ取ることができません。

進路指導部を中心に、学年教員団への事前研修を計画しておくことになりますが、資料が届いてからでは十分な時間はなさそうです。過年度に使用した資料なども活用して少し時間をかけた準備が必要です。


❏ 問題の切り分け方と指導方針をケーススタディで

知識や情報が十分でも、それだけで適切な指導ができるとは限りません。状況の把握/問題の切り分けのスキルも大切です。

受験直前期になって自信を失くしたり、集中できなかったりする生徒が出てきた場合に、状況に応じた対応が求められます。

問題の切り分けがうまくできることが、指導選択のカギです。

生徒との対話の中で原因を特定したり、それまでの面談記録や模試成績などに照らして適切な判断をしなければなりません。

過年度生をモデルにしたケーススタディを通して、問題の切り分け方を知ると同時に、状況ごとの指導方針を十分に話し合って共有しておくための場が必要です。

センターリサーチの結果が届いてからの研修では時間が足りません。年末年始を挟み、多忙な日々とは存じますが、事前研修をどこで設けることになっているか、今のうちに確認しておくべきだと思います。


❏ 目的とするところ/指導方針の共有

出願校指導は、進路指導部なり、学年進路なりが立案して、学年教員団が実行するものですが、決められた手順に従い指導を行うことが目的ではないはずです。

生徒一人ひとりが能力を最大限に発揮でき、希望の実現に接近できる環境を手に入れさせることを目的に行う指導であるはずです。

学校によって進路指導の方針は様々ですが、出願指導における基本的な考え方を、今一度教員間で確かめておく必要もあろうかと存じます。

すでに共有されているとの思い込みが、指導の成果を不確かなものにするリスクを招きます。


❏ 様々な立場からの見立ても参考に

出願先が決まればOKというわけではありません。個々の生徒について様々な立場で指導に当たってきた複数の先生方の見立てを持ち寄り、最善の選択をしたいもの。

生徒によっては「合格できる大学を選ぶ」ことが、能力発揮の機会を損ねることになるかもしれませんし、逆に第一志望に拘泥することがマイナスに作用することもあります。

センター試験の結果が戻ってから検討するのでは、時間が足りなくなるのは目に見えています。

気がかりな生徒については、志望理由の形成過程をレコード(面談記録など)に照らして確かめておくとともに、教科担当など身近なところで指導に当たってきた先生からも意見を聞いておくのも大切なことではないでしょうか。

また、リサーチの結果が戻ってからも、いざというときに教員間で情報を交換したり、相談したりできる環境を作っておくのも事前準備のひとつです。

❏ メンテナンスとトレーニング

出願指導は、担当する先生方の経験則に基づいて行われることも少なくないようです。

はじめて受験学年を持ったり、違うタイプの学校から転勤してきたりした頼るべき経験に乏しい先生については言うまでもなく、経験豊かな先生方にも、情報のアップデートと方針の再確認は欠かせないものです。

1月後に迫るメンテナンスとトレーニングの機会がしっかり用意できているか、確認すべきは今を置いてほかにないと思います。

進路指導部、学年進路、学年団が集まる機会の確保と、そこで何を確認し、どういった情報を共有するか、少なくとも計画の再確認までは完了してから終業式を迎えたいものです。



目の前に迫っている、センター試験後の指導を例に考えてみました。

指導計画が設計通りの性能をはっきするためにメンテナンスとトレーニングが欠かせないのは、4月に始まる新年度の指導を考えるときにも当てはまります。次稿では、この辺りを考えてみます。

その2に続く。

教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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指導の成果を確かなものに(その2)〜新入生を迎える
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