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zoom RSS 出願指導に向けて〜事前研修とデータの確認

<<   作成日時 : 2019/01/08 06:05   >>

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センター試験が終わるといよいよ出願指導です。自己採点結果が揃ってから指導計画は万全でしょうか。どれほど綿密に練った計画も、実施に移すと意図通りに進まないこともあります。その主な原因は、実際に指導に当たる担当者のスキルや知識が追い付かなかったり、個々の生徒の置かれた状況が事前の想定と異なったりすることです。

受験本番を控えた待ったなしの局面で、指導計画に設計通りの性能を発揮させる(=所期の成果を着実に引き出す)ためには、
  • 実行者(教員)が十分な知識とスキルを備えているか
  • 対象者(生徒)の状況に、事前の想定と違いがないか
を予め確かめておき、必要な補完を図れる態勢が不可欠です。

2017/12/14 公開の記事をアップデートしました。
旧タイトル: 指導の成果を確かなものに(その1)〜出願指導を例に


❏ 情報の所在を知り、資料の使い方に習熟する

指導場面ごとに必要な知識と情報が整っていないことには、どうしようもありません。海図を持たない水先案内人には確実で安全な運航は約束できないのと同じです。

センター試験の自己採点結果が揃ってからの出願指導は、短期間に多くの生徒を対象に行いますので、事前準備は何よりも大切です。

正確な情報に基づいた指導が、担当者による違いなく行える態勢が整っているかは、センター試験の前に是非とも確かめておきましょう。

入試が複雑化する中、すべての情報を頭に入れておくのは、専門職でも容易ではりません。どんな資料が存在し、それらをどう使えば良いかがわかっていることこそ優先すべきです。

必要なことを覚えてもらうことより、必要に際して適切な資料・データにアクセスできる、いわゆる"受験情報リテラシー"を高めておくことに注力しましょう。

進路指導部を中心に、学年教員団への事前研修を計画しておくことになりますが、資料が届いてからでは十分な時間はなさそうです。過年度に使用した資料なども活用して少し時間をかけた"勉強"が必要です。

また、生徒が志望する可能性がある大学群に関する大きなニュースなどは、予め頭に入れておかないと、いざというとき認知の網にかからず、調べる必要さえ感じ取ることができません。

これまでの面談票や志望大学一覧を参考に、対象となる大学をピックアップしてこれまでの情報をチェックしておく必要があります。


❏ 問題の切り分け方と指導方針をケーススタディで

適切な指導を実現するには、受験に関する情報やその活用リタラシーに加えて、個々の生徒の状況を把握するすべや、判断に迷ったときの問題の切り分けスキルも求められます。

受験期に生徒が抱える問題は様々です。

直前期になって自信を失くしたり、集中できなかったりする生徒もいれば、センターの本番で思わぬ失敗をする生徒もいます。センター以降の気持ちの切り替えがうまくいかない生徒もいるでしょう。

目の前の生徒が、今どんな問題を抱えているのかを知るには、生徒の行動や発言のどこに着目して観察すべきかを知らなければなりません。

問題の切り分けがうまくできなければ、状況に応じた対応は不可能ですし、問題が特定できてもそこで切るべきカードを手札の中に揃えておかないと適切な指導が選択できません。

過年度生をモデルにしたケーススタディを通して、問題の切り分け方を学ぶと同時に、状況ごとの指導方針を十分に話し合って共有しておくための研修は不可欠です。

センターリサーチの結果が届いてからの研修では時間が足りません。事前研修をどこで設けることになっているか、確認しておきましょう。


❏ 目的とするところ/指導方針の共有

出願校指導は、進路指導部なり、学年進路なりが立案して、学年教員団が実行するものですが、決められた手順に従い指導を行うことが目的ではないのは当然です。

指導には、どんな場面であっても、その上位に「目的」とするものがあり、出願指導であれば「生徒一人ひとりが能力を最大限に発揮でき、希望の実現に接近できる環境を手に入れさせること」がそれに当たるのではないでしょうか。

その目的をきちんと共有しておかないと、指導にあたっての方針やこだわりにもばらつきが生じてしまいます。

出願指導における基本的な考え方や方針を、今一度教員間で確かめておき、コンセンサスとして確立しておく必要もあろうかと存じます。

指導方針はすでに共有されているとの思い込みが、指導の成果を不確かなものにするリスクを招きます。本番を控えた局面では、もう一度確認しておくべきではないでしょうか。


❏ 様々な立場からの見立ても参考に、個々の指導を最適化

如上の上位目的の下でも、個々の生徒の特性や事情によっては、取るべき選択が異なることがあります。

生徒によっては「合格できる大学を選ぶ」ことが、能力発揮の機会を損ねることになるかもしれませんし、「第一志望に拘泥する」ことがマイナスに作用しそうなケースもあります。

個々の生徒について様々な立場で指導に当たってきた複数の先生方の見立てを持ち寄り、最善の選択をしたいもの。

進路希望を具体化させるまでのプロセスを踏まえた判断ができるよう、これまでの面談記録などにも改めて目を通しておきたいところです。

見立ての持ち寄りやプロセスの振り返りといった検討と確認に、センター試験の結果が戻ってから臨むのでは、時間が足りなくなるのは目に見えています。

気がかりな生徒を中心に、志望理由の形成過程をレコード(面談記録など)で確かめておくとともに、身近なところでその生徒の指導に当たってきた先生からも意見を聞いておきましょう。

また、自己採点結果が出た後、いざというときに教員間で情報を交換したり、相談したりできる環境を作っておくのも大切な事前準備のひとつです。


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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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