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zoom RSS 指導の成果を確かなものに(その2)〜新入生を迎える

<<   作成日時 : 2017/12/15 07:33   >>

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指導計画が設計通りの性能を発揮するには、計画の実行者である教員が十分な知識とスキルを備えているかを確かめて不足を補っておく必要がありますが、対象者である生徒の実態が計画立案時の想定と相違ないかの確認も欠かせないはずです。


❏ 対象者の正しい理解が指導選択の大前提

2020年入試に初めて挑む学年を迎えるに当たり、新しい学力観に沿った指導への転換を図るのは当然ですが、相手の状況を知らずに、教える側での手順ばかりを考えても仕方ありませんよね。

入学してくる生徒が、これまでにどんな学び方をしてどんな能力やスキルを身につけているか知らないことには、既に経験して身につけたことを無駄に重ねさたり、前提を欠いたことに挑ませてしまったりします。

貴重な3年間を無駄にするわけにはいきませんし、何より退屈させたり、無理難題に挫けさせてしまったりしては生徒のプラスになりません。


❏ 小中学校の授業も変化している

高大接続改革に向けて大きく変わろうとしているのは、大学入試や"改革の本丸"とされる高等学校での教育活動だけではありません。

小学校や中学校でもすでに新しい意欲的な取り組みが始まっています。教室を覗いてみると、10年前の教室とはずいぶん違った様子に驚かされることしばしばです。

入学してくる生徒がどんなことができるようになっているのか、すべてを把握するのは短期間の観察では不可能です。

でも、少なくとも受け入れる側で計画している入学後の指導が求めるものを新入生がどこまで身につけているか、答案や行動を観察して見極める機会は確保すべきです。


❏ 学力と学び方を観察する機会を逃さない

学び方については、"授業開き/オリエンテーション"で書いたような模擬授業や予習のシミュレーション以外には観察のすべがありませんが、結果学力については入試の答案から多くのことを窺い知れるはずです。

合格発表までの限られた時間ではじっくり答案を眺める余裕はないでしょうが、それでも採点にあたり、設問毎の正答率や誤答の分布などに意識を向けているかどうかで読み取れるものが大きく違います。

合否の発表を終えてから新入生を迎える準備に取り掛かるまでの期間に、どれだけ精緻に答案を分析できるかが問われます。

調査書だってちゃんと読みたいですよね、時間があればですが…。

高大接続改革に向けて既に入試改革に取り組んで、より精緻な観察ができる出題に切り替えようとしている高校も少なくありません。

もちろん、入試を変えることで「求める学力/学習者像」を示し、それに応じた力をつけて入学してもらうことも大きな意味があります。

しかしながら、答案もそこに現れているものを深く読み取り、入学後の指導に活かすという発想がなければせっかくの取り組みもその効果は半減するのではないでしょうか。


❏ 進路指導計画も入学者の学習体験を踏まえて

指導計画を作成するのは各教科の学習指導だけではありません。進路指導計画も高大接続改革に合わせて修正や作り直しが必要なはずです。

"高大接続改革では"探究活動"と"行動評価"にも注目"で書いた通り、大学入学希望者の選抜にあたり、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を合否判断に用いることが求められるのは、推薦入試(⇒「学校推薦型選抜」)やAO入試(⇒「総合型選抜」)だけではありません。

一般入試(⇒「一般選抜」)で受験させる場合も、進路意識形成と結びつく形での探究的活動を組み込んだカリキュラムが求められそうです。

探究と結び付けた進路指導を展開しようとすれば、当然ながら、"高校生にとっての探究活動"とは何かを考えるときに"中学での経験を踏まえて考える"必要が生じます。

新入生オリエンテーションでは、小中学校での探究活動・課題研究で、何をテーマにどんな活動をしたか、アンケートを取って調べておく必要もあるはずです。


❏ 生徒の変化を見極め、指導計画を再チューニング

新しく採り入れる指導で目指していることが、既に多くの生徒が達成していることだって少なくありません。

入試の倍率が上がったり、選抜方法を変えたりしたときは特に、それまでの見立ては宛にならないものと考えた方がよさそうです。

逆に、以前は「身につけていることが前提」としていたことが、学習履歴の変化で身についていないことだってあります。

変化が生じるのは新入生ばかりではありません。

2年生、3年生に進級する生徒だって、前年度の指導で新しい工夫が試されていれば、前年度の生徒とは違った状態にいるはずです。

生徒が何をできるようになっているか、何を経験してきたかは、先生たちの経験則に照らした想像ではなく、きちんとした調査で把握すべきと考えます。



状況が変われば、自ずと指導計画にもそれに合わせたチューニングが必要になりますが、新たに作った指導計画が求める指導者側の知識やスキルも確保しなければなりません。メンテナンスやトレーニングに必要な期間を想定して、新入生を迎えるまでの準備を進めていきましょう。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一


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1 シラバスの起草・更新に際して1.0 シラバスの起草・更新に際して(序) 1.1 その1 まずは全体を見渡したグランドデザインを 1.2 その2 指導計画立案の前に検証可能な目標の設定 1.3 その3 副教材の取り扱いや学ばせ方のすり合わせ 1.4 その4 使いながら記録を残してブラッシュアップ 1.5 シラバスを熟読・活用することには効果あり 1.6 評価規準は使いながらブラッシュアップ 1.7 マトリクス点検で指導主眼を適正配置 #INDEX 2 教科学習指導... ...続きを見る
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