現場で頑張る先生方を応援します!

アクセスカウンタ

zoom RSS ボトルネックを探すときは順序を間違えない

<<   作成日時 : 2017/12/19 07:25   >>

トラックバック 4 / コメント 0

授業評価アンケートから改善課題を特定するには正しい質問設計が必要ですが、これに加えて集計結果をどう読むかも大切です。

前稿では、散布図を描き、回帰式から主要項目(=学習効果に特に大きな影響を及ぼす要素)で目安となる値を推定して、実測値と比較してみるという"最初の点検"のやり方を説明しました。

主要項目はいずれも目安値に達しているのに学習効果が目標水準に達しない場合、つまり担当する授業が近似線から下方に大きく離れた位置にいるようなら、ボトルネックの所在を他に探る必要があります。

その際、以下の順序で考えていくのが好適です。点検の順序を間違えると迷路にはまる恐れがあります。


❏ 話し方、板書、説明などに不備はないか

当然ながら、話し方や板書、説明の組み立てや指示の出し方など、いわゆる伝達スキルに不足があれば、伝えるべきことが伝わりません。

説明や指示がわからない以上、できるようにならないのは当然です。実際のデータもそれを示しています。

画像

一目瞭然ですが、左の四分位図では箱の位置が互いに重なり合わないほどのずれがあります。右の散布図でも、第二象限、第三象限に位置する「〇:学習効果≧75」は数えられるほどに過ぎません。

理解を確かめながら、しっかり伝えるべきことを伝えることの重要性を改めてご確認いただけたかと思います。

■ご参考記事:


❏ 目指すべき到達目標の明示に立ち戻って

伝達スキル(話し方、板書、説明)が一定水準に達しない場合、学習目標をきちんと伝え直すことで改善する場合があります。

上の散布図も、授業デザイン(理解確認、目標理解、活用機会)が調えば、伝達スキルも高まることを示しています。

手順をひとつひとつ説明されても、最終的に何を目指しているかわからないと、生徒の側で理解力の補完が働きません。

レンガの積み方を教えるとき、最終的に橋をかけるのか、砦を築くのかわかっていないと、指示を取り違えたり、途中で間違えたときに修正が効かなかったりするのと同じです。

「わかりやすさ」にばかり注目しては、改善の糸口を見失います。

また、同じように教えているつもりでも、クラスごとの集団としての特性の違いによって評価は上下します。

評価が低めに出ているクラスは、それまでの学習履歴の中で、不明を自力で補い解消する力が養われていないのかもしれません。

足りないものを鍛えながらも、より丁寧な伝達を心掛ける必要があるのは言うまでもありません。

■ご参考記事:


❏ 適正な負荷をかけているか

伝達スキルに問題がない場合、難易度や分量などの負荷が適正範囲に含まれているか確認しましょう。

以前の記事でも書きましたが、しっかり負荷をかけてこそ学びに十分な手応えが得られ、負荷不足は伸びこぼしを作ります。

クラス集計値を見て、難しすぎる/多すぎるとの可能性が示されたとしても、一律にハードルを下げるのが必ずしも正解ではありません。

まずは、授業内での対話機会(特に生徒同士の教え合い・学び合い)を整えてみましょう。

仮に先生の話が難しくてわからなくても他の生徒が表現を変えて行った説明ですんなり理解できるかもしれません。

また、互いに助け合いながら調べてみる中で、不明に気づき、それを解消するすべを身につけていくことも十分に期待できます。

繰り返しになりますが、安易に設定目標を下げないようにしましょう。与えている課題の一部を上位生向けの任意扱いにする手もあります。

■ご参考記事:



授業を通じた学びの成果をこれまでより大きく、確かなものにするには、現状で何がボトルネックになっているかの把握が必要です。

直観や経験則に頼るのでは、勝算の不確かな試行錯誤に生徒を巻き込んでしまうリスクもあります。改善プランを立案するとき、使えるデータはしっかり使う(=エビデンスに基づく)ことが重要だと思います。

このシリーズのインデックスに戻る


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一


テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(4件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
散布図中の位置から改善課題を探る
学習評価を行うとき、模試や考査の成績にしろ、授業評価アンケートにしろ、ある評価項目における集計結果を単独で見ているだけで改善課題が見つけられるとは限りません。要素ごとに集計を分けて、散布図を描いてみることで改善に必要なことが見えてくることがあります。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2017/12/19 07:27
授業評価の結果を改善に活かす思考フロー
生徒による授業評価アンケートの結果を授業改善という成果に繋ぐには様々な要件がありますが、その一つが集計結果の読み方です。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2017/12/20 05:22
生徒による授業評価
2017-12-21 更新 1 授業評価アンケート〜正しい活用と質問設計1.0 授業評価アンケート〜正しい活用と質問設計 1.1 講義・座学系の授業評価項目・質問文 1.2 実習・実技系の授業評価項目・質問文 1.3 授業以外について尋ねておくべき生徒の意識 1.4 授業評価アンケートの質問設計〜まとめと追記 1.5 授業評価アンケートを行うときの最小要件 2 集計結果を解析してわかっきたこと2.0 授業評価の結果から(記事まとめ) ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2017/12/20 05:30
集計結果をどう読み、改善に活かすか
授業改善を着実に進めるには、" 効果測定、成果検証"を重ねながら、データに基づく課題形成が欠かせません。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2017/12/21 06:15

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文
ボトルネックを探すときは順序を間違えない 現場で頑張る先生方を応援します!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる