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zoom RSS 進路指導計画の体系化とスリム化

<<   作成日時 : 2018/01/26 07:52   >>

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進路指導計画に組み込まれた様々な行事は"体験の機会"と"選択の機会"の2つに大別できます。進路講演や大学訪問などが前者の代表、出願指導や履修科目選択が後者の代表です。

長年にわたるノウハウの蓄積や試行錯誤、"増改築"を繰り返した結果、進路指導計画が過密化しているケースも少なくありません。

生徒も先生も十分な準備ができずに指導機会に臨んでは、コストの増大を招くばかりか、不要なリスクを呼び込むのではないでしょうか。


❏ 過密スケジュールが招くコスト増と形骸化

進路意識を形成し、進路希望を作り、それを実現するという流れの中で設計された計画も、ひとつ一つの関門をきちんとクリアできないことには、設計通りの性能は発揮できません。

そこでかけたコストは無駄になり、やり直しや補完指導に、本来は必要なかったリソースを省くことにもなりかねません。

コスト増という第一の弊害に加え、一つひとつの指導や体験に十分な意識を向けられないことから生じる形骸化という第二の弊害もあります。

悪循環を断ち切るためにも、進路計画のスリム化を図り、わかりやすくシンプルな計画に組み直すことも検討していく必要があります。


❏ 取り敢えずの選択が先の可能性を狭める

十分な準備なしにその場しのぎに行った"とりあえずの選択"が、後々になって生徒の可能性を狭めてしまうリスクもあります。

選択の機会に十分な準備をして臨めなければ、情報や判断の軸が揃っていないことから、間違ったルートを選んでしまいかねません。

場所を移すと別の光景が見えるものですが、間違った位置に動いてしまえば、本来見渡すべきだった景色に出会えなくなってしまいます。

袋小路に入り込んだことに気付き、同じ道を引き返して、改めて別の道を辿り直すのが楽しい体験になるのは、暇なときの散歩だけです。


❏ 指導機会に臨むための準備とは

以前の記事で書いた、"先に控える選択の機会をいつ認識させるか"は、その準備をいつから始めさせるかということに他なりません。

ここで言う「準備」とは、その指導機会を失敗なく活用するのに必要な事柄を整えることを意味します。

選択の場面に臨むとき、
  • ここでの選択がその先にどう影響するかを正しく理解する
  • 必要な知識を携え、十分な情報を集める方法と姿勢を持つ
  • 多様な意見に触れ、内省を繰り返すことで判断の軸足を決める
といった要件を満たしておく必要があるはずです。

例えば、進路希望調査で、志望学部や大学名を挙げさせることだって、生徒にとってはある種の選択です。準備なしに書かせたことが、その後の想像の範囲を狭めるなど、マイナスに作用する可能性があります。

体験の場なら、進路講演などに向けた事前指導で書いた通り、そこでの刺激を十分に受け取れるよう、ウォーミングアップを経て、生徒の意識を高めておく必要があります。


❏ 体系化してみないとスリム化のポイントが発見できない

指導計画をスリム化するには、一つひとつの指導機会が全体計画の中でどんな位置づけにあるか判断し、体系づけて捉え直す必要があります。

個々の指導機会は、横列一線に並ぶ独立したものではないはずです。

3ヵ年/6ヵ年で重ねていく大小さまざまな選択の機会を軸に、他の指導機会がそれぞれどのような役割を担うのか、指導に当たるすべての先生がきちんと認識しておく必要があります。

計画立案にあたった進路指導部や学年進路の先生が理解・認識しているだけでは不十分です。きちんと目線合わせができているでしょうか。


❏ ある機会での目標達成が次の機会にどう繋がるか

新年度まであと2か月余り。この機に、これまでの年間指導計画を眺め直して、指導機会の一つひとつについてその目的を確認しましょう。

場合によっては、「以前からの慣習」で存在しているだけで、目的がはっきりしない行事も含まれているかもしれません。

体験の場が、進路指導計画の段階的な目標と切り離されて自己目的化していたら、そこに投じたエネルギーには別の使い方もあるはずです。

目的がはっきりしなかったり、3ヵ年/6ヵ年の指導計画の中でのポジションが明確でなかったりするものは、すっぱり止めてしまい、重要な指導機会にリソースを集中するのも合理的な判断ではないでしょうか。

こうして進めた進路指導計画の体系化とスリム化は、先生方の多忙解消を図る上でも大切なことだと思います。

 ■ 効果測定とスクラップ&ビルド(教育資源の最適配分)
 ■ 業務の無駄を省く〜現場レベルで可能なコストカット
 ■ 行事にじっくり向き合える、忙しすぎない学校生活


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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