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zoom RSS 不要な苦手意識を抱かせない (その2)

<<   作成日時 : 2018/01/16 07:46   >>

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昨年夏に起こした拙稿"不要な苦手意識を抱かせないの続編です。

ある科目に苦手意識を持てば、学び続ける意欲を持ちにくくなり、その先に生まれるかもしれない"新たな興味"と出会う可能性が失われます。

もしかしたら、その興味が広がり、深まった先に自分の適性や資質とマッチした将来が開けるとしたら、不要な苦手意識を持たせることが、開けるはずの未来を狭めてしまうということになります。

誰しも何かに苦手意識を持つかもしれませんが、もし工夫次第で苦手意識を抱かせずに済むならそれに越したことはありません。


❏ 苦手意識を抑制する鍵(再)

授業評価アンケートにおいて、その科目が得意か苦手かを尋ねた項目への回答を目的変数として重回帰分析を行ってみると、他の9項目のうち、統計的に有意な正の偏回帰係数が得られたのは、授業内活動と学習効果の2項目です。
授業内活動討論や練習、作業などの活動を通じて充足感を得ることは、{Aとてもある〜Eまったくない}
学習効果この授業を受けて、学力の向上や自分の進歩を、{Aとても実感できる〜まったく実感できない}

この2項目への回答ごとに意識姿勢の集計値を算出してみると、下図のような結果になります。
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授業内活動については、対話的な学びの機会を整えて、「そう思う」と「どちらかと言えばそう思う」が拮抗するくらいの評価が得られれば、意識姿勢をプラス(得意寄り)に保てることになります。

学習効果では、学習目標を正しく認識させたうえで、理解したことをもとに課題を解決する場を設けることで一定の評価が得られます。こちらは「そう思う」以上をキープする必要がありそうです。


❏ 苦手が優位なクラスでも学力向上を実感できる

苦手意識が優位なクラスでは、学力向上感は与えにくいという傾向は確かにありますが、絶対的なものではありません。

下図は、横軸に意識姿勢の集計値を、縦軸に学習効果の集計値を配置して作成した散布図です。両者の相関は0.436と、とりわけ高いというものではありません。
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斜めに通っている赤い帯は、近似線に幅をつけて描いたものですが、その上側にも下側にも多くの授業が分布しています。

近似線の上方に大きく離れた授業は、生徒側での苦手意識からの影響を抑えて、しっかり学びの成果を実感させている授業(「A群」と呼ぶことにします)と言えそうです。


❏ 指導者の技術と発想が問われている

これに対して、近似線付近に位置する(=帯に含まれる)授業を「B群」、帯の下側にはみ出して位置する授業を「C群」と呼ぶことにします。

授業評価アンケートの他項目での集計値の分布を各群で調べてみると、そこにははっきりした違いが見て取れます。

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苦手意識の影響をもろに受けるか、それを跳ね返して学力向上感に繋げられるかは、授業者の技術や授業のデザイン次第と言えそうです。


❏ 不要な苦手意識を抱かせないために

得意/苦手の意識は、当然ながら、考査や模試の成績からの影響も受けますが、こちらは学習成果を積み上げていくのが唯一の対処方です。

一方、成績は伸びており、学力向上感もあるのに苦手意識から離れられない生徒もいます。

もし、100点満点の状態との比較での「減点方式」でしか自己評価のすべを持たないことが原因となっているなら、振り返りを通して設定した自分の目標をクリアすることに目を向けさせることで改善が図れる可能性があります。

また、何らかの課題を解決できなかった「失敗体験」の積み重ねで自信を失うこともあります。

答案や自分のパフォーマンスを冷静に振り返って「次はこうすれば良い」という展望を得られるかどうかで自己認識は変わります。

答案採点でも、観点別の到達基準を段階的に記述(=採点ルーブリックの導入)により、自身の答案を「減点箇所」ばかりにフォーカスせず、できていたこと/もっと点になる箇所を見つける姿勢の獲得に向かわせるべきではないでしょうか。


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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