評価スキルの獲得とメタ認知の向上

高校教育でも高大接続でも、当然ながらその先の大学教育や社会生活でも、思考力・判断力・表現力が今後ますます重視されていくことには間違いなさそうです。

思考力は、課題を解決しようとしたときに発動しますので、学びのスタイルが知識獲得型から課題解決型に移行するのは当然です。

また、判断力は、様々な考え方に触れて自分の考え方を相対化することで、その軸を作ります。対話的な学びが求められるのはこのためです。

ちなみに対話の相手は、周りの同級生だけではありませんよね。先生との問答や、書物などを介して先人の考えに触れることも間接的な対話であり、欠かすことのできないものです。

こうした対話により膨らませた自分の思考に偏りや見落としがないか、思考の結果を相手に伝えようとする自分の表現が十分な論理と説得力を備えているかを、客観的に評価する力を養うことも求められます。

添削指導を通じて、朱入れしてもらうまで、如上の偏り、見落とし、論理の破たん、説得力の欠如に気づけないのでは、より良い思考と表現を自分の中で形作っていけません。

こうした評価が自分でできるようになれば、その場で思考と表現に磨きをかけていくこともできますし、次の機会にどうすればよいかイメージもできるようになります。

"勉強を好きにさせる学ばせ方"にも通じるアプローチだと思います。

他の生徒の発表や意見に触れながら、評価のスキルを獲得し、メタ認知を高めていくことが、学習者としてのステップアップを果たしていく上で欠かせないのではないでしょうか。


  1. 進歩を止めさせない自己評価の在り方
    評価をさせても、評価スキルを獲得しているとは限らない
    評価シートのバージョンアップに生徒も参画させる
    満点評価を与えても、さらにその先をイメージさせる

  2. 論述問題対策の前段階~要約の練習(前編)
    意見論述や協働での課題解決の土台を作る要約力
    要約力は国語や英語以外の教科・科目でも
    要約力を高めることへの意識は考査問題で作る
    求められるのはコンピテンシーモデルへの転換

  3. 論述問題対策の前段階~要約の練習(後編)
    採点基準を正しく適用する力を養う
    3ヵ年を通して、整合性と段階性を備えた採点基準を
    要約とは何かをきちんと理解させているか
    練習を重ねながら採点ルーブリックを完成させる
    実地の経験の中で作ったからこそ使える基準に


以下は以前に起こした関連記事です。お時間の許すときにご高覧いただければ光栄です。
  • 自己評価、相互評価を行わせるときの工夫
    評価をさせることはメタ認知を高めさせること
    評価機会を重ねて観点や評価規準を理解させる
    目指すべき到達状態をセンテンスの形で明示
    規準を満したA評価をベースに評価段階を設ける
    その評価を選んだ理由を言葉にさせる
    「十分」と「普通」の違い~点数方式の落とし穴

  • 評価規準は使いながらブラッシュアップ
    目標の共有、課題形成、メタ認知
    あくまでも使いながらのブラッシュアップ
    使ってみるときの七か条


■関連記事:
  1. 良いものを選んで重点的に~探究活動の成果発表
  2. 探究活動における評価とフィードバック
  3. ポートフォリオの円滑な導入と効果的な活用に向けて


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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