現場で頑張る先生方を応援します!

アクセスカウンタ

zoom RSS 生徒の興味・関心をどこまで育めたか

<<   作成日時 : 2018/06/29 08:41   >>

トラックバック 2 / コメント 0

授業を通じて生徒の興味・関心を高めるのは、どの教室にも共通する目標だと思いますが、そのための指導方法について論じる機会の多さに比べて、「興味・関心とは何か」という根幹に立ち戻った議論はあまりなされていないような気がします。

興味・関心とは何かをきちんと定義しないままでは、高まりを客観的に測定することもできません。

方法だけを論じても、それがどのくらいの成果を得たか検証できなければ、倣うべき優良実践を探し出すことも難しいはずです。


❏ 興味とは、知りたい気持ち/やってみたいという欲求

何かに興味をもつということには様々な形態がありますが、どんな場面にも共通するのは、「それをもっと知りたい/試しにやってみたい」という欲求でしょう。

わかりきっている/自明だと思い込んでいることや背後や周辺にぱっと見以上の広がりをイメージできないことに興味が沸くとは思えません。
  • どうしてこうなっているのだろうか
  • なぜそんなことが言えるのだろうか
  • 他にはどんなことができるのか、…
といった疑問を思い浮かべることが興味の本質の一つだと思います。


❏ 問いを思い浮かべさせるには、問い掛けが一番

そうした問いを相手に思い浮かべさせるのに最も手軽で確実な方法は、こちらから問い掛けてしまうことです。

問われたことで、それまで思いもよらなかった角度から物事を見るようになれば、如上の問いの一つや二つ、浮かんでくるはずです。

あるいは、相手が見落としているだろうと思える箇所を指摘してみせ、角度を変えて掘り下げて考えてみる余地が残っていることに気づかせるという手もあります。

興味を持ちなさいと言われても、ハイわかりましたとはなりませんが、如上のアプローチなら外からの刺激で興味のきっかけを作れます。


❏ 自己効力感を持ててこそ、行動への欲求が生まれる

習って身につけたことを別の場面で試してみたいというのは、勉強に限らず、スポーツでも遊びでも経験することではないでしょうか。

ある仕組みや方法を学んで、できることの広がりを感じれば、それを試してみたくなるものです。

新しい表現技法を学んだことをきっかけに、それを使って表現してみたいという気持ちを抱いたご経験はないでしょうか。

自己効力感を持てる範囲が広がったことで、行動が誘発されるというのは本能に近いメカニズムだと思います。

となれば、指導者にできることは、教えたり学ばせたことを使った課題に生徒を挑ませ、その達成を通じ「できることの範囲が広がったこと」を実感させてあげることだと思います。


❏ 関心とは、物事にわろうとする的態度

一方、関心は書いて字のごとく「関わる心」であり、対象に関わりを持とうとする意識や姿勢を指すのだと思います。

社会が抱える課題や自分の身の回りに起きていることに対して、当事者としてどう関わるべきか、どう関わりたいかを認識するという形で現れることもあります。

これを教科学習指導の場に当てはめてみると、
  • 学んでいることが自分にどう関わっているのかを知り、
  • 他人事ではなく「自分事」として認識できるかどうか
といった基準で「関心を持っているかどうか」を判別できそうです。

教科書に書かれていることを字面として理解するだけでは、関りを認識しているとは言えそうもありませんよね。


❏ 教科・科目を跨いだ学びで関心を持たせる

教室で学んでいることを、自分の身の回りに存在する問題として認識させるには、そうした観点で作られた課題が必要です。

それぞれの教科・科目の学習内容に閉じていては、そうした接点を見出すのは容易ではなく、教科・科目を跨いで学ぶ機会が必要です。

その役割をすべて「総合的な学習の時間」に回していては、思いのほか低いところに限界がきそうです。

ときには、同一教科の他科目はもちろん、保健や家庭、情報の教科書にも目を通してみると、思いがけないところに接点があり、担当科目の授業の設計にも発想が膨らむはずです。

生徒にとっても、教科・科目の垣根を取っ払って、様々な角度・視点から学びを重ねられることは有意な体験ではないでしょうか。


❏ 興味・関心をどこまで育めたかを検証する

興味・関心の高まりを測るのに、「学んでいることにどのくらい興味や関心が持てましたか」と生徒に尋ねても、正確な答えは期待薄です。

自由記述で「興味をもったことを挙げて、その理由も添えて下さい」とし、そこに挙がった項目の数と理由の具体性を観点に、基準を設けて段階評価を与えるという手もありそうです。

また、数値で出力したい場合、「授業で学んだことをもっと深く知りたいと思うことがあったか」という質問にすれば、ある程度の精度は期待できるかもしれません。

関心の広がりについては、前述の「身の回りに存在する問題として認識させるための課題」に取り組ませたときのリフレクション・ログに生徒がどんなことを残したかを手掛かりにするのが好適でしょう。

もし、「自分でも、こんな方法でこの課題に取り組んでみたい」といった具体的な意思表明があれば、指導の手応えは十分にあったと評しても良いのではないでしょうか。


 ■ご参考記事:
  教室は、興味が生まれる瞬間を体験して学ばせる場
  興味関心と自ら学ぶ姿勢とのギャップ


教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

テーマ

注目テーマ 一覧


月別リンク

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
対話が思考を育み、深い学びを実現する(まとめ)
2020年以降の新しい入試に初めて挑む学年がこの春に高校生となり、新課程で学ぶ生徒も来春には中学生となる中、新しい学力観にそった、教え方の転換を図るべく、各地の学校では様々な工夫がなされています。 ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2018/07/06 04:30
学ぶ理由/自立した学習者
1 学び続けられる生徒を育てる1.1 教室は、興味が生まれる瞬間を体験して学ばせる場 1.2 5教科7科目に挑ませることの意味 1.3 学び続けられる生徒を育てる 1.4 学びの広さと深さ 1.5 勉強好きにさせる学ばせ方 1.6 学び方そのものを学ばせる 1.7 "丁寧に教える"ことを取り違えていないか 2 どんな人材を育てようとしているのか2.0 どんな人材を育てようとしているのか 2.1 どこに進学させたかよりも、どんな人に育ったか 2.2 "正解を言って欲しい... ...続きを見る
現場で頑張る先生方を応援します!
2018/08/08 06:57

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文
生徒の興味・関心をどこまで育めたか 現場で頑張る先生方を応援します!/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる