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zoom RSS 最適解を示すことより選択の力を養うこと #面談指導

<<   作成日時 : 2018/09/26 07:05   >>

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面接指導では、こちらが用意した「正解」を与えることより、対話を通じて生徒の「選択の力」を養うことに注力すべきかと思います。岐路に立って選択に迫られた生徒が正解を求めるのに安易に応えてしまうと、生徒は自分で判断しなくて済んでしまいます。徹底的に調べて考え選び出すからこそ、選択の力が身につきますし、自ら選択した結果にも向き合う覚悟が持てるはずです。


❏ 進路指導の目的のひとつは選択の力を養うこと

進路指導の目的の一つは「生徒一人ひとりに最適な進路を見つけさせ、それを実現させること」であることに異存はありませんが、進路選択という体験の中で「選択の力」を養うことも重要な指導目標です。

生きていく限り、大なり小なり選択を日々重ねていくことになります。

その時に必要な力をある程度まで身につけさせて卒業させないと、困ってしまうのはほかならぬ生徒本人です。

進路面談においても、経験豊富で生徒のことを良くわかっている先生が最適と考える選択肢はおそらく正解でしょうが、それを示して納得させるだけでは生徒自身が「選択に至るプロセス」を経験できません。

経験しなければ、そこで身につけるべき力を養うことは叶いません。できるようになってもらいたいことは、どんどんやらせていくべきであるのは教科学習指導の場合と同じです。


❏ 生徒自身が考えるところを言葉にさせることに注力

意見を挟みたくなるような場面でもぐっと我慢して、まずは生徒の話を引き出すことに注力し、
  • まだ開けていない扉(=調べ尽くしていないところ)はないか
  • 判断に際して見落としている(=考慮していない)ところはないか
  • 選択した結果に向き合う覚悟(リスクの評価)はできているか
などを一つひとつ見極めていきましょう。

相槌を打ったり「そうなんだ」と肯定して見せたりしながら、考えているところを言語化させるだけでも、生徒は自分の見落としや思考の偏りに気づいていくことも少なくありません。

生徒がしゃべり始めたら余計な口を挟まないようにしましょう。

事前に記入させた面談票を見ながら、「なぜこう考えたの?」「ほかに考慮したオプションは?」と問い掛けていくことも、生徒の考えを深めさせていくのに役立ちます。

せっかく書かせた面談票ですから事前に熟読して、問いの流れをシミュレーションしておいても良いかもしれません。


❏ その場で結論を出さずに、気づきを整理させてから

面談時間が終わるまでに結論に到達しようとすると、ついついこちらが用意した正解を示して納得させることに走りがちです。

過日の記事"気づきを整理し記録させる"で書いたように、面談を終えてから生徒自身にその記録を起草させる中で、もう一度対話を反芻させてから改めて結論を出すようにさせるのでも良いのではないでしょうか。

調べ尽くしていないことを調べ直させたり、気づいていなかった別の考え方に沿って思考をまとめ直したりする中で、より良い選択に近づけるチャンスも生まれるはずです。

教科学習指導(授業)では、"答えを仕上げる中で学びは深まる"と申し上げましたが、進路面談でも同じことが言えます。

面談を「結論を出す場/決めたことを確認する場」と捉えずに、正しい選択に向かうためのロイター板と考えるのが好適です。


❏ 正解を示さなければいけないという発想から離れる

指導者という立場にあると、正しい選択を示すのが仕事と考えてしまいがちですが、その考えを離れてみることが面談指導を成功させるカギなのかもしれません。

面談指導に臨むとき、その生徒が選択すべき行動を「正解」として用意しなければならないと考えては、せっかくの機会が活かせません。

生徒の状況は様々ですから、いくつかのパターンを用意したところで、すべての生徒に最適解を提示できるとは思えません。

正解を示すことを旨としてしまっては、生徒にとっては「対面でお説教される場」になりかねませんよね。構えられてしまっては本音を引き出して一緒に考えるところまで行けるはずもなさそうです。

せっかく作った面談の機会です。相手が考えていることや、意識下に埋もれていながらも望んでいるものを対話の中で引き出していくことに力を注ぎ、有意義な時間にしたいものです。


❏ 自分で選んだことだからこそ、結果に向き合える

納得させる技術に走らず、対話を通して生徒が置かれている状況をより良く知り、抱えている課題への最適解を生徒自身が見つけるように導くことを主眼に、面談の技術を磨いていくことが大切です。

先生が最適と考える解を示しても、それを生徒が「自分で選んだこと」と認識していなければ、後になって想像(期待?)と違った状況に置かれたときに「自分の選択の結果」として受け止める覚悟ができません。

自分で決めるからこそ、たとえ難局に立っても、それを乗り越えていくことに自分の理由が見つけられるのではないでしょうか。

生徒が考えてきたことに論理の破たんや考えの偏りがあっっても、一つひとつ間違いをつぶしていくような質問をしては、まるで取調室での尋問のようになってしまいます。

対話と尋問の境界は、相手の発言をどこまで肯定するかにあります。論破してみたところで、生徒が心から納得できるものでなければ意味はありません。

生徒の発言に「ちょっとまて!こら」と思う場面で黙って頷き続けるのは難儀ですが、まずは生徒の言葉に耳を傾けましょう。

正解は生徒が見つけるもの、こちらはその手伝いをするというスタンスを守ることが面談の成否を決めるはずです。


❏ 生徒の不安には、理解と共感をしても一緒に流されない

重大な選択の機会に臨むほど、生徒が抱える不安は大きくなるもの。理解と共感はしても、一緒に流されては何のための指導かわかりません。

本当はやりたいことや目指したいものがあるのに、できない理由をあげることに終始する生徒がいます。

出来ない理由をあげるのは簡単ですが、それに終始しては、目的に近づく方法が焦点から漏れます。やがては、できない理由に自分を説得されてしまうかも。

そんなときは、問題を切り分けた上で、生徒が挙げた「できない理由」 を解消する方法を考えさせていきましょう。

様々な障害があったとしても、ひとつひとつを取り出して具体化すれば、解消の方法も見つかる可能性が高まります。


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教育実践研究オフィスF 代表 鍋島史一

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